スマートフォンを見ているときの自分の表情を気にしたことがあるでしょうか。「眉間にシワが寄っている」、「目を細めている」ことには自覚があるかもしれませんが、実はもっとも美顔を脅かすのは「無表情」。顔の筋肉を動かさないことが、老け顔を生むのだそうです。教えてくれたのは、『スマホがあなたをブスにする 歯科医師が教える1日3分でキレイを保つ方法』(大和出版)の著書があり、鍼灸師で歯科医師でもある中城基雄さんです。
無表情は老け顔の元
「スマートフォンを長時間見ていると、無表情になり、顔が老けていく」と警鐘を鳴らすのは、口臭専門クリニックの院長であり、鍼灸師でもある中城基雄さん。なぜスマホの長時間操作が老け顔につながるでしょうか?
まず基本知識として、顔面の筋肉について、解説してくれました。
「顔面の筋肉は大別して2つあります。1つは、関節構造を持つ『咀嚼筋(そしゃくきん)』。顎関節を上下に動かして食材をかみ砕くためにあるものです。それに対して、関節構造を持たない『表情筋』は、唇、頬、目の周囲にあり、会話をしたり笑ったり怒ったり泣いたりすることで、さまざまな細かい動きができます」(中城さん・以下同)
この表情筋が、スマホを長時間操作することで、退化していくと言います。唇、頬、目の周りの表情筋は、喜怒哀楽や会話がなければ反応しない筋だからです。スマホの画面に長時間集中していると、誰とも会話をしないし、見ているものがよほど面白い内容でなければ笑うこともなく、顔面はフリーズしたままです。
「こうした習慣を続けていると、表情筋はどんどんやせ衰えていくでしょう。筋肉は使わないと滞り、ハリを失って萎縮することでたるみやシワを助長します。しかし、動かして鍛えれば弾力を取り戻すことができるのです」
顔の老化対策【1】「アゲアゲ歯ブラシストレッチ」
表情筋を動かすには、中城さんが考案した「アゲアゲ歯ブラシストレッチ」という運動が効果的とのこと。これは、頬の内側から「美」を作るツボと筋肉に大きな刺激を与えることができるのです。
早速始めてみましょう。用意するのは、いつも使っている歯ブラシ1本だけです。
【1】歯ブラシの毛羽が付いていない背の部分を、口の中に入れる。頬の粘膜に押し付け、歯ブラシの柄を使って口の中から頬が膨らむように外側へ押し出す。
【2】歯ブラシの柄を前後・上下に動かして、頬の粘膜をこすり上げる。
※ここで唾液の分泌が促され、筋肉にたまった老廃物や血行も促進されます。さらに、頬の中を流れるリンパ液の流れも刺激を受けて、首筋の皮膚や筋肉のたるみも予防できるようになります。
【3】ふくらんだ頬を自分の力で押し返すように、頬の筋肉に力を込めて歯ブラシを押し返す。下唇も同様に行う。歯ブラシを押さえ、自分の筋肉の力で元に戻すことがポイント。
【4】1か所につき5回、朝晩、【1】~【3】のストレッチを繰り返す。
「このストレッチを続けていれば、早ければ1か月で顔のたるみや小じわ、深いほうれい線が目立たなくなるだけでなく、肌そのものに潤いと弾力を与えて、シミの悩みも解消してくれるでしょう」