健康・医療

「春バテ」ってどんな症状? カギは自律神経!気をつける3つのポイントを医師が解説

不調のイメージ
バテるのは夏だけじゃない。「春バテ」について解説(Ph/photoAC)
写真6枚

「夏バテ」という言葉があるように、春になると体調が崩れてしまう「春バテ」も存在します。それに気づかず無理をしてしまうと、症状をこじらしかねません。そこで登録者数60万人を超えるYouTubeチャンネルで人気のドクターハッシーこと内科医の橋本将吉さんに、春バテの特徴と気を付けるポイントを聞きました。

春に注意したい自律神経失調症

春バテとは、季節の変わり目である春先に起こりやすい心身の不調のことです。めまいや日中の眠気、倦怠感、情緒不安定など、さまざまな症状があります。

「春は寒暖差が大きい時期で、気温や湿度が急に変化するため、体の調整機能が追いつかなくなりがちです。また、進学、就職、人事異動、引っ越しなどで、生活環境や人間関係が変化してストレスがかかり、自律神経が乱れることも体調を崩す原因になります。体(フィジカル)と心(メンタル)は影響し合うので、どちらもダメージを受けることがあります」(橋本さん・以下同)

春 桜
春は体と心、両方のダメージを受けやすい(Ph/photoAC)
写真6枚

自律神経は全身の器官をコントロールする神経系で、自分の意志とは関係なく自動的に働いています。心臓や消化器の動きを自身で止められないのは、自律神経が制御しているためです。一方、筋肉や関節のように自分の意志で動かすことができる神経系は、体性神経です。

そのまま「5月病」になるケースも

「自律神経が乱れて健康を害する症状を、自律神経失調症といいます。自律神経には、交感神経と副交感神経という2つの神経があります。交感神経は頭脳や体を働きやすい状態に整え、副交感神経は心身のメンテナンスを担う神経でリラックスしている時に働きます。どちらも大切な神経で、自動で切り替わるのですが、この切り替えがうまくくいかずにバランスが崩れると心身に不調をきたすのです」

不調のイメージ
春バテから5月病になることも(Ph/photoAC)
写真6枚

メンタルのダメージは2か月ほどタイムラグがあり、3月、4月の頑張りが5月あたりに現れることもあります。いわゆる「5月病」です。そうなる前に、しっかりと自律神経を整えたいところです。

ハッシー流「自律神経を強くする方法」

「自律神経が勝手にバランスを崩しているのだから、治しようがないのではないか」と心配になりますが、「自律神経を強くする方法」が3つあると橋本さんは説明します。

「1つ目は、自分をよく知ること。自律神経は内臓を自動的に動かしていますが、しっかりと感情に反応しています。たとえば、“あのママ友さん苦手”と思うと心臓がドキドキする、週明けに“また明日から仕事だ”と思うと息苦しくなる、などの経験はありませんか? 自分がどんな時にストレスを感じるのかを理解すると、先回りをして対策を立てられるので、自律神経を強くすることができるのです」

2つ目の方法は「本を読む」こと。

「本から多角的な価値観や感情に触れることで、“自分の考え方は独特だったかも”“頑張りすぎてたみたい”と気づきがあるかもしれません。また、知識が付くほど、自分の意見に自信が持てるようになります。興味のある分野の本から読み始めてください」