春からの時期に活躍するアウターといえばジャケット。1枚あるとちょっと肌寒いときにも安心ですが、着こなし方を間違えるとフォーマル感が出すぎてしまうことも。そこで、50代の大人女性におすすめのこなれて見えるジャケットの使い方をパーソナルスタイリストの杉山律子さんにうかがいました。
ジャストサイズはNG!オーバーサイズの今どきジャケットを選ぶ
ジャケットといってもいろいろありますが、定番のテーラードジャケットは1枚持っていると便利なアイテムです。ただし、一歩間違えるとカッチリとした印象になりビジネスライクになってしまうことも。こなれたおしゃれを楽しむにはどうしたらいいのでしょうか。
「ジャケットをこなれて見せるには、サイズ感が大切です。フィットしたサイズだとコンサバに見えてしまいますよ。
もしかしたら、昔着ていたスーツのジャケットをずっと持っている人もいるかもしれませんが、大失敗する可能性が高いので復活させない方が無難です。昔のジャケットと今どきのものは、ジャンルが違うと考えましょう。サイズ感やデザインも変わっています。
今どきのものはオーバーサイズで中性的なデザインだったり、素材もコットンなどカジュアルなものが多くなっています。こなれて見せるには、やはり今どきのジャケットを選びましょう」(杉山さん・以下同)
定番のネイビーは長く使えるのでおすすめ
これから購入するなら何色がおすすめ?
「春っぽさを出すなら白もいいですね。顔色もきれいに見えます。でも、春以外の季節でも着回すことを考えたら、やはり定番のネイビーがおすすめです」
カジュアルなボトムスと合わせてこなれ感を演出
では、どんなアイテムとコーディネートしたらおしゃれに見えるのでしょうか。大人女性が着てもフォーマルに見せないコツは?
「ジャケットはどうしてもカッチリとした印象のアイテムなので、コンサバなタイトスカートと合わせるのはNG。
デニムなどカジュアル度の高めなアイテムと合わせると中和されてこなれ感が出ます。また、ジャケットはメンズライクなアイテムでもあるので、きれいめなスカートと合わせるのもおすすめ。フレアスカートやスウェット素材でロング丈のタイトスカートなら、体型カバーにもなります。
カジュアル度の高いアイテムとして、ボーダーのトップスを下に着る場合は少し注意が必要です。ジャケットのデザインにもよりますがボタンが目立ったりするものもあるので、白が多めのボーダーを選び、ボーダーが目立ちすぎないようにするといいでしょう」
腕まくりや肩がけなどで動きをつけるとこなれ感がアップ
「ジャケットはそのまま着るのではなく、肩がけにしたり、袖をたくし上げたりして動きを出すのがポイントです。ビジネスライクなアイテムこそ、着崩すことでおしゃれ感を出すことができます」
テーパードパンツにはパンプス、スカートにはスニーカーを合わせる
「コーディネートには足元も大切です。ジャケットにテーパード型のデニムを合わせた時に、スニーカーを合わせると意外とバランスが悪くなってしまいます。テーパードなど細身のパンツやデニムを履く場合は、パンプスを選んで。スカートの場合は、スニーカーがおすすめです」
アクセサリーはジャケットのデザインに合わせて引き算を
大人女性のコーディネートに必須なアクセサリーですが、ジャケットコーデの場合はデザインによっては注意が必要。
「ジャケットに金ボタンがついているデザインの場合、アクセサリーはつけすぎないように気をつけましょう。金ボタンがアクセサリーの役割を果たしているので、つけすぎるとケンカしてしまいます。上手に足し引きしてください」
上手に取り入れれば、パッと羽織るだけでもおしゃれに見えるジャケットコーデ。今どきの一枚を手に入れて、サラリと着こなしましょう。
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん
一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。ファッション講座やプロ認定講座を開催。顔立ちや体型、に合わせたスタイルの提案に定評がある。新著に『シンプルにはじめる 大人の着こなし入門 プロが教えるセオリー&アイデア』(翔泳社)がある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子