エンタメ・韓流

TVであまり見たことがなかったのに…「岡村靖幸にハマる不思議」を3つの理由で考えてみた

2021年、リリースから31年の時を経て、シングルレコード盤が発売された
写真5枚

ファンから「岡村ちゃん」の愛称で親しまれるミュージシャン岡村靖幸(57歳)。数々のオリジナル曲でヒットを飛ばしただけでなく、渡辺美里をはじめとする多くのアーティストに楽曲を提供するなど、1980年代から今日まで日本の音楽シーンを彩り続けます。しかし、ライターの田中稲さんによると、「いつどこで好きになったか」が不明とのこと。その出会いの不思議について綴ります。

* * *

音楽の出会いは奇跡だ。好みのタイプはもちろんあるのだが、「想定外」もいきなりやってくる。急に問答無用で耳に入ってきて、忘れられなくなるパターン。もしくは苦手なはずなのに心に住み着くパターン。露出が少ないのに大好きになり、どういった経緯でハマったのか思い出せない方もいる。

私の中で、特別なミステリアスボーイが岡村靖幸さんである。

彼がデビューした1986年から今まで、私は彼がテレビで歌唱しているところを観たことがない。しかも、私はタチツテトをチャティチュティエチョという風に英語の発音チックに歌う人がちょっと苦手だ。岡村さん、少し当てはまるではないか。しかし大好きなのである。彼に興味を持ったきっかけはなんだっけ──。ある日突然不思議に思い、記憶の旅が始まった。

メガネとスーツ姿のパフォーマンス場面ががトップに現れる(岡村靖幸ホームページより)
写真5枚

『シティーハンター』経由?それとも渡辺美里?

まず第1に考えられるのは、1987年から始まったアニメ『シティーハンター』経由である。ストーリーも声優陣も大好きだったし、加えてオープニング&エンディング楽曲がいつも素晴らしくスタイリッシュだった。TM NETWORKの「ゲワイ」こと『GET WILD』はもはや伝説だが、ほかにも『City Hunter〜愛よ消えないで〜』の小比類巻かほる、『Angel Night〜天使のいる場所〜』のPSY・Sなど、この番組が出会わせてくれた楽曲やアーティストは数多い。

岡村靖幸さんは『シティーハンター2』(1988年〜)のエンディング曲を担当。『Super Girl』は、ハッピーなイントロと肉感的な低音が、シティーハンターの主人公・冴羽リョウ(「けものへん」に寮)のイメージに合っているなあ、と思って聴いていた。すると歌の中に「仕送り」という生々しいワードが飛び出し、「今『仕送り』って歌った?!」とびっくりしたことを覚えている。この、声と歌の内容のギャップで心揺さぶられたというのが、第1の可能性である。

第2の可能性は、渡辺美里さん経由である。私は彼女の『My Revolution』に衝撃を受け、セカンドアルバム『Lovin’ you』(1986年)を購入。これに『19才の秘かな欲望』という、最高にボンバーな曲も収録されており、大のお気に入りとなった。これを作曲したのが岡村さんだった。私は昔からCDの歌詞カードを読むのが好きだったので、ここで彼の名を知り、興味を持ったのもあり得なくはない。

関連キーワード