料理動画を公開しているYouTube「料理研究家リュウジのバズレシピ」が人気の料理研究家のリュウジさんが、「いかに少ない材料と手間で、いかにウマイものを作るか」を極限まで突き詰めたレシピ本『虚無レシピ』(サンクチュアリ出版)が話題です。同書の中でよく登場するのが、フライパン1つで作る「ワンパンパスタ」です。そこで、ワンパンパスタの中から「極限まで無駄を削ぎ落とした究極カルボナーラ」と「ケチャップだけなのにナポリタン」を紹介します。
そもそも「虚無レシピ」とは?
「いつも料理にたくさん時間をかけられるわけじゃないし、そもそも『手間をかけたから、必ずおいしい』というわけでもありません。『今あるもので、おいしくする』のも、忙しい日々を生きていく上で、大事なスキルだと思います。加えて、とても大事なことが1つ。虚無レシピは、食材や工程をギリギリまで削ぎ落とした究極の“引き算レシピ”です。逆に言えば、何を足してもアレンジ自在ということ。見た目は全然映えません。でも、味はまったく虚無ではないのでご安心を」(リュウジさん)
虚無に金棒!「ワンパンパスタ」をマスターして
『虚無レシピ』には、フライパン1つで作る「ワンパンパスタ」がよく登場します。これは「ラク」と「ウマい」を兼ね備えた、虚無必須の技なのでマスターして。ワンパンパスタの良さとコツとは?
ワンパンパスタのここがすごい
・「パスタをゆでる」と「ソースを作る」が、フライパン1つでできる
・パスタの小麦が溶けこんでソースの濃度が濃くなり、味に一体感が出る
・フライパン1つでいいので、洗い物が少ない&エコ
ワンパンパスタのコツ
【パスタ麺の選び方】
麺はツルツルしたタイプを選ぶ(『マ・マー」や『バリラ』など)
【2人前のとき】
・水の量は1.6 倍、それ以外の分量はすべて2倍に
・少し大きめのフライパンを使う
【パスタの入れ方】
【1】パスタを束の状態で、フライパンに入れる。
【2】だんだん麺の先がやわらかくなってくるので、上からゆっくりぐっと押していく。
【3】静かに手を離す。
ソースの水分の調整方法に注意
ワンパンで唯一むずかしいのが、ソースの水分調整。基本は、パスタの表示時間の1分前に、煮汁の水分が「大さじ1」になるのがベスト。
残り1分で、水分が多い場合→強火で飛ばす、水分が足りない場合→水を足すというように調整して。使用するフライパンや火加減によっても多少変わります。
では、ワンパンパスタの人気の2品のレシピを紹介します。
極限まで削ぎ落としたら至高を超えた「虚無ボナーラ」
「極限まで無駄を削ぎ落とした究極のとろとろカルボナーラ。1000皿以上のカルボナーラを作りましたが、結論、“ピザ用チーズ”が最強でした」
【虚無メーター】
材料:★★★(使う食材が少ない)
心:★☆☆(工程が少ない)
財布:★★★(金額が安い)
《材料》(1人分)
パスタ(1.6mm)…100g 卵…1個 水…350cc オリーブ油…大さじ1 【A】[ピザ用チーズ…35g 黒こしょう…ひとつまみ] 【B】[コンソメ(顆粒)…小さじ1/2 塩…ひとつまみ] 仕上げ用の黒こしょう…少々
《作り方》
【1】ボウルに卵を割り入れ、【A】を加えてよく混ぜておく。
【2】フライパンに水と【B】を入れて沸かし、パスタを入れて約7分ゆでる。
【3】ゆで汁が大さじ1くらいになったら火を止める。フライパンをふって温度を少し下げ、オリーブ油と【1】を入れて混ぜる。
【4】弱火で軽く火を入れて混ぜ、とろみをつけたらでき上がり。
【ポイント】
工程【2】で7分の前に煮汁がなくなった場合は水を少し足し、煮汁がシャバシャバの場合は、火を強めて。最後のとろみのつけ方は動画がわかりやすいです。
【+αアレンジ】
追加でベーコンを入れるのがおすすめ。
ケチャップだけなのにマジでナポリタン「虚無リタン」
「この原型さえ覚えておけば、もうパスタソースいらないです」
【虚無メーター】
材料:★★★
心: ★☆☆
財布:★★★
《材料》(1人分)
パスタ(1.6mm)…100g ケチャップ…大さじ3 サラダ油…大さじ1 目玉焼き用卵…1個 サラダ油…小さじ2 仕上げの粉チーズ…好みで
《作り方》
【1】フライパンに油を熱し、半熟の目玉焼きを作り、取り出す。
【2】鍋にお湯と塩分濃度1%の塩を入れて沸かし(分量外)、パスタを表示より1分短くゆでる。
【3】【1】のフライパンに再び油を熱し、ケチャップを入れてペースト状になるまで炒めたら火を止める。
【4】【3】に、【2】と少しのゆで汁を加え、火にかけて全体を混ぜる。器に盛り、【1】をのせたらでき上がり。
【ポイント】
塩分濃度1%の目安は味見してスープくらい。
【+αアレンジ】
追加できのこ、ピーマン、魚肉ソーセージ、ベーコンなどがおすすめ。
◆教えてくれたのは:料理研究家・リュウジさん
料理研究家。TV・漫画のレシピ監修や、食品メーカー、大手スーパーマーケット等とのタイアップによるレシピ開発、自治体での講演も多数手がける。「今日食べたいものを今日作る!」をコンセプトに、Twitter で日夜更新する「簡単・爆速レシピ」が話題を集め、SNS総フォロワー数は約880 万人。料理動画を公開しているYouTube「料理研究家リュウジのバズレシピ」はチャンネル登録者数400 万人を超える。著書は累計145万部を突破。「料理レシピ本大賞 in Japan」で大賞を受賞した『リュウジ式至高のレシピ』(ライツ社)などがある。