歯の欠損を補う治療法のひとつである「ブリッジ治療」。すでに行っている人や検討しているという人もいるでしょう。しかし、ブリッジ治療には意外なデメリットもあります。そのひとつである口臭を解決するセルフケアの方法や食材・漢方薬について歯科医師の見立英史さんに教えてもらいました。
40代、50代の口臭の原因は?
一般的な口臭の原因はドライマウスや歯周病、舌苔、胃腸機能の低下などが挙げられますが、盲点なのが「治療ずみの歯」です。
ブリッジ治療をすると食べかすやプラークが溜まりやすくなることも
ブリッジ治療は歯の欠損を補う治療法のひとつで、歯の形態を揃えて補正することができ、美しい口元になって笑顔に自信が持てたり、噛み合わせを改善することで噛む力が向上したりするなど、さまざまな効果が期待できます。
40代から増えはじめ、50代半ば以降では約50%(厚生労働省「平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-02.pdf)近くの人が受けているブリッジ治療はメリットも大きいですが、一方で注意も必要です。
なぜならば、ブリッジと歯肉との間にわずかな隙間ができ、そこに食べかすやプラーク(歯垢)が溜まることで、口臭の原因となるからです。
ブリッジがフィットしていない場合は歯科医へ相談
ブリッジがきちんとフィットしていないと、ブリッジと歯肉との隙間が大きくなって食べかすが詰まりやすいだけでなく、違和感や痛みが生じることもあるので、違和感がある場合は早めに歯科医に相談し、適切な処置を受けましょう。
ただし、ブリッジ治療をした歯がきちんとフィットしているにもかかわらずにおう場合は、適切なケアによって改善できます。
ブリッジ治療をした歯は歯磨きとオーラルケアグッズで清潔に
まずは、ブリッジ治療をした歯の適切なケアについて、知っておきましょう。正しく歯磨きすることで、ブリッジの寿命を延ばすことができます。また、3~6か月程度の頻度で定期的な歯科検診を受け、歯の清掃とブリッジのメンテナンスをしてもらうことも大切です。
歯茎を傷つけないように丁寧に磨く
まずは歯ブラシでブリッジの表面や歯と歯の間を丁寧に磨きます。ブリッジの表面だけでなく、土台となっている本物の歯とかぶせているブリッジの歯の境目にも歯ブラシの毛先を入れ、細かく振動させて汚れを掻き出しましょう。
ただし、磨く力が強すぎると歯茎を傷つけてしまうおそれがあるため、弱い力で細かく振動させ、1本ずつ丁寧に磨くことが基本です。
オーラルケアグッズで清掃効果を高める
タフトブラシ(毛束がひとつのヘッドが小さな歯ブラシ)やデンタルフロス、歯間ブラシ、デンタルリンス(口内洗浄液)などのオーラルケアグッズを取り入れることで、ブリッジ治療をした歯を含め、口内全体の清掃効果を高めます。
タフトブラシはブリッジと歯茎の境目のプラークを取り除くのに適し、歯間ブラシやデンタルリンスは、歯と歯の隙間のプラークをケアするのに適しています。これらを毎日利用して、食べかすなどをきちんと除去することが大切です。
歯科医院では歯磨き指導を行っているところも多いので、正しい歯磨きの仕方やオーラルケアグッズの使い方について相談してみるといいでしょう。