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【これ買ってよかった!】睡眠外来を担当する作業療法士が朝すっきり目覚めるために「光」を活用する理由

光目覚まし
朝の目覚めが変わると話題の「光目覚まし」
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暮らしのプロが実際に使ってみて「これ買ってよかった!」と実感した便利グッズと、暮らしに役立つテクニックを教えてもらうこの企画。今回は、薬に頼らない睡眠外来を担当する作業療法士の菅原洋平さんが、朝の目覚めが変わると話題の「光目覚まし」について教えてくれました。

光を浴びて起きることで毎朝すっきり目覚められる

菅原さんがおすすめするのは、ムーンムーンの『光目覚まし時計 inti4』(1万3480円(税込・編集部調べ)。大きさは‎21.4×20×4.4cmほどで、iPhoneくらいのサイズ。その名の通り、光で目覚めることができる目覚まし時計です。

光目覚ましの点灯時
音ではなく、朝日のように強い光で目覚めることですっきりと目覚めることができる
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「光を感知すると体内時計が調整されます。具体的には、朝、網膜に光を感知すると、睡眠に関わるメラトニンという物質が減り、その約16時間後に増加します。メラトニンが減るほどすっきりと目覚め、メラトニンが増えるほど眠くなります。光で起こす目覚ましがあることで、天候や季節に左右されずに、メラトニンのリズムを調整することができ、すっきり目覚めることができます。

また、目覚まし時計やスマホのアラームの大きな音で起きる場合は、人によっては、心拍数や血圧が急上昇して、自律神経を刺激しストレスとなり、不調につながる可能性もあります。一方、太陽光や光目覚まし時計の光で起きる場合は、メラトニンのリズムが整えられるだけでなく、精神を安定させるセロトニンも増えます。朝はすっきり目覚め、日中は安定した気分で過ごすことができ、夜には自然に眠くなるリズムが促されます」(菅原さん・以下同)

人が目覚めるのに必要な、朝日レベルの光を発する

光で目覚めるなら、単に部屋の灯りをつければいいと思う人もいるかもしれませんが、人がすっきりと目覚めるには相当な明るさが必要だそうです。

光目覚まし時計の光を浴びる男性
光目覚まし時計は、体内時計をリセットするために必要な照度を発する
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「人を目覚めさせ、体内時計をリセットするためには2500ルクス以上という照度が必要になります。この光目覚ましの発する明るさは、メーカーによると最大20000ルクス、30cmの距離では部屋に差し込む朝日と同等の2500ルクスの照度があるそうで、しかもそれを自分が起きたい時間に発するように設定できます。そして、いきなり設定時刻にパッと明るくなるのではなく、徐々に日の出のように明るくなるので、心地よく目覚めることができます」

「目覚めがすっきりしない」「気分が落ち込みやすい」人におすすめ

菅原さんは、職業柄目覚めに悩みは抱えていないそうですが、この光目覚ましは、朝の目覚めがすっきりしない人や、気分が落ち込みやすい人、集中がない人におすすめだそうです。

「私はいつも5時起床ですが、4時45分ごろから徐々に明るくなるようにセットしています。この目覚ましがなくても必ず5時には目が覚めるので、目覚ましとしての効果を感じることはありませんが、目覚めてから光を直接見ずに光目覚ましの前でボーっとしていると頭がすっきりしてきます。

イライラしがちなときや、些細なことにびくびくしてしまうときは、セロトニンが不足しているサインです。セロトニンは、リズムのある運動で増える特徴があります。貧乏ゆすりをしたり、ボールペンをカチカチ鳴らすことがありませんか? これらは、精神的に不安定になっているのを回復させるために、脳がセロトニンを増やそうと体にリズムのある運動をさせています。

ただ、これだけではセロトニンを充分増やすことができません。根本的にセロトニンを増やすには、朝のメラトニンをしっかり減らすことが大切です。メラトニンとセロトニンは相反するリズムを持っているので、朝の光でメラトニンを減らすほど、セロトニンを増やすことができます。また、セロトニンは、余計な刺激に反応せず目の前のことに集中することを促します。気分が落ち込みやすい人や集中力に悩む人は、朝の光を積極的に確保してみましょう」

新生活のスタートに、暗い朝でも雨の日でも目覚められるように

春になったとはいえ、まだまだ朝は暗い時間が長いですよね。でもそろそろ新生活がスタートするという人も多いはず。そんな春先の暗い朝や、梅雨など雨や曇りで暗い朝にもすっきり目覚めるのに、「光目覚まし」は有効だと言います。

光目覚まし時計の閉じている状態
早朝に起きなければならない人や、天気が悪く暗い日でもすっきり目覚めたい人におすすめ
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「私の自宅の周りには街灯がないので、冬や春先の朝だったり、曇りや雨の朝、梅雨の時期は、起きる時間になってもあたりは真っ暗です。暗い時間帯でも起きなければならない生活の人や、新生活で早起きのリズムに変えなければならない人にもおすすめです」

◆教えてくれたのは:作業療法士・菅原洋平さん

作業療法士・菅原洋平さん
作業療法士の菅原洋平さん
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ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニックで薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。著書に、『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)など多数。http://ameblo.jp/activesleep/

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