
レモンといえばビタミンCが豊富なイメージがありますが、ほかにもたくさん栄養が含まれていると、野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。詳しい栄養とともに、福島さんおすすめのレモンを使ったおいしいレシピを教えていただきました。
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肌にも疲れ解消にも効果アリのレモンの栄養素
レモンには、美容にも健康にもよい栄養素がたくさん含まれています。どんな栄養素があるのか、解説します。
ビタミンC&カリウムが美肌にもむくみにも◎
レモンに含まれる栄養素には、高い美容効果があります。よく知られるビタミンCは、風邪予防やストレス解消効果だけでなく、抗酸化作用もあります。細胞などにダメージを与えて体を酸化させる活性酸素を除去するので、皮膚のシミやシワを防いで美肌へと導いてくれます。
体内の余分な塩分を排出するカリウムも豊富で、これはむくみの解消に効果的です。また、ナトリウムを排出して正常な血圧を保つので、高血圧予防にも効果があります。

夏の疲れ解消にぴったりな栄養素も豊富
レモンには疲労回復やリラックス効果も期待できます。レモンに含まれる酸味成分のクエン酸には、体内でエネルギーを作るサイクルを活発にする働きがあるので、疲労回復にぴったり。クエン酸は殺菌効果や食欲増進効果もありますので、暑さにバテたときにもうれしい栄養素です。
また、香り成分のリモネンはリラックス効果があり、アロマや香料にも使われています。血行促進や免疫力アップも期待できるので、レモンを食べるときは一緒に香りも楽しみましょう。リモネンは特に皮に多く含まれています。

カルシウムを吸収しやすくする「キレート作用」
レモンには、意外にもカルシウムも含まれています。さらに、先ほどお話ししたクエン酸には、カルシウムを腸の中で溶けやすい形に変える「キレート作用」という働きがあり、吸収率がよくなるんです。カルシウムを効率よく摂りたい人は、レモンと牛乳を組み合わせるのがおすすめ。ラッシーなどにするといいですよ。

ほかにも、強い抗酸化力を持つエリオシトリンやヘスペリジンなどのポリフェノールもたっぷり入っています。
おすすめのレモン活用法&残暑にぴったりのマリネ
レモンというと、紅茶やジュースに添えたり、揚げ物にしぼってかけたりといったイメージがありますが、煮物やサラダに加えてもおいしいです。レモンの酸味は塩味を感じやすくする効果があるので、味付けにレモン果汁を加えるだけでも、塩分控えめなのに味の薄さが気になることなく減塩することも可能です。

レモン果汁を使いたいけれどしぼり器がないというときは、フォークで果肉を崩してからしぼると、そのまましぼるよりも果汁を多くとることができます。
◆「ズッキーニのレモンマリネ」のレシピ
レモンはマリネに加えるとさっぱりして、食欲のない暑い日もさわやかな酸味が空腹感を刺激します。食欲を増す「ズッキーニのレモンマリネ」はおしゃれな副菜としても食卓を彩りますので、ぜひ作ってみてください。
《材料》(2人分)
ズッキーニ…1本 レモン汁…大さじ1 オリーブオイル…大さじ1 塩…小さじ1/2 こしょう…適量
《作り方》
【1】ズッキーニを薄い輪切りにしてからボウルに入れて塩をまぶし、10分ほど置いておく。
【2】【1】のズッキーニの水気を軽くしぼりレモン汁とオリーブオイルを加え、お好みでこしょうをふりかけたらでき上がり。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ