健康を意識して毎食サラダは欠かさないという人や、できるだけ肉ではなく魚にしているという人も多いはず。そこで、万病のもとである「活性酸素」研究の第一人者で、『「血糖値がどんどん下がる」にいいこと超大全』(宝島社)を上梓した医師の板倉弘重さんに、意外なサラダの落とし穴や健康にいい肉の食べ方について教えてもらいました。
選ぶべきは低糖質高たんぱくなサラダ、ドレッシングには要注意
健康を意識した食事で、罪悪感なく食べられるメニューの代表格にあるのがサラダ。でも内容には注意が必要だと板倉さんは言います。
「サラダと言えばまずは葉野菜。レタスなどは低糖質なので、おすすめですが、血糖値を正常値で保つためには、低糖質なものだけを食べていればいいわけではありません。たんぱく質は人間の体には必要不可欠な大切な栄養素なので併せて摂取することがおすすめです。チキンやゆでたまご、ツナなど、高たんぱくな具材がはいっているとなおいいです。
ただ、サラダを食べる際に、多くの人が勘違いしていることがあります。ドレッシングはノンオイルのほうが健康の観点から見た場合に優秀と思われがちですが、一概にそうとは言えません。確かにノンオイルドレッシングは低カロリーです。しかしながら一般的なドレッシングよりも糖質が多いことがあり、この点から言うとヘルシーとは言えないこともあるので注意が必要です。
そもそも、『適正な糖質を摂取する』という観点で食事を考えた場合、実は油脂は問題ではありません。結果としてドレッシングはノンオイルである必要はないのです。オイルドレッシングは油脂でコクを出していますが、ノンオイルドレッシングは油脂がない分、糖分や塩分でコクを演出している場合が多いです。ノンオイルドレッシングは脂質が控えめなだけで、糖質が控えめなわけではありません。つまり、低カロリー=低血糖ではないということを頭に入れながら、正しい血糖コントロールの情報を仕入れていきたいですね」(板倉さん・以下同)
要注意は「ポテトサラダ」「マカロニサラダ」
さらに、“ドレッシング問題”ではなく注意が必要なサラダがあるそうです。
「“サラダ”と名前がついていると、ヘルシーなイメージですが、サラダとついていればすべてがOKというわけではありません。根菜類のじゃがいもは糖質が多いので、ポテトサラダは注意が必要です。同じくパスタ類も糖質が多いので、マカロニサラダやパスタサラダも野菜メインのサラダと比べるとおすすめはできません」
脂質を抑えた調理法なら肉だって食べてOK
昔は「血糖値が高いとお肉はNG」と思っている人も多かったようですが、最近では豚ひれ、豚もも、鶏のささみ、鶏むね肉などを食べても問題ないというのが浸透しつつあります。
「できるだけ低脂肪調理した肉を食べることをおすすめします。肉と脂を一緒に摂ると当然カロリーは上がります。ですので、肉を食べるなら、油で炒めるよりも『蒸す』『ゆでる』といった調理法がスマートです。例えばせいろ蒸しやしゃぶしゃぶなら、肉そのものに含まれている脂をある程度落とすことができます」
野菜と一緒に肉を食べることが大切
調理方法以外にも、肉の食べ方を工夫するとヘルシーにすることができると言います。
「大切なのは、野菜と一緒に食べること。肉を食べる前に野菜を食べると、脂肪の吸収を遅らせ、中性脂肪が上昇するのを抑えられます。肉を食べるときの野菜の割合は、肉100gに対して、野菜150~300g。たっぷり、見た目からして“野菜多め”がベストです」
◆教えてくれたのは:医師:板倉弘重さん
医学博士。現在、同研究所名誉所員、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、茨城キリスト教大学教授、品川イーストワンメディカルクリニック院長を兼任。万病のもとである「活性酸素」研究の第一人者で、赤ワインやココアなどの抗酸化作用を明らかにしたことでも有名。2022年9月、『「血糖値がどんどん下がる」にいいこと超大全』(宝島社)を出版。