「面倒くさい」という感情が無駄な支出を生む
例えば、スマートフォンの契約会社を大手キャリアから格安キャリアに乗り換えると、節約につながることは皆さんもご存じのことと思います。しかし、いまだに乗り換えていない人が多いのはなぜでしょうか。
面倒くさいという感情に負けて手続きを後回しにしている人も多いのではないでしょうか。スマホ料金は、「スマホ本体分割払い」「通信料金」「各種割引」など、料金体系が複雑で理解しづらい仕組みになっているうえ、契約変更の手続きにも時間がかかります。この「面倒くさい」というハードルに阻まれて、無駄な支出を抑えることを後回しにしてしまうのです。
スマホ以外にも、「インターネットに関する契約」「各種保険」「住宅ローン」「利用していないサブスクリプションサービスの停止」など、無駄な支出は意外と多いもの。これらを1つ1つチェックし、無駄な支出の穴を塞ぐ作業は面倒です。しかし、お金が貯まる人ほど、こういった無駄な支出の確認を怠らないのです。
節約するときは時間的効率にも目を向ける
必要なものを安く買う意識は大切ですが、例えば「5円安い大根を買うために、いつものスーパーからさらに5分歩くスーパーに行く」といった節約法は損です。他の商品を安く買うついでに5円安い大根を購入する、ウォーキングを兼ねて買い物に出かけるなど、ほかのメリットがない場合は時間を無駄にしているからです。
例えば、時給1200円で働く人なら10分の価値は200円です。5円安い大根を買うために10分使う場合、働いていれば得られた200円を失うのと同じなのです。節約するときは金額だけに目を向けるのではなく、時間的効率を考えるようにしましょう。お金が貯まる人は、時間をシビアに捉えてコストとして考えるので、お金を貯めることができるのです。
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん
うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/新藤まつり