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《りんご、柿、栗、梨、ぶどう》秋の味覚を長く楽しむ正しい保存方法を野菜ソムリエプロが伝授

秋の果物
秋の果物の正しい保存方法をまとめて紹介(写真/Photo AC)
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“食欲の秋”と言われて、りんごや柿、栗、梨、ぶどうなど色とりどりのフルーツを思い浮かべる人も多いだろう。それぞれに追熟するもの、しないものがあり、保存のコツも異なると話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。そこで、福島さんに秋に旬を迎える果物の保存のコツを教えてもらった。

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追熟するりんご・柿・栗のベストな保存法

りんご、柿、栗は追熟する果物なので、よりおいしいタイミングで食べるのがいいでしょう。また、栗は甘みが増すと言われる保存方法もあります。それぞれのベストな保存方法を知っておきましょう。

りんご、柿、栗
追熟する果物の保存方法(写真/Photo AC)
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カットりんごはレモン水や砂糖水に漬けても◎

りんごを丸ごと保存するときは冷暗所に常温保存しましょう。フルーツキャップやネットをつけたままでもよいですが、表面がかたく傷みにくい果物なので外して保存してもかまいません。2週間〜1か月程度保存できます。

りんごは追熟するので、ビニール袋などに密閉しておけば、自身から出るエチレンガスで熟すスピードが早まります。逆に、熟すのを遅らせたいときは袋に入れたままにしないようにしてください。

カットしたりんごは変色を防ぐために塩水につけるのが定番ですが、レモン水や砂糖水でもOKです。塩水につけるのは、りんごの表面が空気に触れて酸化するのを防ぐのが目的なので、レモン水や砂糖水でも同じことが可能です。レモン水ならほのかにさっぱりとした風味を味わえますし、スイーツに使うときは砂糖水がおすすめです。

柿はヘタ側を下にして保存するのがポイント

柿は、時間が経つと追熟によって甘くやわらかな食感になります。涼しい時期であれば冷暗所に置いてもいいですし、野菜室で保存してもよいです。柿は常温で保存すると熟成が進んで5日程度でやわらかくなります。

りんごと同じくエチレンガスが発生するので、袋に入れて保存すれば追熟が早まります。逆に、長く保存したいときは水分を含ませたティッシュやキッチンペーパーをヘタのくぼみにつけて、ヘタ側を下にして置きましょう。

エチレンガスはへたから出るので、こうして蓋をすることで蒸散作用を弱めることができます。さらにラップでくるめば、よりエチレンガスの影響を受けにくくなるので、長いと1か月ほど保存することができます。

並んで箱に入った柿
柿の追熟を遅らせるにはヘタを下に(写真/Photo AC)
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栗の保存はチルド室がおすすめの理由

栗は常温で置くと時間が経つにつれ、水分が減って乾燥し、実がパサパサになったりかたくなったりしやすい果物です。栗を手に入れたときは、必ず冷蔵庫で保存しましょう。

冷蔵保存するときは、乾燥を防ぐためにポリ袋に入れてから冷蔵庫のチルド室に置くのがベストです。皮が濡れているとカビが発生することもあるので、表面の水気を必ず拭き取ってください。冷蔵保存で1か月程度持ちます。

寒さを好む栗はチルド室に置いて低温保存すると、追熟してでんぷんが分解し甘い糖に変える働きを持つアミラーゼという酵素が活発に働くため、甘みが増します。チルド室で1週間ほど寝かせてから、甘い栗を味わいましょう。

追熟しない梨&ぶどうの保存のポイント

梨やぶどうは追熟しない果物です。どちらも足がはやいので、すぐに食べられないときはおいしくいただけるよう正しく保存しましょう。

梨、ぶどう
追熟しない果物の保存方法(写真/Photo AC)
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梨の保存は袋に入れておくのがベスト

梨はりんごと違い傷みやすくデリケートな果物で、保存できる目安は10日ほどです。丸ごと保存するときは冷暗所に置きましょう。暑い日が続き、常温保存が心配なときは、果実が乾燥して水分を失わないよう新聞紙に包んで野菜室に入れておけば傷みづらく、みずみずしさもキープされやすいです。

購入時に袋に入っているものは、空気の蒸散などが調整されている袋が使用されていることが多いので、そのまま包んでおくのがおすすめです。

カットした梨は、りんごのように変色はしないので塩水につける必要はありません。ぴったりとラップでくるんで冷蔵庫にしまい、遅くとも翌日には食べきりましょう。

ぶどうを粒で保存するときは“枝から”がコツ

ぶどうは梨よりもさらに保存期間が短く、丸ごと冷蔵保存なら2~3日、1粒ずつ冷蔵保存でも5~7日程度しか持ちません。

そのまま保存するときは、房につけたままが◎。暑い時期は購入した際に入っている袋のまま、または乾燥しないように新聞紙などでくるんでから、野菜室に入れましょう。

軸からカットしてタッパーに入れたぶどう
ぶどうは軸からカットしてタッパーへ(写真/Photo AC)
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枝から粒をもぎとらずに枝を少し残してカットしてバラバラにし、タッパーなどに入れて野菜室におくと保存期間が少し延びます。実から枝を外すと、果汁が出て傷みやすくなります。さらに、果汁が他の粒につくと、それらの粒も傷んでしまうおそれがあるので注意してください。

バラした粒は、冷凍すれば1か月保存することができますし、シャーベット状になって生とはまた違うおいしさを楽しむことができますよ。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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