バレンタインデーで何かと出費になるのが義理チョコ。「会社で義理チョコを配っているのなら、そろそろやめてもいいのでは?」と、生活コスト削減コンサルタントの生方正さんは言います。一方で、会社でお菓子を配ること自体はよい効果をもたらすこともある、と話す生方さんに詳しく話を聞きました。
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義理チョコは日本独自の文化
2月の恒例行事となっているバレンタインデー。その起源はローマにあり、結婚を皇帝から禁止されていた兵士を助けていたバレンタイン司祭が殉教した日が2月14日だったことにちなんでいると言われています。もともと彼の死を悼む日でしたが、いつしか恋人たちのイベントになったのです。
国によっては男性から女性にプレゼントを贈ったり、またお互いに贈りあったり。チョコレートよりも花や高価なプレゼントを恋人に贈ることが多いようです。日本で始まったきっかけはチョコレートメーカーによる販売戦略と言われており、義理チョコの文化も日本独自のものなんです。
会社での義理チョコをやめたがっている人も多い?
近年、職場で配る義理チョコは減りつつあるものの、いまだ頭を悩ませている方もいるでしょう。習慣が残っている職場では、お金もかかるし面倒だとは思いつつ、自分だけ渡さないというわけにもいかなかったり、みんなで折半して用意する決まりになっていたり、仕方なく毎年用意している方も多いのではないでしょうか?
3倍返しなど、受け取る側も負担に思っている可能性
あげる側が頭を悩ませる義理チョコですが、受け取る側も負担に感じている可能性があります。「お返しは受け取ったものの金額の3倍」という説もあり、受け取ったものと同じ額でのお返しはしづらいですし、そもそも甘いものが好きではない場合や健康的な理由で食べられない場合もあります。せっかく用意してもらったものを断るのも難しく、受け取った分だけ負担が大きくなってしまいます。
コロナ禍を理由にすれば習慣もやめやすい
幹事や買い出し係、経費の計算や集金など、余計な仕事も増え、あげる側も受け取る側も望んでいない「社内での義理チョコ配り」。悪しき習慣として続いている場合、誰かが「止めよう」と言い出すのを皆待っているのかもしれません。
社内の習慣として続いているものを急にやめるのは難しいものですが、衛生面や勤務形態の変化などコロナ禍を理由にすればやめようと言いやすく、周りも同意しやすいので、思いきって提案してみてはいかがでしょうか? また、個人で渡している場合は「止めよう」と宣言まではせず、「コロナ禍なので今年は控えようと思っています」とさりげなく周囲に伝えておくのもいいですね。
バレンタインデーのイベントは自分のために
一方で、「サロン・デュ・ショコラ」や百貨店での催事など、世界中のチョコレートが一堂に会するイベントには、選ぶ楽しみがあります。
義理チョコをやめる分、自分や家族用に購入したり、普段お世話になっている人に感謝を伝えるプレゼントとして贈ったりするのはどうでしょう。義理チョコでは配りやすさを重視して選びがちですが、純粋に自分が食べてみたいものや、贈りたい相手が喜んでくれそうなものなど、義理チョコとは違う観点での「選ぶ楽しさ」が生まれますよ。