タレントでモータージャーナリストの竹岡 圭さん(53歳)は、「MINI(ミニ)」(イギリス)や「フォルクスワーゲン シロッコR」(ドイツ)、「ルノー メガーヌ R.S.(アールエス)」(フランス)など、これまで12台もの車を自家用車として所有してきたとのこと。仕事でも世界中のさまざまな車を見てきた竹岡さんに、「人生最後の1台」として60歳までに手に入れたいという“あの車”への思いを語ってもらいました。
中学生のときに「初めてかっこいいと思った」車
竹岡さんが今回のインタビューのために出してくれた、これまで所有してきた車のリストには 「トヨタセリカ GT-FOUR ラリー」から、納車されたばかりの「ルノー メガーヌ R.S.(アールエス)」まで、ドイツ車、フランス車を中心に12台の車の名前がずらりと並ぶ。
そのときの自身のライフスタイル、デザイン、走行フィーリングを重視して、そのときどきでセレクトしてきたのだと言う。そんな竹岡さんが、「60歳までに手に入れたい」と夢に見るのが、ドイツの高性能スポーツカー「ポルシェ」。そこには、子供の頃のなにげない思い出が大きく影響していた。
「車生活の最後にはずっと憧れている『ポルシェ』に乗りたいんです。それというのも、中学生のときに街中で『ポルシェ』を見かけて、初めて車をかっこいいって思ったから。それまでは車を見てそんなふうに思ったことはなかったんです。当時の中学生にとって『ポルシェ』といえばスーパーカー。
『スーパーカー消しゴム』(1970年代に小中学生の間で流行した、スーパーカーの形をした消しゴムをノック式のボールペンで弾いて競う遊び)の中に、『ポルシェ930ターボ』が入っていたので『ポルシェってスーパーカーなんだ! これは高くて買えないな』って子供心に思ったんです。
でも、『おばあちゃんになったら乗れるかも! おばあちゃんがスーパーカーに乗るって、めちゃめちゃかっこいい! それなら、60歳になったらポルシェを買おう』ってそのときに決めたんです。中学生にとっては、60歳ってすごいおばあちゃんだと思ったんですよね(笑い)」
中学生のときの夢を大人になってからも持ち続け、竹岡さんはこれまで何回も「ポルシェ貯金」をしていると言う。
「私、何回も何回もポルシェ貯金をしているのですが、そのたびにレースに出たりラリーに出たりして使っちゃって…。2016年には人間関係に苦労してかなり落ち込んで、このままだと体調を崩しそうだと思ったことがあったんです。そこでなにか自分が好きなことをやってみよう思い、ずっとやりたかったラリーをやるか、ポルシェを買うか、どっちにしようかすごく迷って。
結局、ラリーは今しかできないだろうと思って、ポルシェのために貯めていた貯金を全部突っ込んで自分でレーシングチームを立ち上げてラリーに出たんです。
そしてラリーですっからかんになったので(笑い)、去年、自分でチームを動かすのはやめて、今は別のかたが所有するチームでラリーに出させてもらっています。それでまた、『最後は絶対に60歳でポルシェを買う』と誓って、ポルシェ貯金を粛々とやっているところです」