お出かけ前に、ハンガーに掛かったシャツやニットなどのシワをサッと伸ばせる衣類スチーマー。除菌やタバコなどの脱臭にも効果的だとされていますが、実はこの時期に耳よりな「花粉の抑制」にも作用するそう。その実力や使い方を、家電ライターの田中真紀子さんに聞きました。
高温のスチームを当てることで花粉を抑制
花粉は本格シーズンに突入。花粉が飛び交う外からようやく帰宅しても、まだ気は抜けません。衣類やカバンの花粉を部屋に持ち込めば、室内でも花粉の“ムズムズ”に悩まされるからです。脱いですぐ洗濯機に放り込める衣服ならともかく、ジャケット類や布製カバンなどは、玄関先で花粉を除去しておきたいところ。ここで役立つのが衣類スチーマーです。
「確かに衣類スチーマーで花粉は対策できます。ですが、実は除去しているわけではありません。高温のスチーム(蒸気)を当てることによって、熱に弱いダニや花粉などのアレル物質の作用を抑制してくれているのです。高温のスチームを衣類に1秒押し当てることで、99%以上抑制できるといわれていますので、効果的と考えていいでしょう。
ただし高温が苦手なシルクやウール、カシミアなどの動物繊維、ベルベッドなどは、スチームを押し当てることができませんし、アイロン不可の製品にはそもそも使えません。生地を傷める原因になりますので、タグの絵表示を必ず確認しましょう」(田中さん・以下同)
玄関先で使うなら立ち上がり時間が短いものを
それでは、帰宅後すぐ玄関先で、衣類スチーマーを使いたい場合、どのようなスチーマーを選ぶとよいのでしょうか。
「まず見るべき点は、立ち上がり時間の短さ。衣類スチーマーは、アイロン台を出さずにシワ伸ばしができるという点では、手間要らずとされていますが、実際はやはり手間がかかります。特に気になるのは立ち上がり時間。あまり時間がかかると玄関で待っていられません。玄関で花粉対策用に使いたいなら、すぐに立ち上がる製品を選びましょう。かつては60秒近くかかるものもありましたが、近年は15秒程度で立ち上がるものもあります」
次に見るべきは、スチームのパワフルさ。
「花粉対策に使いたいなら、シワ伸ばしと使用目的が異なりますので、多少大きくてもスチームが長持ちするパワフルなものをおすすめします。一般的に、1分あたりのスチーム量が18g以上がパワフルを実感できるとされています。シワ伸ばしの場合、衣類を引っ張りながらシワが伸びるまで根気よく使う必要があるため、取りまわしやすさも重要でしたが、花粉対策はとにかく高温スチームを全体に当てるのが重要です。
おすすめの使い方としては、玄関で衣類スチーマーを立ち上げている間に、衣類の花粉を落とし、空気清浄機で取り除いてもらってから使うといいでしょう」
カーテンに付着した花粉には、コードが長いタイプを
玄関以外でも花粉の抑制に使えるのが、窓際にかかっているカーテン。
「空気清浄機は空気中を浮遊している花粉は取り除けますが、カーテンに付着した花粉は取り除けません。特に換気をしたときなどに部屋にはいり込んだ花粉がそのままカーテンに付着している場合もあります。カーテンにも使いたいなら、使用面積が広い分、コードが長いものを選ぶと使いやすいです」
以上を踏まえ、花粉の抑制に効果的な衣類スチーマーを教えてもらいました。