食べ方の次は、いよいよ味覚を鍛える「舌トレ」。味覚は刺激の弱いものほど鍛えられるため、薄味のうまみを味わう訓練をすると、味覚が鋭くなって、ダウナー系の食べ物においしさを感じやすくなる。
第2ステップは「舌トレ」で舌を変える!
甘味、塩味、酸味、苦味、うまみなどの味を感知する味蕾は10~12日間で新しい細胞へと入れ替わる。10日ほど続けると、味覚に変化が表れるという。
「懐石料理を真似て、うまみのある野菜や魚介類、肉類を食べてからご飯と汁物を食べましょう。血糖値の上下動が少なく、少量でも満腹になります。
ポイントは、最後に出汁の効いた汁物を飲むこと。味覚を変えるために、まずは10日間、出汁の効いたもので食事を終えてください。
このときに便利なのが昆布です。もし汁物がなければ、食後や間食したくなったときに昆布茶を飲むことで、舌トレを進めることができます」
食間が空き過ぎると、空腹で大食いしてしまうという悪循環に陥る。さらに、食べ物を摂取したときに血糖値が急に上がるので、本来脳にいくはずの糖分が体に脂肪としてまわってしまう。
血糖値の上下動をなるべくなだらかにするためにも、3~4時間ごとに必ずなにかを食べること。
「100~200kcalを目安にしてください。間食でオススメなのはナッツやドライフルーツ、チーズです。特にナッツは5~7割が脂質なので、血糖値が急に上がることはありません。
脂質を摂取すると、十二指腸からコレシストキニンという物質が分泌されて、脳に満腹だというシグナルが送られ、空腹感が抑えられるメリットもあります」
「10日間チャレンジ」のやり方は、以下のとおり。
□ 食事は出汁の効いた汁物で終える
□ 呼吸をしながらゆっくりと食べる
□ 3~4時間に一度は何かを食べる
□ 食べる順番を変える
同時に、身体活動も増やす「ドローイン」がオススメとのこと。ただし、無理や我慢をすると必ず続けることが困難になってリバウンドしてしまうため、「むしろ欲望に忠実でOK」と石川さん。
10日間チャレンジも、難しそうな人は、間食をすることと、出汁の効いた汁物を食事の最後に飲むだけなど、ゆるい設定から。焦らず楽しく続けることがコツ。
「この『小さな習慣作り』の時点で、多くの人に体重が減るという変化が表れました。味覚を変えているうちに体重が減ってきたのです。ダイエットをはじめていないのに、気づいたらダイエットに成功していた。実はこれが、私の提案するノーリバウンド・ダイエットなのです」
舌が変われば自然と食べる量は減る、痩せる「小さな習慣」を身につけたら自然に体重は減ると、石川さん。ダイエットをはじめる前に、必読の一冊だ。
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監修:石川善樹(いしかわ・よしき)
石川善樹(いしかわ・よしき):1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとした学術的研究に従事。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、ソーシャルマーケティングなど。講演や雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーゲーター