健康・医療

すっきり出ない…更年期に悩まされる「残便感」はどう解消?生活習慣や食生活の見直しポイント

便通の改善に効果的な食材

残便感の解消に有効な食べ物は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれる高食物繊維食材のグリーンピースです。

ザルに入ったグリンピース
便通の改善に効果的な食材のグリンピース
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水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類がある食物繊維ですが、いずれも胃や小腸で消化されずに大腸まで届きます。水溶性食物繊維には腸内の善玉菌を増やしたり、便を柔らかくしたりする作用があり、一方の不溶性食物繊維は便の量を増やして腸管を刺激し、腸の運動を活発化させ、便通を整える働きがあります。

しかし、水溶性食物繊維ばかり摂取すると下痢を引き起こし、体に必要なミネラルが排出されてしまう可能性があります。また、不溶性食物繊維ばかりの摂取は便を硬くさせ、スムーズな排便の妨げとなり、残便感を引き起こす可能性があります。

グリンピースのスープ
スープなど汁ごと食べる調理がおすすめ
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そのため、食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく摂ることが大切です。水に溶けやすい水溶性食物繊維に配慮して茹で時間を短めにしたり、味噌汁やスープなど煮汁ごと食べたりすることで効率的に両方の食物繊維を摂取できます。

残便感の解消に試したい漢方薬

残便感に悩んでいる人は漢方薬を服用してみるのも選択肢のひとつです。
残便感は、更年期による女性ホルモンの減少やストレス、冷えによる自律神経の乱れによる腸の働きの低下や、水分不足による便の乾燥が原因で起こると考えられています。

その改善には、「自律神経のバランスを整えて腸の動きを正常化する」「体を温めて腸の動きをよくする」「便の水分バランスを整える」「たまった老廃物を排泄する」などの働きをもつ生薬を含む漢方薬を選びます。また、症状の改善だけでなく心身の不調の根本改善を得意とする漢方薬は、繰り返す更年期の残便感に困っている人におすすめです。

漢方茶など
残便感の改善に効果的な漢方薬を2つ紹介
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残便感の悩みに役立つ漢方薬2つ

・麻子仁丸(ましにんがん)

腸をうるおし、便の水分バランスを整えます。便をやわらかくすることでスムーズな排便を促す漢方薬です。体力があまりなく、コロコロしたウサギのフンのような便が出る人や、お腹のハリなどの症状がある人に用いられます。

→麻子仁丸について詳しく知る

・桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

腸の過剰なぜんどう運動(腸の内容物を押し出す運動)や緊張を抑えて、腸の動きを正常化する漢方薬です。体力があまりなく、お腹のハリや腹痛、下痢や便秘気味の人に用いられます。

→桂枝加芍薬湯について詳しく知る

漢方薬を始めるときの注意点

漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。

ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん

小原水月さんの写真
管理栄養士の小原水月さん
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おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。

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