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親が亡くなったら…あらかじめ知っておきたいお金周りのこと 葬儀、補助金、サブスク解約

相続税の申告書を見る人
親の死後、やるべきことはたくさんある(写真/photoAC)
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【目次】

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親が亡くなった後は考えなければならないことが多くある

親が亡くなったときは、葬儀のことやお金のことを始め、考えなければならないことや、やらなければならないことがたくさんあります。亡くなってしまった直後は混乱やショックで正常な判断ができないことも多いため、やるべきことをあらかじめチェックリストとしてまとめておいたり、ある程度調べておいたりすることが大切です。

葬儀プランは比較検討すること

最初に考えなければならないのが、葬儀周りです。何かを選ぶときは比較検討をするのが基本ですが、葬儀に関しても同様。オプションがさまざまあり、冷静でないときにオプションを提案されると言われるがまま付けてしまう可能性が高いため、複数の葬儀店やプランを比較検討し、価格を比べたうえで、納得いくものを選びましょう。

昨今は小規模な家族葬を選ぶ人も増えているほか、お通夜や告別式を行わず、火葬のみで故人を見送る「直葬(火葬式)」などもあります。葬儀の形式によって金額も大幅に変わるため、あらかじめどんなプランがあり、その費用感も知っておくと、いざというときにも判断がしやすくなります。

仏花
言われるがままに葬儀プランを決めないように事前に知っておこう(写真/photoAC)
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葬儀関連費は補助金が出る

なお、葬儀などにかかるお金に関しては、葬儀や埋葬にかかった費用を一部補助する「葬祭費補助金制度」というものがあります。故人が国民健康保険や後期高齢者医療保険に加入していた場合は葬祭費が、故人が社会保険や共済組合に加入していた場合は埋葬費が補助されます(https://www.rakuou.info/service/blog/sosaihihojo/)

申請期限は亡くなった翌日から2年間です。申請先は加入していた保険によって異なるため、まずは個人が加入していた保険を確認し、保険組合や自治体に確認してみましょう。

葬儀費用はできれば事前に引き出しておく

葬儀関連費は補助金が出るとは言え、受け取るまでには時間がかかります。亡くなったあとは銀行口座が凍結され、原則お金が引き出せなくなるため、葬儀費用はできる限り事前に口座から引き出しておくことをおすすめします。

しかし口座が凍結された後でも「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」の申請を銀行の窓口にすることで、一定額の払戻しができますが。続きの際は、亡くなられた方の除籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本などが必要となります。

キャッシュカードと通帳
口座が凍結される前にお金を引き出しておくこと(写真/photoAC)
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葬儀後の諸手続きはチェックリストを使用

葬儀がひと通り終わった後は、死亡届の提出など、さまざまな諸手続きを行う必要があります。期限が死亡後7日以内、10日以内、14日以内、すみやかになど、内容によって行くべき場所や、行うべき手続きも多く異なるため、事前にチェックリストを作っておくとよいでしょう。

諸契約の解約手続きも忘れずに

公的書類の提出などを終えたら、故人が契約していたものの解約や名義変更などを行いましょう。忘れていると、使っていないのに料金が引き落とされ続けたり、逆に料金が引き落とせなくなって未払い扱いになってしまったりすることが考えられます。

特に、最近はサブスク系のサービスも増えており、契約している本人ですら忘れてしまうこともあるため、クレジットカードの明細や通帳などを確認して、漏れがないようにしましょう。

また、クレジットカードは必ず解約手続きをして未払い分の支払いを。相続放棄をする場合は、その旨をクレジットカード会社に連絡しましょう。解約前にはクレジットカードに付帯している旅行傷害保険など請求できるものがあれば、請求することも忘れずに。

不動産登記は変更しないと罰則も

特に不動産に関しては、相続人の名義に変更しないと10万円以下の過料が発生することも(https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000275.html)。変更期限は、相続を知ってから3年間と比較的余裕があるものの、うっかり忘れてしまったり、面倒だからと後回しにして期限が過ぎてしまったりすることがないよう注意しましょう。

家の模型と現金
不動産の名義変更も忘れずに(写真/photoAC)
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できればエンディングノートを書いてもらう

亡くなった後にしなければならないことはさまざまあり、かつ本人でなければ把握しづらいことも多くあります。そのため、基本的には親が健在のうちにできる限りエンディングノートを書いてもらうようお願いしましょう。

エンディングノート
エンディングノートを作っておくことも重要(写真/photoAC)
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また、自分自身の分も余裕があるうちに書いておくのがおすすめです。あわせて、使わなくなった口座やクレジットカードを解約したり、不要な契約がないか見直したりしておくと、いざというときに残された人たちの負担を減らすことにつながります。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

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