
この時期、花粉症を患う人にとって布団の外干しはつらいもの。そこで役立つのが花粉を除去する布団クリーナー。家電ライターの田中真紀子さんに、花粉飛散時期の布団の乾燥方法から、布団クリーナーの選び方まで解説してもらいました。
花粉飛散時期は、どうやって布団を乾燥させる?
布団の天日干しは、ダニやカビの増殖を抑えるには効果的です。その一方で、外で飛び交う花粉が布団に付着し、花粉症の人は就寝時に悩まされることに…。
この時期、花粉を室内に持ち込みたくない人は、どう布団を乾燥したらよいのでしょうか。
「花粉が飛散する時期は、布団乾燥機を使うか、布団はできるだけ外に干さず、日当たりのよい部屋に広げるなどして干すのがベターです。もし外に干したい場合は、天気予報を見て花粉の飛散が少ない日を選び、中でも花粉の飛散が少ない時間にとどめましょう。
ダイキンの調査によると、花粉が少ない時間は、朝に開花して飛び始めた花粉が山から降りてくる10時まで、またはいったん落ち着く14時~17時頃。夕方になると空に舞い上がった花粉が落ちてきます」(田中さん・以下同)
布団に付いてしまった花粉は、空気清浄機では取り切れない
一方、外干ししていないにもかかわらず、夜、布団にはいった瞬間、鼻がむずむずして花粉を感じることも…。
「その場合考えられるのは、外から持ち込まれた花粉です。いちばんは窓開け換気の際ですが、外出先から帰ってきた人の髪や衣服についた花粉が静電気によって付いてしまう場合もあります。空気清浄機は、空気中に浮遊したものは取り除いてくれますが、付着すると取れにくくなりますので、できれば24時間空気清浄機のONにして、布団やカーテンなどに付着する前に取り除くようにしましょう」
最後の手段は布団クリーナー
それでも布団に花粉が付着していると考えられる場合、何で取り除くのがベストでしょうか。また、やってはいけないことは?
「布団についた花粉を取り除く場合、やってはいけないのは布団叩きなどで叩くこと。花粉は粉砕することでさらに細かくなり、より長時間空気中を舞いやすくなってしまいます。空気清浄機で吸引しきれないほどの小ささになり、繊維の隙間にはいり込んでしまうリスクも考えられます。
花粉を取り除くには、固く絞ったふきんで優しく拭き取るか、布団クリーナーを使いましょう。布団クリーナーを使えば、布団に付いてしまった花粉もしっかり取り除けます」
布団クリーナーは吸引力で選ぶ
ただし、一概に布団クリーナーといっても種類はさまざま。選び方のポイントを教えてもらいました。

「選ぶ基準はやはり吸引力。センサーを搭載し、ゴミがなくなったことを教えてくれる製品がベターです。ゴミ捨ての際に舞い上がる花粉が心配という人は使い捨ての紙パック式や、使い捨てのフィルターを収納したダストカップ方式を選ぶと安心。最近はコードレス掃除機のアタッチメントに布団用ヘッドが搭載されているものもあります。
ふだん空気清浄機を使っている家庭であれば、まずは週2~3回を目安に使ってみてはいかがでしょう」
田中さんが特におすすめの吸引力が強い布団クリーナーは、以下の2点。
【1】 アイリスオーヤマ『布団クリーナーハイパワー FCA-22H-C アイボリー』

高い吸引力に加え、ダストボックスに、花粉が舞い散りにくい使い捨てフィルターを採用しているのが、こちら。
花粉より微細な約20μmまでのハウスダストを検知し吸引

「いちばんの特長は、パワフルな吸引力。毎分1万4000回の超高速振動で布団を叩きながら、毎分2000回の高速回転ブラシでハウスダストや花粉をかき出し、強力に吸引します。その効果は、同社の試験で、3分間で99%以上のハウスダストを除去できたという結果に。

便利なのが『ダニちりセンサー』。花粉より微細な約20μmまでのハウスダストを検知し、その量に応じてLEDランプが光ります。量が多いと赤色、量が減ると緑色に変わるので、目に見えない花粉もしっかりキャッチしていることが分かり一安心。また、直接ゴミが入るダストボックスに使い捨てフィルターを入れて使用することで、花粉の舞い散りを極力抑えつつ簡単にゴミ捨てができるのも魅力です。コード式なのでパワーが持続しやすく、一度に複数の布団を掃除したい人にもおすすめ」
【2】レイコップ『New Style RAYCOP』

吸引力はもちろん、手軽に使いたい人におすすめなのが、こちら。
コードレス&軽量タイプでサッと使える

「ふとんのダニ対策として、10年以上前にいちはやく布団クリーナーの重要性を世に知らしめた立役者。最新モデルは従来モデルから一新し、コードレスかつ、本体重量約1.4㎏と軽量化を実現しています。ブラシレスDCモーター採用により、強力な吸引力も実現。自立するので、ベッドサイドに立てておき、寝る前などにさっと使えます。UVライトによる除菌機能も搭載し、布団が清潔に保てるのもうれしいところ。
従来モデルよりダストボックスの容積が1.3倍大きくなったことで、ゴミ捨ての負担が軽減したのもうれしいポイントです」
布団クリーナーは布団だけでなく、カーテンやソファ、カーペットなど多くの布製品に使えます。空気清浄機や掃除機では取りきれない、繊維に絡まった花粉に重宝するでしょう。もちろん、花粉シーズン以外でも。
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

白物家電や美容家電を中心に家電に詳しいライター。雑誌やウェブなど多数のメディアで、新製品などをレビューしている。https://makiko-beautifullife.com
取材・文/桜田容子
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