深さのある鍋を使えば、2品の同時調理が可能に。ポリ袋調理は味が違う2品を同時に作れ、重ねて一緒に加熱すれば食材同士の味が染み込んでおいしく仕上がる。鍋ひとつで満足の献立ができる時短レシピを、料理研究家とフードコーディネーターが提案!
ポリ袋を使った同時調理の基本
「ポリ袋調理はゆでたり蒸したりとは違うおいしさが楽しめます」と話すのは、フードコーディネーターの大友育美さん。
ポリ袋は、湯せん可能な耐熱のものを使用。ポリ袋に材料を入れたら、空気を抜きながらねじって結ぶ。
直に鍋底につかないよう底に耐熱皿を敷き、鍋の深さの1/2量目安の湯を沸かしてポリ袋を加える。加熱中はポリ袋が鍋肌に触れないよう注意。
【Point1】ポリ袋に材料を入れた後、できるだけ平らにならすことで加熱ムラがなくなる。
【Point2】鍋にポリ袋を入れる際は、肉や魚が入った袋→野菜が入った袋の順に加える。
【ポリ袋で5分】「ツナブロッコリーとパプリカのしょうゆマリネ」のレシピ
彩りよい副菜が一気に完成!野菜の栄養も逃さずとれる
《作り方》
【1】ブロッコリー1/2株は小房に分け、茎は皮をむいて輪切りにする。赤パプリカ・黄パプリカ各1/2個は縦に細切りにする。
【2】ポリ袋にブロッコリー、ツナ缶1/2缶を缶汁ごと、塩2つまみを入れて軽くもみ混ぜ、袋を閉じる。
【3】別のポリ袋にパプリカ、しょうゆ小さじ2、オリーブオイル・酢各小さじ1を入れて軽くもみ混ぜ、袋を閉じる。
【4】湯を沸かした鍋に【2】、【3】を入れ、蓋をして5分加熱する。器に盛り、ツナブロッコリーには粗びき黒こしょう適量を振り、パプリカのしょうゆマリネにはかつおぶし適量をのせる。
【ポリ袋で10分】「たらのごまみそ煮とかぼちゃのはちみつレモン煮」のレシピ
ご飯に合うみそ味おかずとやさしい甘さの副菜。
《作り方》
【1】長ねぎ1/2本は4cm長さに、かぼちゃ1/8個は1cm幅に切る。
【2】ポリ袋にみそ・みりん・白すりごま・水各大さじ1、しょうゆ・砂糖・おろししょうが各小さじ1を入れてもみ混ぜる。生たら2切れ、長ねぎを加え、袋を閉じる。
【3】別のポリ袋にはちみつ大さじ3、塩小さじ1/2を入れてもみ混ぜる。かぼちゃ、レモン(国産)の薄い輪切り3枚を入れて軽くもみ混ぜ、袋を閉じる。
【4】湯を沸かした鍋に【2】、【3】を入れ、蓋をして10分加熱する。
【ポリ袋で3分】「水菜とかにかまの煮びたしともやしの中華風」のレシピ
水菜ももやしもシャキッと歯応えをキープ。
《作り方》
【1】水菜1/2袋はざく切りにし、かに風味かまぼこ3本はほぐす。ハム3枚は細切りにする。
【2】ポリ袋に水菜、かに風味かまぼこ、水大さじ3、白だし大さじ1を入れて軽くもみ混ぜ、袋を閉じる。
【3】別のポリ袋にもやし1袋、ハム、鶏がらスープの素・ごま油各小さじ1、おろしにんにく少量を入れて軽くもみ混ぜ、袋を閉じる。
【4】湯を沸かした鍋に【2】、【3】を入れ、蓋をして3分加熱する。器に盛り、もやしの中華風に白いりごま適量を振る。
【ポリ袋で9分】「キーマカレーとチーズオムレツ」のレシピ
油不使用でできるスパイシーカレーとふんわりオムレツ。
《作り方》
【1】セロリ1本はみじん切りにする。
【2】ポリ袋に合いびき肉160g、【1】、トマトケチャップ大さじ2、カレー粉・中濃ソース各大さじ1、コンソメ(顆粒)大さじ1/2、おろしにんにく・おろししょうが各小さじ1を入れてもみ混ぜ、袋を閉じる。
【3】別のポリ袋に卵2個、ピザ用チーズ15g、塩少量を入れてもみ混ぜ、袋を閉じる。同様にもう1つ作る。
【4】湯を沸かした鍋に【2】、【3】を入れ、8〜9分加熱する。カレーの袋は途中で取り出し、ゴムべらなどで袋の外から押さえて具をひと混ぜし、鍋に戻し入れる。
【5】カレーはご飯2杯分とともに器に盛る。オムレツにはトマトケチャップ適量をかけ、ベビーリーフ適量を添える。
【ポリ袋で9分】「かじきのオイル蒸しとマスタードホットサラダ」のレシピ
ポリ袋1枚でおしゃれな洋風献立に。
《作り方》
【1】にんじん1/3本は薄い半月切りにし、さやいんげん8本は3〜4cm長さに切り、カリフラワー小1株としめじ1パックは小房に分ける。
【2】ポリ袋にオリーブオイル大さじ1、ローズマリー1/2枝、塩適量、かじき2切れを入れて袋を閉じる。
【3】鍋に【1】、水3/4カップを入れて【2】をのせ、蓋をして中火で8~9分加熱する。途中でポリ袋の上下を返す。
【4】野菜はマヨネーズ大さじ2、粒マスタード大さじ1、おろしにんにく少量、塩・こしょう各適量と混ぜて器に盛る。かじきは蒸し汁ごと器に盛って粗びき黒こしょう適量を振り、ローズマリー1枝と切り目を入れたミニトマト2個を添える。
【一緒に蒸して8分】「蒸し鶏団子と青梗菜ともやしのナムル」のレシピ
鶏ひき肉のだしが野菜に染みる。
《作り方》
【1】青梗菜1/2パックはざく切りにし、エリンギ1パックは食べやすく切る。木綿豆腐75gは水切りする。
【2】鶏ひき肉200g、豆腐、塩・こしょう各少量を粘りが出るまで混ぜ、片栗粉大さじ1を加えてよく混ぜ、一口大に丸める。
【3】鍋にもやし1パック、残りの【1】、水1/2カップを入れて【2】をのせ、蓋をして中火で8分加熱する。
【4】鶏団子を取り出して器に盛り、小ねぎの小口切り5cm分、ポン酢しょうゆ大さじ2、一味唐辛子少量を混ぜたたれを添える。
【5】鍋の野菜に水分が残っていたら再び加熱し、水分が飛んだら白すりごま大さじ2、ごま油小さじ2、鶏がらスープの素小さじ1を加えて混ぜて器に盛る。
【煮汁を活用して8分】「ゆで鶏としょうが卵スープ」のレシピ
鶏の旨みが溶け出た汁をスープに。
《作り方》
【1】鶏胸肉1枚は塩小さじ1/3をよくもみ込む。
【2】鍋に水1と1/2カップ、酒大さじ1、しょうがのせん切り1片分を入れ、【1】を皮を下にして加え、蓋をして中火で7分煮る。火を止め、そのまま3分おく。
【3】鶏肉を取り出し(煮汁はとっておく)、食べやすい大きさに切って器に盛り、長ねぎのみじん切り10cm分、しょうゆ・水各大さじ2、砂糖・酢・ごま油各大さじ1、おろししょうが小さじ1を混ぜたたれをかける。ピーラーで薄切りにしたきゅうり1本分を添える。
【4】残った煮汁に水約3/4カップを加えて火にかけ、煮立ったら溶き卵1個分を加えてこしょう適量を振る。
◆教えてくれたのは:フードコーディネーター・大友育美さん
国際中医薬膳師。作りやすく体に優しい料理が人気。『いたわり発酵ごはん 不調しらずの体をつくるおいしい薬膳の知恵』(マイナビ出版)など著書多数。https://www.instagram.com/ikumi_otomo/?hl=ja
◆教えてくれたのは:料理研究家・ほりえさちこさん
栄養士、ヨーグルトソムリエ。手早くおいしく作れるレシピが好評。『糖質オフ1か月+春夏秋冬1週間晩ごはん献立』(主婦と生活社)など著書多数。https://www.instagram.com/sachiko2614113/
撮影/菅井淳子 スタイリング/三谷亜利咲 取材・文/平井薫子
※女性セブン2024年10月24日・31日号