
1年を通して産地リレーをしながら出回るセロリは、冬から春にかけては静岡県産のセロリが旬。「涼しい気候を好むセロリは、今の時期がおいしい野菜です。なかでもよりよいものを選ぶ目利きの方法と、おいしくいただける期間が延びる正しい保存の仕方を知っておくといいですよ」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。詳しくお話をうかがいました。
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おいしいセロリを選ぶチェックポイント
露地栽培、ハウス栽培で全国的に生産され、アメリカや中国からの輸入品も流通しているセロリ。涼しい気候を好むので、これからの冬から春にかけて特においしいです。なかでも良品を選ぶ、目利きのポイントをお話しします。
セロリは茎の太さと根元をチェック!
おいしいセロリを見極めるなら、まず茎をチェックしましょう。肉厚で太く、ハリがあり、筋が盛り上がっているようなものが、太陽の光を浴びてよく育っている証拠です。ふにゃっとしているものは、収穫から時間が経って鮮度も味も落ちているので避けるようにしましょう。

根元はぷっくりとして丸っこく、外側が弧を描くようなものが良品です。また、筋がでこぼことしていると、鮮度がよく元気な証です。ちなみにセロリは大きすぎると、成長のしすぎで味が落ちています。根元が3〜5cm程度あるものがちょうどよい大きさです。
葉と切り口までよく確認するのが◎
さらに葉もチェックポイントです。青々とした濃い緑色でみずみずしい葉は、新鮮なサイン。鮮度が落ちると黄色っぽくなります。
また、切り口も確認するのがおすすめです。新鮮なものは、切り口が白くみずみずしいです。NGなのは、切り口にスが入っているもの。スとは、過度な成長などが原因で、内部が割れてできてしまった空間や亀裂のことです。収穫が遅いことが原因のことが多く、固くなっている可能性があります。

食感を保つ冷蔵保存&冷凍の活用法
涼しい気候を好み、乾燥に弱いセロリは、鮮度が落ちるとしなっとした食感になってしまいます。シャキシャキとした食感を保つための正しい冷蔵保存の方法と、冷凍したときの活用法をご紹介します。
冷蔵保存はカットすることがカギ
デリケートな野菜であるセロリは涼しい気候を好むので、常温保存には向いていません。ですから、買ったあとに置きっぱなしにすると、水分が抜けてしおれるのを早めてしまいます。だからといって、買ってそのまま野菜室に入れておくのもよくありません。

重要なのは葉と茎を切り離すことです。セロリはそのまま保存すると、葉が茎の水分と養分を吸い上げて蒸発させてしまうので、カットするのが鉄則。葉と茎を切り離したら、それぞれをキッチンペーパーまたは新聞紙で包んでから、さらにポリ袋に入れて野菜室へ。エネルギーの消費を軽減するためにできるだけ、育っていたときと同じように立てて保存しましょう。葉のほうが早く傷みがちなので、なるべく早めに調理するのがおすすめです。
冷凍セロリは味の染みがよくなる
セロリは冷凍保存もできます。冷凍するときは冷蔵と同様に葉と茎を分けてから、茎の筋を取りましょう。セロリの筋は、手で引っ張っても取れますし、ピーラーや包丁を使って処理してもOKです。
さらに使いやすい大きさに切ってから水気を拭き取り、ジップ付きの保存袋へ入れ、よく空気を抜いてから冷凍庫へ。3〜4週間程度保存が効きます。

冷凍すると、シャキッとした食感は失われるものの、味の染みがよくなりますので、炒め物やスープ、カレーなどに使うのがおすすめです。肉の臭みを取る効果もあるので、ドライカレーの具にするのもおすすめです。解凍して水気を切り、塩もみしてからナムルなどにも活用できます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ