内臓の冷えを確認できるチェックリスト
体調不良の原因となる内臓の冷えは、手足が温かい、体温が高いからといって正常であるとはかぎらないと山口さんは言います。体温が正常でも6割程度の人は内臓が冷えており、自覚症状のない人も少なくないそうです。
そこで、まずは簡単なセルフチェックをしてみましょう。3つ以上当てはまった人は対処が必要で、数が多いほど内臓が冷えている可能性が高いです。
□顔のシミやくすみが気になる
□皮膚にかさつきがある
□唇がひび割れやすい
□足のむくみに悩まされている
□よく胃が痛くなる
□最近イライラすることが多くなった
□ストレスを感じやすい
□体がだるく疲れやすい
□肩こりや腰痛がひどい
□眠れない日や寝つきが悪い日が多い
□便秘が続いている
□手足がほてっている
□姿勢が悪いといわれる
□腹筋運動が1回もできない
□コーヒーやビールをよく飲む
内臓の冷えの改善法!かけるだけでOKのヒハツ
体調不良の原因となる内臓の冷えを改善するには、ヒハツという香辛料がおすすめだそう。山口さんが推奨する理由と、おすすめのレシピをご紹介します。
ヒハツが内臓温度を上げる理由
ヒハツはロングペッパー、ピパーチ、ヒバーチとも呼ばれるこしょうの一種で、こしょうと比べてよりピリッとした辛みとエスニックな香りがします。このヒハツに、内臓温度を上げる効果があるのだそうです。
「冷えた内臓を温めるには、まず体中に張り巡らされている毛細血管を元気にする必要があります。毛細血管は体の隅々まで熱を運んでくれる役割を持っていて、内臓もびっしりと毛細血管で覆われているからです」
この毛細血管は、極細であるがゆえに、劣化しやすく、壊れやすいというのが特徴。しかも加齢とともに衰える傾向があります。そのため、いかに毛細血管を丈夫に保つかが非常に大切だと山口さんは言います。ヒハツに多く含まれるピペリンという成分は、毛細血管を丈夫にする効果があるので、内臓までしっかりと熱が届くようになることが期待されるのだとか。
ヒハツの1日の摂取量の目安は1g程度でOK。小さじ1/2ほどの少量で十分だそうです。味噌汁やお茶にひと振り入れるのもいいですし、肉の下味に使うのも、臭み取りになるのでおすすめだといいます。ヒハツが手に入らない、体に合わないというときは、しょうがパウダーで代用してもよいそうです。
ヒハツを使った「内臓温めスープ」のレシピ
最後に、ヒハツとしょうがで内臓温度を上げる効果に加え、もち麦を使うことで満腹感があるためダイエットにもおすすめの「内臓温めスープ」のレシピを紹介します。
《材料》(2人分)
水…3と1/2カップ 乾燥きくらげ…2g もち麦…30g しょうが…1かけ かぶ…2個 かぶの葉…30g ヒハツ…小さじ1 鶏ガラの素…小さじ1/2 塩…小さじ1/3 醤油…小さじ1
《作り方》
【1】しょうがは千切り、かぶは4〜6等分、かぶの葉は3cm幅にカットする。
【2】鍋に水と乾燥きくらげ、もち麦を入れてひと煮立ちさせる。
【3】ひと煮立ちしたら、【1】とヒハツ、鶏ガラの素を入れて13〜15分程度中火で煮る。もち麦に火が通ったら、塩と醤油で味を調えて完成。
◆教えてくれたのは:理学博士、柔道整復師、鍼灸師、全国冷え症研究所所長・山口勝利さん
冷えを改善しながらやせる形状記憶ボディメイクサロン・シェイプロック銀座代表。30歳のときに構えた鍼灸の治療院で多くの患者を施術するなかで、体の冷えがあらゆる不調の原因となっていることに気づき、「全国冷え症研究所」を1998年に開所。今では、全国に400の分室を持ち、冷えに関する6万人のデータを持つ。「冷え」の怖さ、対処法を広めるべく、TVや雑誌などにも多数出演し、「冷え症」治療の第一人者として注目されている。https://www.ogino-hs.com/hiesyou/index.html
◆内科医・井上宏一さん
日本内科学会認定内科医、日本抗加齢医学会専門医、南砂町おだやかクリニック院長。2000年3月順天堂大学医学部卒業後は、一つの臓器だけを専門にするのではなく、人間の体全体を診ることができる医師を目標に、小児科医、内科医として、さまざまな病院で研さんを積む。現在、南砂町おだやかクリニック院長を務め「『健康=幸せ』の実現をサポートする医療」を掲げ、西洋医学にとらわれず、代替医療も取り入れた総合医療を目指している。