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節約アドバイザーが教える旅行をお得に楽しむワザ 宿泊費と交通費をどうおさえるか、ふるさと納税や旅行積立も

新幹線
旅行にかかるお金を削減する方法(写真/photoAC)
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物価が上がるとともに宿泊施設や交通チケットの価格も上昇しているが、「旅行は工夫次第で、費用をおさえながらも満足度を維持することができます」と節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは話す。そこで、旅行を安く楽しむコツについて、詳しく教えてもらった。

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旅行を安く楽しむポイント

安い宿、不便な交通手段、低価格な食事を選べば旅行費用は安くおさえられますが、せっかくの旅行で楽しめなかったら意味がありません。旅行を安く楽しむために大切なのは、少しの工夫で費用をおさえ、満足度は維持すること。

旅行でお金がかかりやすいポイントは宿泊費と交通費です。旅行を安く楽しむためには、まずこの2つを見直していきましょう。

繁忙期から日付をずらす

旅行の費用をおさえるポイントは、まず「日にちをずらす」こと。特にパッケージツアーや飛行機代は、繁忙期か閑散期かによって価格が大きく変わります。

スケジュール帳とスマホ
安く旅行できるスケジュールで旅行の計画を立てる(写真/photoAC)
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泊まりでの旅行の場合、行き帰りのどちらかを土日から外すだけでも金額が大きく変わることがあるので、まずは可能な限り、早めに料金表を確認してスケジュールを調整して繁忙日から少しでもずらすようにしましょう。

割引を使う

利用する交通手段にもよりますが、タイミング次第で割引が使えるケースが多くあります。早くから予定がわかる場合は早割を使って予約し、ギリギリまで予定がわからない場合は直前割を使うようにしましょう。

また、旅行会社のパックツアーには交通費程度の価格でホテルがセットになっている格安のプランもあります。選べる便や宿泊施設に制限があったり、条件によって追加料金が必要な場合があるので、よく確認して予約する必要がありますが、ホテルのランクなどにこだわりが強くない場合にはかなりお得に旅行できる方法のひとつです。

安い交通手段を選ぶ

交通手段自体を見直すことも大切です。いつもは新幹線を使って行っていた場所だとしても、時期によっては飛行機のほうが安いこともありますし、新幹線ならグリーン車なのか自由席なのか、飛行機ならLCC(ローコストキャリア/格安航空会社)なのかMCC(ミドルコストキャリア/中堅航空会社)やFSC(フルサービスキャリア/JALやANA)なのかで価格は大きく変わります。

飛び立つ飛行機
快適さをあきらめて交通費を削る選択も(写真/photoAC)
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移動中も絶対に快適に過ごしたい、というわけではないのなら、食事や観光などにお金を回せるよう、より安い交通手段がないか調べてみるといいでしょう。

ふるさと納税や自治体独自の旅行支援割引を活用する

ふるさと納税や自治体独自に実施している旅行支援を活用すると、旅行費用をおさえることにつながります。ふるさと納税では、返礼品にアクティビティチケットを設定している自治体があります。GoToトラベルと全国旅行支援は終了しましたが、独自の割引を実施する自治体があるので、活用してみるといいでしょう。

行きたい地域でふるさと納税や旅行支援割引が実施されていれば、安く旅行ができますし、逆にこうした取り組みが実施されている場所にあえて訪れることで、普段はなかなか選ばないところに行く機会として楽しむこともできるでしょう。

旅行積立

このほか、旅行積立もおすすめです。旅行積立とは、旅行会社や航空会社が提供している金融商品で、事前に積み立てた預金を旅行費用に充てられるというもの。

JTBの「たびたびバンク(https://www.jtb.co.jp/tabitabibank/)」やANAの「旅行積立プラン(https://www.ana.co.jp/ja/jp/travel/tsumitate/)」、阪急交通社の「たびだち(https://www.hankyu-travel.com/tabidachi/)」など各社さまざまですが、積み立ての年利は1%前後~3%程度と、旅行費用として銀行預金を貯めておくよりずっとお得になります。

家計簿と現金、電卓
普通預金で旅行資金を貯めておくよりもお得な旅行積み立て(写真/photoAC)
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私はJTBで行きたい場所が多かったため、JTBで積み立てをしていますが、自分の行きたい場所などに合わせて検討してみてください。

宿泊費や交通費以外で旅行費用をおさえるコツ

宿泊費と交通費以外でも、少しの工夫で旅行費用をおさえることができます。

飲み物や移動時の食事を持参する

旅行先での食事は旅行の醍醐味ですが、飲み物や移動時の食事を持参することで費用をおさえられます。とくに、最近の駅弁はクオリティーも高く人気なのですが、その分高額なため、お目当ての駅弁がないなら、飲食店で食事をしたほうが安く済む場合もあります。

もちろん、駅弁を食べるのが楽しみというかたもいると思います。大切なのはメリハリであり、旅行において自分がどこに重きを置くかを考えて優先順位を付け、おさえられるコストはおさえることです。

カバンに水筒を入れている
コストを抑え、旅を楽しむにはメリハリが大事(写真/photoAC)
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ガイドブックは買わず駅でもらえる観光ガイドを利用

初めて行く旅行先だと事前にガイドブックを買う人もいると思いますが、基本的にはガイドブックは買わずとも、駅などでもらえるもので十分です。ホテルなど、宿泊先の人におすすめの飲食店や観光場所を聞くのもおすすめです。観光ガイドをもらえることもありますし、ガイドの裏にクーポンなどがついていることもあります。

ただ、宿泊先の人に聞いた地元ならではのお店は閉店時間が早いことも多いので、早めに聞いてプランを立てるのが安心です。

旅慣れている人ならミステリーツアーという手も

旅慣れている人であれば、旅行会社などが企画する「ミステリーツアー」に参加する方法もあります。直前までどこへ行くかわからないため事前に準備がしづらいのがデメリットではありますが、普通料金よりも安く旅行できることが多く、普段の旅行では選ばない場所に訪れる楽しみがあるかもしれません。

一例として、JR東日本のWebサービス「えきねっと」が実施しているツアー「どこかにビューーン!」では、同社のポイントサービス「JRE POINT」を貯めると1人あたり6000ポイント(※仙台駅・盛岡駅・新潟駅・長野駅の4駅を出発する場合は5000ポイント)で申し込みができるため、ポイントだけで新幹線移動と宿泊ができます。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

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