
「お金持ち」と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか。「ブランドものに身を包んでいる」、「羽振りがよく、人によくおごる」。そんなイメージを持っている人も多いと思います。しかし、「本当のお金持ちは自分の価値観に合わないことに支出することを嫌うため、他人から見たらケチに見えることが多い」と生活コスト削減コンサルタントの生方正さんはいいます。そこで、お金持ちになるために必要な「お金が貯まる人の思考」を教えてもらいました。
【目次】
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ケチを貫く精神力を持つ
すべてのお金持ちが当てはまるわけではありませんが、お金を使うことを渋る「ケチに見える人」の方が、資産を増やせる傾向が強いことは間違いありません。お金が貯まる人になるためにはまず、人から「ケチ」だと思われることを恐れず、必要以上にお金を使わない「ケチ」精神を貫くことを意識しましょう。

「お金を使うと資産を増やせる」は嘘?
「お金を使った人の方が資産を増やせる」と唱える人もいますが、収入アップにつながる資格など、自分に返ってくることに正しく支出できなければ、資産が増えることはありません。お金が貯まる人というのはあくまでも、支出より収入のほうが多い人なのです。
ケチ精神でお金が貯まる
使うお金より入ってくるお金を多くするためにはまず、稼いだ収入内で生活を心がける必要があります。さらに、「バーゲン品など一時的な衝動につられて買いものをしない」、「虚栄心や見栄のために支出しない」、「『他人が持っているから』といった理由で物を買わない」といったことも重要。つまり、「本当に自分が欲しいもの」以外にお金を使わないようにするということです。

ケチ精神で出ていくお金をコントロールできるようになれば、自然とお金が貯まるようになります。また、貯金が増える喜びを知ると、さらに無駄な出費を抑えられるようになり、資産の増えるスピードは加速します。
金銭感覚を磨いて無駄な出費を減らす
お金持ちの多くは「自分が欲しいもの」にだけお金を出す「ケチ」であることと同時に、金銭感覚を磨くことを重視します。金銭感覚を磨くには、考えて買い物するクセをつけることが大切です。
得を考えるより出費を抑えることを意識する
どんなにお得だったとしても契約の前には「本当にそのサービスが必要か」ということを考えましょう。また、レストランやカフェを利用する際にもクーポンなど「より安く利用できる方法はないか」、逆に「クーポンにつられて不要なもの買いそうになっていないか」と、一度立ち止まって、出費を抑えることを意識しましょう。

還元されるポイントやマイルを逃さない
また、支払いにおいてもただお金を出すのではなく、ポイントカードを提示してポイントを得る、クレジットカードで支払うことでマイルやポイントを貯めるなど、還元されるポイントやマイルを意識することも大切です。
「面倒くさい」という感情が無駄な支出を生む
例えば、スマートフォンの契約会社を大手キャリアから格安キャリアに乗り換えると、節約につながることは皆さんもご存じのことと思います。しかし、いまだに乗り換えていない人が多いのはなぜでしょうか。
面倒くさいという感情に負けて手続きを後回しにしている人も多いのではないでしょうか。スマホ料金は、「スマホ本体分割払い」「通信料金」「各種割引」など、料金体系が複雑で理解しづらい仕組みになっているうえ、契約変更の手続きにも時間がかかります。この「面倒くさい」というハードルに阻まれて、無駄な支出を抑えることを後回しにしてしまうのです。

スマホ以外にも、「インターネットに関する契約」「各種保険」「住宅ローン」「利用していないサブスクリプションサービスの停止」など、無駄な支出は意外と多いもの。これらを1つ1つチェックし、無駄な支出の穴を塞ぐ作業は面倒です。しかし、お金が貯まる人ほど、こういった無駄な支出の確認を怠らないのです。
節約するときは時間的効率にも目を向ける
必要なものを安く買う意識は大切ですが、例えば「5円安い大根を買うために、いつものスーパーからさらに5分歩くスーパーに行く」といった節約法は損です。他の商品を安く買うついでに5円安い大根を購入する、ウォーキングを兼ねて買い物に出かけるなど、ほかのメリットがない場合は時間を無駄にしているからです。

例えば、時給1200円で働く人なら10分の価値は200円です。5円安い大根を買うために10分使う場合、働いていれば得られた200円を失うのと同じなのです。節約するときは金額だけに目を向けるのではなく、時間的効率を考えるようにしましょう。お金が貯まる人は、時間をシビアに捉えてコストとして考えるので、お金を貯めることができるのです。
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん

うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/新藤まつり