
皇后雅子さまは季節を問わず長袖をお召しになることが多く、肌の露出は少なめ。アラフィフの中には腕をあまり出したくないなど、露出少なめファッションを好む人も多いはず。そこで、雅子さまの夏ファッションの中でも、五分丈や七分丈など袖の長さなどで涼しげに見せ、かつ上品さをキープしたコーディネートのポイントをスタイリストの横山麻里さんに聞きました。
露出を控えめに涼しげに見せるポイントは「白」を取り入れること
大人女性の中には、夏でも露出を控えめにしたいという人も多くいると思います。そこで、横山さんに露出控えめの涼しげファッションのポイントをうかがいました。
「白をコーディネートに散りばめると、抜け感が出ます。それから、麻素材やトレンドのシアー素材は軽やかな印象になります。カーディガンやジャケットを肩掛けにして、動きによって肌を見せたり、クロップド丈のパンツやスリット入りのパンツで足首を見せると全体のバランスもよくなり、抜け感も出ます。小物には、クリア素材やかごバッグなど、夏ならではの素材を取り入れるとより涼し気です」(横山さん・以下同)
トリコロールカラーが爽やかなロングジャケットコーデ
1993年6月、ご成婚直前の雅子さまをご自宅前でキャッチ。ネイビーと白のバイカラーのジャケットは五分袖で涼しげです。

「五分袖のジャケットはネイビー×白。そこに、赤のトップスを合わせるというおしゃれなフレンチマリンスタイルに。髪型もカチューシャでまとめられてすっきりとした印象です。
トリコロール配色がとても爽やかで、赤のトップスがコーディネートのアクセントになっています。首元が詰まっていないデザインのトップスなので、ほどよく肌見せでき、濃い色合わせも、バイカラーのジャケットの白がポイントとなり、全体に抜け感を作っています。
お召しのように、洋服に白を取り入れてもいいですし、靴やバッグ、アクセサリーで白を取り入れても涼し気な印象になります」
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ビビッドな赤のツーピースを白小物で上品見せ
1996年7月、佐賀県各地をご訪問の雅子さまは金ボタンがアクセントになった赤の半袖のツーピースをお召しでした。




「鮮やかな赤のツーピースは、きちんと感もありつつ、華やかなコーディネート。バイカラーの小物を合わせて、マリン調にされている小物使いは、おしゃれ度の高さがうかがえます。大粒の白パールのアクセサリーで上品さも爽やかさも演出。白のバッグも爽やかさを放っています。
夏は、ビビッドカラーが映える季節。シンプルなビビッドカラーのカットソーワンピースに、大粒の白パールアクセサリーや、白小物を散りばめれば、涼しげで上品なコーディネートになります」
フェミニンなオレンジのワンピースに白小物で大人っぽさもプラス
1999年8月、三重県で行われた全国農業青年交換大会にご出席の雅子さま。フェミニンなオレンジ色のワンピースがお似合いでした。


「鮮やかなビタミンカラーのオレンジ色のワンピースは、明るい笑顔の雅子さまを象徴するかのような装いですね。シンプルなデザインの白のバッグと靴を合わせることで、甘すぎず上品で軽やかさも感じられます。
鮮やかなカラー服を涼しげに着こなすには、白小物や、クリア素材の小物を取り入れたり、鮮やかカラーの洋服×白トップスや白ボトムを合わせること。爽やかな雰囲気に仕上がります。白の洋服は素材をシーンによってセレクトしてもいいですね。コットンレースや麻素材などでデイリー仕様にしたり、光沢感のある素材でツヤ感を出し、大人っぽく仕上げたりすることもできます。コーディネートのテイストが素材によっても変化するので、色々な抜け感の出し方を楽しめます」
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ライトブルーの大きめシャツを白パンツと合わせた爽やか配色
2003年8月、ご家族で那須御用邸を訪れた際は、雅子さまは、軽やかなペールブルーのシャツを七分袖にして、ゆるめの白のパンツという、涼やかでリラクシーな装い。



「長め丈のゆったりとしたシャツに、ゆったりとした白パンツを合わせたコーディネートは、見た目に涼しげでリラックス感のある着こなし。あえてノーアクセサリーにすることで、肌の抜け感が強調されています。襟つきのシャツやパンプスできちんと感もキープ。ゆったりとしたシルエットと、ペールカラーや白という軽やかな色合わせが大人っぽく清々しい雰囲気になっています。
ロング丈のトップス×ロングボトムの合わせも、引き続きトレンド。ロング丈のシャツやワンピースにパンツを合わせるコーディネートは、気になる腰回りもカバーでき、動くたびに揺れる裾が涼しげです。今回のようなブルー系のカラーや、ストライプ柄を合わせると、爽やかな印象に仕上がります」
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モノトーンコーデを白のショートジャケットでスタイルアップ
2016年8月、第1回山の日記念全国大会に出席されるため、ご一家で長野をご訪問。七分袖のショートジャケットにワンピースを合わせたスタイルアップコーデが素敵でした。


「全体をモノトーン配色でまとめたシックな装い。ジャケットに白を取り入れることで、全体が重たくなく、爽やかな印象にまとまっています。ヘアスタイルもタイトにまとめられていることや、コンパクトなショートジャケットが、顔周りを明るくし、スタイルアップ効果も。白ジャケットだけでなく、白小物をコーディネートに散りばめることで、全体が浮くことなく、軽やかにまとまっています。
どんなカラーにも合わせやすい白の羽織りもの。顔周りも明るくなり、涼しげな雰囲気になります。今季は、トレンド感のあるショート丈をセレクトすると、おしゃれで爽やかな着こなしに。シアー素材や麻素材は、見た目も、着心地も涼しいのでおすすめです」
3首見せたサマーツイードとワンピースの甘辛MIXコーデ
2018年8月、天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さまがそろって兵庫県を訪問された際は白のワンピースに七分袖ジャケットで、“3首”を見せた涼しげなコーディネートをご披露。



「白のワンピースに、白と黒が織り混ざったサマーツイード素材のジャケットを合わせることで、甘すぎず、甘さと辛さがMIXされた大人っぽい雰囲気になっています。ジャケットも白が混ざっていることで、コントラストが和らぎ、軽やかで上品な印象です。
ジャケットは胸元が開いていることや、七分袖のデザインが女性らしく、華奢な手首がみえることや、白ワンピースが胸元からのぞくことで、全体の白の分量が増え、コーディネートに一体感が出ています。
サマーツイード素材は今季トレンド。白が織り交ざったツイードをセレクトすれば、重たくならず、軽やかなコーディネートになります。例えば、いつものシャツ×デニムスタイルに、サマーツイード素材のジレジャケットを羽織れば、トレンド感もあり、涼しげなスタイルになります。シャツも、ロールアップして手首をみせると、より爽やかです」
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細い白ラインのストライプ柄セットアップが涼しげで上品
2018年8月、第100回全国高校野球選手権記念大会の開会式にご出席するため阪神甲子園球場を訪問された天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。雅子さまはグレーに近い淡いブルーに白のラインがはいった五分袖のストライプ柄スーツをお召しでした。



「グレーに近い淡いブル―のセットアップは、それだけで涼しげ。白のラインも細いので、とても上品です。チラッと見えるネックレスのツヤ感や、ジャケットの白ボタン、小物を白で統一されているので、全体がまとまり、爽やかな印象です。
爽やかな印象のコーディネートを作る、ボーダーやストライプ柄。アラフィフ世代がセレクトするなら、あまりラインの太くないものを選ぶと、カジュアルすぎず大人っぽい雰囲気になります。カジュアルな洋服のときこそ、小物は少しきれいめなデザインを合わせると、好バランスです」
◆ファッション解説:スタイリスト・横山麻里さん
ほどよくフェミニンで上品なカジュアルスタイリングが参考になると、同世代の女性たちからの支持多数。大人女性のファッション誌を中心にカタログや広告で活躍中。
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