
美容整形に興味を持っていても、どんなクリニックを選んだらいいのか初心者にはわからないものです。そこで今回は、クリニックの雰囲気の良し悪しや看護師とのコミュニケーションの大切さについて、R.O.clinic院長の呂秀彦先生に教えてもらいました。
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【お悩み】看護師さんにどんな相談をすればいい?
「あるクリニックに行ったら、なんだか看護師さんがギスギスしていて雰囲気が悪い感じがしました。クリニックで看護師さんはどんな役割をもっているのでしょうか? また、看護師さんにはどんな相談をすればいいんですか?」(47歳・契約社員)
先生には相談しづらいことも気軽に看護師に相談を
クリニックに行って看護師同士がギスギスしていると、患者も話しかけづらいもの。
「クリニックの雰囲気が悪いと、やはりよいサービスを提供できないと思います。患者様が話しやすい雰囲気作りはとても大切です」と呂先生。
R.O.clinicで看護師を務める岡さんもこう続ける。
「クリニックの雰囲気作りも看護師の大切な役割です。患者様がお悩みなどを話しやすいように、普段から看護師同士はもちろん、先生や受付などともしっかりとコミュニケーションをとって、よい雰囲気作りを心がけています」(岡さん)

雰囲気作りは患者が悩みを話しやすいようにとのことですが、看護師にはどのような悩みを相談することができるのでしょうか。
「スキンケアや手術のこと、不安に思っていることなどどんなことでも相談してください。患者様一人一人に寄り添ってサポートすることが看護師の役目です。
例えば、先生とのカウンセリングで言いづらかったことや伝え忘れていたこと、ダウンタイムや術後の経過で不安に思っていることなどをお話しされる患者様が多いですね。伺ったお話は先生にもフィードバックして、より安心していただけるようにしています」(岡さん)
気になる情報は看護師に聞くのがベスト。体験に基づいたアドバイスも
美容皮膚科の施術やスキンケアなどは看護師が実際に体験していることも多く、実体験に基づいたアドバイスをもらえるそうです。
「自分の肌で試していることも多いので、ダウンタイムや使用感などは実体験をもとにお話できると思います。また、通院しているうちに『ここも気になる、あそこも気になる。どんな方法があるのかだけでも聞いてみたい』というようなことも出てくるかと思います。話を聞いてみたいだけでも、気軽にご相談ください」(岡さん)

「ダウンタイムや施術後に赤みが出るとか、効果がすぐに出やすいものなのか、少し時間が経ってからの方が効果がわかるものなのかなど、体験しないとわからないことも多いんです。インターネットで調べる方も多いのですが、ネットの情報と実際では違うこともありますから、気になることがあれば看護師に積極的に聞くといいでしょう」(呂先生)
手術時の緊張をほぐすことも看護師の役割
治療や手術、スキンケアに関する疑問や不安に応えるほか、看護師のもう1つの仕事は美容皮膚科の施術や手術の介助ですが、手術中に患者の不安を取り除くことも大きな役割なのだそうです。

「手術が始まる前から患者様としっかりとコミュニケーションをとったり、ゆったりとした音楽を流したりするなど緊張がほぐれるような工夫をしていますが、それでも緊張される方もいます。
そういう時は、看護師が手を握ったり、体をトントンと叩いたりして不安を和らげることもありますね。
緊張していると血圧が高くなって出血も多くなるので、少しでも緊張をほぐすように努めています。そうしたサポートも看護師が行っています」(呂先生)
クリニックの雰囲気のよさは、結果的には患者のメリットに
クリニック選びには先生との相性や評判などいろいろなポイントがありますが、看護師に話しかけやすいなど、院内の雰囲気も大きなポイントになりそうです。

「美容外科クリニックに初めて来院する患者様は、医師を目の前にすると緊張してしまう方も多いです。そこで、まずは看護師とコミュニケーションを積極的にとるのもいいでしょう。
看護師になら、モヤモヤしていることなども気軽に打ち明けやすいと思います。看護師は医師としっかりとコニュニケーションをとっていますので、最終的には患者様に還元できるのでメリットになりますよ」(呂先生)
◆教えてくれたのは:R.O.clinic院長・呂秀彦先生

日本形成外科学会専門医。医学博士。日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本美容医療協会所属。順天堂医学部卒業後、昭和大学形成外科・美容外科、大手美容クリニックを経て、2020年にR.O.clinicを開院。患者一人ひとりに真摯に向き合った、丁寧なカウンセリングとオーダーメイドの治療が好評。https://ro-clinic.com
撮影/黒石あみ 取材・文/青山貴子