
電気代の値上がりに頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。とはいえ、エアコン必須の夏がやってきて、どうしても電気代がかかってしまうものです。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、夏に実施するべき節電の工夫を教えてもらいました。
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エアコン使用時の節約術
資源エネルギー庁が夏季の19時ごろの電気の使用割合を調査した結果をみると、エアコンが約40%、冷蔵庫が約12%、照明が約14.9%で、エアコン・冷蔵庫・照明が家電の半数を占めています。つまりこれらの省エネをすることが節電の大きなポイントとなります。

エアコンの設定温度は可能な限り高く設定
まずは一番多くの電力を消費しているエアコンの節電について、改めておさらいしておきましょう。節電のコツは、室温が28℃目安になるようにし設定温度を下げすぎないこと。
ダイキンによると、冷房運転で設定温度を1℃上げると、設定変更前より約10%の節電効果があるとされています。
エアコンは設定温度を高めにしていたり、ECO設定にしていると涼しさを感じにくい場合があります。そんなときは、扇風機を併用するといいです。扇風機はその置き方によっても効果が変わりますので、状況に応じて上手に使い分けましょう。

暑いときは扇風機の風を直接自分に当てるように設置しましょう。また、遠くまでエアコンの冷気を届けたいときは、エアコンから来る風を背にして、風を送りたい方向に扇風機を向けると、冷たい風をさらに遠くへ送ることができます。
寝室で使いたいときなど、直接扇風機の風を体に当てたくないときは、壁側に扇風機を向けて風を壁にワンバウンドさせて、跳ね返ったやわらかい風を利用しましょう。
フィルター掃除をするだけで990円の節約に
さらに、フィルターの掃除をこまめにやったほうがいいとわかっていてもつい、1シーズンそのままということもあると思います。

エアコン内部のフィルターが目詰まりすると、吸い込む空気の量が少なくなり、同時に部屋を冷やす力が小さくなることで、部屋を冷やすために多くの電力が必要になり、電気代が増える原因になります。エアコンを使うシーズンでは2週間に1回を目安にフィルターの掃除をしましょう。
「省エネポータルサイト」(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/)によると、月に1 ~2回、掃除をすると1シーズンに約990円の節約にもなるそうです。
窓から入ってくる熱を防ぐことも重要
意外と見落としてしまうのが、窓の断熱対策。夏場に家の中に入ってくる外気熱は、約73%が窓からなのだそうです。つまり、窓からの熱を防ぐだけで暑さをかなり抑えることができるのです。

日本古来より伝わる暑さ対策として、簾(すだれ)や葦簀(よしず)を窓の外に設置するというものがあります。屋外に設置するのが厳しい場合に、マンションなどでも手軽にできるものもあります。
遮熱効果のあるカーテンを活用
窓の断熱対策の1つ目は、遮熱効果のあるカーテンにすること。厚地のものだけでなく、最近はレースの遮熱カーテンも出てきています。
遮熱カーテンによって部屋が暗くなるのが気になる人は、出かけている時間だけ閉めておくだけでも、エアコンで冷えた空気をキープしやすく有効です。

ちなみに、買い替えるのであれば、「ユザワヤ」のオーダーカーテンがおすすめです。1枚からでもオーダーでき、仕立て代込みで値段も手頃です。ネットオーダーもできます。チェックしてみてはいかがでしょうか。(https://www.justcurtain.com/?shop_code=yuzawaya_curtain)
遮熱フィルム・シートが手軽
カーテンの買い替えまではしたくない場合は、遮熱フィルムや遮熱シートを貼るという方法もあります。
主に室内側のガラスの表面に、遮熱効果のあるフィルムやシートを貼り付けるだけなので、カーテンよりも取り入れやすいでしょう。また、西日の当たる窓はより熱を防げる遮熱カーテン、そのほかの窓は遮熱フィルムなどと使い分けるのもよいですね。

ホームセンターやAmazon.comなどのECショップのほか、100円ショップでも購入できます。ただし、100円ショップのものはサイズが小さすぎる場合があるので、使用に足る大きさかを確認してから買うようにしましょう。
窓リフォームで遮熱効果のある窓に
遮熱効果のある窓ガラスに替えるリフォームは、遮熱カーテンや遮熱フィルム・シートに比べて、かなりの効果を期待できます。
窓ガラスを張り替えるため、値段が高価になってしまうのがデメリットですが、断熱するということは部屋の中の熱も逃げづらくなり、冬場の電気代節約にもつながります。電気代が高騰を続ける今、検討してみるのも一手です。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈