南国のフルーツのイメージがあるけれど、最近は国産も多く出回るマンゴー。国産は今、旬を迎えていることを知っていますか?「通年輸入したマンゴーが出回りますが、国産マンゴーの旬は4〜8月で、今からちょうど出回ります」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。輸入、国産に共通するおいしいマンゴーの選び方や、正しい保存の方法を教えてもらいました。
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おいしいマンゴーを選ぶには?品種別ポイントも
バナナと同じように、一度収穫してから貯蔵して完熟させるマンゴー。国産マンゴーの場合、海外からの輸入品と比べて輸送距離が短いため、木の上で完熟に近い状態まで育てることができるのが特徴です。高価なイメージがありますが、輸入マンゴーは特に一時期よりは手に入りやすくなってきました。フレッシュなトロピカルフルーツを食卓に並べてみませんか?
マンゴーの選び方|香り・ツヤ・シミをチェック
おいしいマンゴーを選ぶなら、完熟したものを見極めることがポイントです。完熟したマンゴーは香りが強く、弾力があります。
また、表面にツヤがあることもポイント。熟す前のマンゴーは、果皮の全体にブルームという白い粉がつきます。このブルームは、熟すとだんだんと落ちてツヤが出てきますので、白い粉が残っていないかよく見るといいでしょう。
さらに、黒いシミがないかもチェック。このシミは炭疽病(たんそびょう)という原木の病気で、原木からカビ状の菌が移ったものです。食べても人体に影響はないと言われていますが、果肉を腐らせたり品質の低下を招いてしまいますので避けましょう。
もし買ったマンゴーの皮や果肉にシミを見つけた場合は、取り除いてから食べましょう。炭疽病が発生したマンゴーは、ほかのマンゴーに移る可能性があるため一緒に保存するのはNGです。
品種によって、果皮の色で見極めも!
マンゴーにはさまざまな種類があり、果皮は赤色、黄色、緑色など品種によって色が異なります。それぞれ、果皮の色味をチェックすることでおいしいものを見分けることができます。
アーウィン種は果皮が赤くなるマンゴー(アップルマンゴー)です。国産マンゴーに多い品種で、有名な宮崎県産のブランドマンゴー「太陽のタマゴ」もこれに含まれます。全体がむらなく濃い赤になったものがよく熟していて甘みが強いです。
フィリピンマンゴーやペリカンマンゴーなどスーパーで見かけることが多い黄色のマンゴーは、カラバオ種に分類されます。黄緑色だと未熟でかたい傾向にあるので、しっかりと黄色く色づいたものが良品です。グリーンマンゴーは熟す過程で色が変わらない緑色の果皮なので、ツヤがあるもの、香りがよいものを選びましょう。
完熟マンゴーをおいしく食べる保存法
マンゴーは冷やすと追熟が止まってしまうということは覚えておきたいポイントです。完熟する前と後で異なる正しい保存の仕方を知っておきましょう。
冷やすと追熟しない!完熟前後で保存方法を変える
完熟前のマンゴーを追熟させるには、冷暗所などで直射日光を避け、ポリ袋や紙袋に入れてから常温で保存しましょう。熟したら早めに食べましょう。食べる直前に冷蔵庫に入れて冷やすとおいしく食べられます。
追熟したマンゴーをすぐ食べられないときや完熟したマンゴーを購入した場合は、乾燥を防ぐために軽く濡らしたキッチンペーパーで包んでから、ポリ袋に入れ野菜室へ。野菜室に入れる前に先に述べた果皮の色味などをよくチェックし、完熟状態になっているか確認してから冷蔵庫で保存しましょう。
また、マンゴーは日光によく当たった外側が特に甘いです。皮はできるだけ薄くむいて食べるといいですよ。
冷凍すれば1か月保存可能!シャーベットやスムージーに活用
マンゴーは冷凍保存もできます。皮と種をむいてから、食べやすい大きさにカットし、保存袋に入れて冷凍庫へ入れておけば、1か月程度保存できます。
冷凍したマンゴーは、シャーベットやスムージー、トッピングなどに使えて便利です。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ