脂質中毒を抜け出すことで美肌にも
食生活を改善し、脂質中毒を抜け出すことは、美肌にも大きな効果があると岡部さんは話します。脂質を過剰に摂ると、皮脂の分泌が促され、肌荒れや吹き出物が増える原因になります。つまり、高脂質の間食をやめるだけでも肌質の改善効果があるのだそうです。
肌の不調に悩んでいる人は揚げ物や洋菓子などに多く含まれる飽和脂肪酸の摂取を減らし、抗酸化作用のあるEPAやDHAを含む青魚、腸内環境を整える発酵食品、良質なたんぱく質や大豆イソフラボンが摂取できる大豆製品を食べるようにするのがよいでしょう。
「極端なダイエット法では美肌は保てません。摂取カロリーを極限まで減らしたり、まったく糖質を取らなかったりするような過激な食事制限では、肌の新陳代謝を促すことができないからです。極端に脂質を減らしても、カサカサの乾燥肌になってしまいます。脂質に注意を払いながら、バランスの良い食事をとることで、美肌を保つことができるのです」
◆教えてくれたのは:医学博士・岡部正さん
おかべ・ただし。岡部クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業。カナダ、カルガリー大学留学。亀田総合病院副院長を務めたのち、オーダーメイド医療を理想に、東京・銀座に岡部クリニックを設立。専門医として生活習慣病の予防と治療に長年携わる。日本病態栄養学会評議員、日本糖尿病学会認定専門医・指導医、日本肥満学会会員。著書に『脂質中毒 脳は「油」を欲するようにできている』(アスコム)など。