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65歳オバ記者が綴る「20年間続けた不健康生活」と今の不調「体の“借金”があらわになってきた」

オバ記者
次から次に体の不調が出てきたオバ記者、長く続けた不健康生活のツケが回ってきた?
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昨年は、入院と手術を経て境界悪性腫瘍であることがわかった、ライター歴30年を超えるベテランのオバ記者こと野原広子(65歳)。年を重ねるに連れてさまざまな不調に悩まされるようになったという。20年間、不摂生を繰り返した結果なのか…オバ記者が自らの経験を綴る。

* * *

閉経してから体が勝手に誤作動?

「もう、なんか出てくるよね」

最近、同世代と話すとよくこの言葉が出てくる。何が出てくるかというと体の不具合。

65歳になって役所から“前期高齢者”として無料の入浴券が送られてきたときは、タダ券はうれしい、でも高齢者か…と、温かいものと冷たいものを同時に飲み込まされたような気持ちになったけれど、高齢者として約1年過ごしてみると、なるほどこれが高齢者なのね、と思うことが多々あるんだわ。

女性同士の会話
同性代と話すと「なんか出てくるよね」が合言葉に(Ph/photoAC)
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たとえば4文字熟語にすると、これまでは“因果応報”。美味しいものをたんまり食べて、ぐだぐたしていたら太る。つまり原因と結果がはっきりしていたわけ。40を過ぎたあたりから少しくらい運動をしても間に合わず、体の累積赤字はふくらむばかりになったけれど、足し算、引き算の誤差の範囲内。

ところが閉経して、ああ、”女の体”が抜けてサッパリしたと思い始めたあたりから、“意味不明”。「1+1=8」とか、体が勝手に誤作動をしだす。眠いのに眠れない。熱くないのに汗が出る。それほど腹が立っていないのに、なんでこんなに激怒するんだ?と、症状は人それぞれだけど大きくくくれば更年期障害よね。

イライラ、もやもやイメージ
閉経後に感じた体の異変は本当に意味不明だったな(Ph/photoAC)
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還暦が見えてくると不整脈も

私の場合、50歳の閉経前後からそのどれも体験したけれど、思えば軽症だったのね。日常生活に差し障りはない。「ラッキー!」と思っていたの。ところが60歳、還暦が見えてきたあたりから不整脈が出てきたんだわ。

区の検診にいったら聴診器を当てていた老医師が「ん?」という顔をして、「紹介状を書きますから精密検査を受けたほうがいいですね」と言い出した。この時の正直な気持ちは、ああ、来ちゃったかという感じ。

オバ記者
「卵巣がんの疑い」で検査に向かったときのオバ記者
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大昔の体の借金があらわになってきたんだな、と。というのも私、20歳からたばこを吸い始めて、52歳まで1日の休みもなく『セブンスター』をスパスパ。32歳で麻雀を覚えてからは朝も夜もなくヒマさえあればたばこの煙の中にどっぷりよ。

たばこからもギャンブルからも足を洗ったが…

ギャンブルは勝てばうれしい、負ければ悔しい、なんてやっているうちはまだまだ序の口でね。ズブズブとハマるにつれて、負けて負けて真っ逆さまに落ちる、もうダメ。明日からどうやって生きていくのと追い込まれていくと、「私、生きてるわ~」だって。ギャンブル依存症の怖さは自分の力ではこの魔窟(まくつ)から抜け出せないことよ。正直、これを人に話せる日が来るとは思わなかったもんね。

麻雀
昔はギャンブル依存症だった(Ph/photoAC)
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私がすっかり麻雀から足を洗ったのは52歳のとき。『チャンピックス』という禁煙補助薬をのんだら、たばこを吸えなくなり、そうしたらギャンブル熱もすっかり冷めちゃった。あんまり劇的に興味を失ったからかえって体に悪いんじゃないかと心配したくらいよ。

でもそうなるまでの20年間は睡眠時間、無茶苦茶。食生活はでたらめ。加えて運動不足、資金不足。健康とは無関係の生活をしていたわけよね。

思い出す「若いうちはいいわよ。年をとったら出るわよ」

あれは私が健康そのものだった20歳の冬のまっ最中のこと。私が素肌にブラジャーだけでセーターを着ていることを知った50過ぎた職場のおばさんが、つつつと寄ってきて、「あなた、まだ若いからいいけどそんなかっこうをしていたら年をとったら出るわよ。ちゃんと下着をつけて冷えないようにしなさい」と真剣に忠告してきたの。

「そうしまーす」と口では言ったものの、おばさんの話なんか聞けるもんじゃない。20代後半まで下着はスキーに行くときくらいしかつけなかったんじゃないかしら。

「若いうちはいいわよ。年をとったら出るわよ」

指
おばさんの指摘、今ならわかる気がする(Ph/photoAC)
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その言葉はときどき思い出したけれど、何せ「年をとったら」の言葉に実感がない。私は体に負荷をかけ続けた。そうしたらどうなったか。

昨年秋、境界悪性腫瘍のほうは手術をしてスパッと卵巣を切り離して、その後は順調に回復していたはずだったのに、年末年始にコロナにかかり、そのぶり返しがやっと抜けたあたりで、今度は心臓の調子が思うようじゃないんだよね。なにせ心房細動の持病がある。胸の中に小動物を飼っているみたいなんだよね。

オバ記者
「卵巣がんの疑い」で手術を受けたオバ記者。6時間に及んだ
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「なんか出るよね」

その“なんか”の正体を、今度は病院でハッキリさせないと。あ~あ。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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