新玉ねぎがおいしい季節になりました。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「みずみずしくて甘い新玉ねぎは、目利きや保存の仕方が通年出回る黄玉ねぎとは少し異なります」と話します。そこで、その違いを教えていただきました。
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新玉ねぎと玉ねぎの目利きの違い
新玉ねぎは3〜5月の暖かくなった季節に味わえる、旬の味覚です。黄玉ねぎは日持ちをよくするために収穫後1か月ほど乾燥して出荷されますが、新玉ねぎは乾燥させずにすぐに出荷される、早取りのたまねぎの総称を指します。
やわらかくてみずみずしい新玉ねぎを買うために、見るべきポイントを覚えておきましょう。
新玉ねぎを選ぶときは、葉もチェック
新玉ねぎは表面に傷がなく、首の部分が締まっていて固さがあるものを選びましょう。また、ずっしりと重みがあるものは、水分量が多く、みずみずしいですよ。この時期に新玉ねぎとして販売されるのは早生種と呼ばれるもので、日に当たる時間が短いことで形が扁平になる傾向にあるので、食べごろに収穫された平たくてどっしりとしたものを選びましょう。早く出回る早生種ほど平たい形になっています。
葉付きのものは、葉が青々としているほうが新鮮。ちなみに、新玉ねぎの葉はやわらかくて辛みもなく、味噌汁などにするとおいしく食べられます。
通年売られる黄玉ねぎの見極め方は?
年間通して売られている黄玉ねぎの場合も、おいしいものを見極めるポイントは新玉ねぎとほぼ変わりません。
唯一のポイントの違いは、形と皮。黄玉ねぎの場合は、春に出回る新玉ねぎと品種が違うため、順調に育つと丸い形に。そのため丸々としたものがおすすめです。皮は乾燥していて、ツヤがあるものが良品といわれています。
新玉ねぎは冷蔵庫、玉ねぎは冷暗所で保存
通年出回る黄玉ねぎと、新玉ねぎとでは保存の方法が異なります。新玉ねぎは水分が多く、あまり日持ちしないので、正しく保存しましょう。
痛みやすい新玉ねぎは冷蔵保存が基本
新玉ねぎは傷みやすくカビが生えることがあるので、冷蔵保存がおすすめです。ポリ袋に入れてから、冷蔵庫に置き2~3日以内に食べきりましょう。カットしたときはラップで包んでから冷蔵庫へ入れ、早めに使い切ってください。
黄玉ねぎは常温保存でOK!冷凍のポイントも紹介
通年出回る黄玉ねぎは風通しのよい冷暗所に置きましょう。湿気に弱いので、乾燥している場所がベストです。ネットに入れて吊るしてもいいですよ。温度が高くなる夏は、新聞紙に包んでから冷蔵庫の野菜室へ入れましょう。
黄玉ねぎは冷凍もできますが、解凍したときに水分が抜けやすいので、みじん切りやスライスにしてから保存し、スープの具材やミートソースなどに使うのがおすすめです。炒めてから冷凍すると、甘みが増した状態で保存できますよ。いずれも1か月程度で使いきりましょう。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ