超低金利時代の今、店舗を持つ通常の銀行だけでなくネット専業銀行(以下ネット銀行)も上手に活用するのが賢い方法なのだと、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは言います。そこで、ネット銀行のメリット・デメリットについて教えてもらいました。
【目次】
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ネット銀行の預金金利はメガバンクの約100倍
銀行や郵便局に預けても、昔と違って今は金利がほとんどつきません。普通に預金していたのでは、資産を増やすことができないと頭を抱えている人もいるのではないでしょうか?
メガバンクの普通預金金利は0.001%ほど
三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行といったメガバンクの定期預金の金利は現在0.001%(2023年6月8日現在)です。100万円を1年間預けてもわずか10円(税引前)ほどと、ポイ活なら数日で手に入るほどの利息しか付きません。普通預金よりも金利の高い定期預金でも、金利は0.002%ほどとさほど変わりません。
0.21%ほどの金利のネット銀行も
ネット銀行の中で最も金利の高いあおぞら銀行 BANK支店を例にすると、6か月単利型で、定期預金金利は年0.2%でメガバンクの普通預金金利の200倍ほどになります。同じく、100万円を1年間預けた場合、1年後の利息は2000円(税引前)になります。税引後の金利は0.159%なので、1590円とかなりの利息が付きます。
同行の定期預金の場合、いくつかのプランがありますが、最大で0.25%の金利がつく商品もあります(5年<半年複利型>の場合)。なお、同行では定期預金を中途解約した場合の金利や、有人店舗口座限定の円普通預金の金利は0.001%なので注意しましょう。
ネット銀行のデメリット
金利だけで見れば圧倒的にネット銀行がお得です。ただし、ネット銀行は引き落とし口座に登録ができない場合もあります。
また店舗を持たないネット銀行の出入金は、コンビニなどのATMを利用することになるため、所定の手数料がかかる場合があります。そのため、手数料無料の対象になる条件を確認しておく必要があります。
ネット銀行と店舗型の銀行を上手に使い分けるのがおすすめ
ここまでの話を踏まえて、普段使い用として近所に窓口がある銀行の口座を持ちながら、貯蓄の用途をメインにネット銀行の口座をもっておくことをおすすめします。こまめにお金を動かさないのであれば、普通預金よりも金利の高い定期預金に預けるのもいいでしょう。ただし、定期預金は途中解約した場合に金利が下がってしまうので、余裕のある資金だけを預けるようにしましょう。
また、多くの銀行では、インターネットを利用して金融取引ができる「インターネットバンキング」を利用することで資金移動の手数料が無料になったり、振り込み手数料がかからなかったりと便利なこともあるので、金利だけでなく、自身のライフスタイルにあった銀行を選ぶようにしましょう。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈