
「休暇村」という言葉は聞いたことはあるけれど、利用したことはないという方も多いのでは? 休暇村とは、国立公園や国定公園など自然豊かな抜群のロケーションにあるリゾートホテルのことで、「施設のリニューアルもすすみ、コスパ抜群で大注目!」と、旅行ジャーナリストの村田和子さん。2025年3月にリニューアルオープンした「休暇村讃岐五色台」(香川県)を例に、休暇村のおすすめポイントを紹介してもらう。
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休暇村に初めて宿泊したのは2013年、埼玉県の「休暇村 奥武蔵」がリニューアルしたタイミングでした。自然豊かな中、星空観察の無料プログラムに、お部屋は木の香漂うスタイリッシュな空間。夕食のビュッフェも素晴らしく、それでいて価格は1万円代! 公共の宿のイメージが大きく変わるきっかけになりました。今回は、香川県にある休暇村讃岐五色台がリニューアルしたと聞き取材へ。最新の休暇村をレポートします。
そもそも休暇村って何? おすすめポイントは?
「休暇村」は、一般財団法人休暇村協会が日本全国35か所に展開するリゾートホテル。歴史は古く1961年、厚生省(現・厚生労働省)の主導により開発が始まりました。特徴は国立公園や国定公園など、現在では新たに開発ができない特別なロケーション! 豊かな自然環境は唯一無二で、さらに環境を楽しむ体験プログラムも豊富です。
また「自然にときめくリゾート」をコンセプトに、昨今では施設のリニューアルがすすみ、モダンでオシャレな施設が続々登場! 料金はシーズンや場所にもよりますが、例えば今回紹介する休暇村讃岐五色台なら、朝夕の食事付きで1万5000円~。料理や滞在の内容を考えるとコスパがよく、老若男女におススメできる施設です。


休暇村讃岐五色台~瀬戸大橋の絶景を望む館内はリトリートできる空間
2025年3月にリニューアルオープンした「休暇村讃岐五色台」。瀬戸内海国立公園内の高台に位置し、讃岐平野と瀬戸大橋が眼下に広がる景色は、ロビーや客室、大浴場など、館内のあらゆる場所から楽しめます。
香川県の人気観光地「父母ヶ浜」をオマージュした「水鏡のテラス」は、ロビーに続く屋外に配され、水面は空を映し、眼下に広がる絶景とのコラボは息を飲む美しさ。特に天気の良い日の夕暮れ時は、オレンジ色に染まる景色に写真を撮る手がとまりません。



大満足のウェルカムドリンクに夕食ビュッフェ
広々としたロビーにはウェルカムドリンクや茶菓子が用意され、宿泊者は自由に頂くことができます。珈琲や紅茶、ジュースなどの他、なんと「うどん出汁」が飲み物として用意されているのは、うどん県「香川」ならでは。ロビーの窓際でゆっくりとお茶を頂きながら、景色を眺めたり、おしゃべりをしたりするのも楽しいひととき。

夕食は、香川の産品を使った「香川のうまいものビュッフェ」。中でも瀬戸内海の海の幸が豊富で、新鮮な旬の刺身は、筆者が訪れた3月には、桜鯛や生鰆などが、船盛で提供され豪華!

ひまわり油の搾りかすを飼料に育ったという「ひまわり牛」のステーキはライブキッチンで提供され、和洋のバラエティあふれる料理は、どれも彩り鮮やかで味も格別。


「デザートが見当たらない」と思ったら、食後の飲み物やデザートはロビーに用意されていて、スイーツビュッフェのよう! 場所を移してロビーで頂いてもいいそう。人気なのが朝食でも頂ける、クロワッサンワッフル。クロワッサンの生地をワッフルの機械を用い、自分で焼き上げるのですが、いい匂いが漂い食後というのにぺろりと平らげました。バターの風味が濃厚で美味。朝食でも提供されるので、滞在時にはぜひお試しを。


無料の散策プログラムに美味な朝食。朝時間を堪能
休暇村の特徴のひとつに、自然をたのしむ体験プログラムが豊富なことがあります。今回は、毎朝7時から行われる、「朝のお散歩会」へ参加。ホテル周辺をスタッフの案内で散策する30分ほどのプログラムは、季節の移り変わりを感じ、一帯は「サヌカイト」と呼ばれる安山岩の産地であり、古代から石器として利用され、たたくと美しい音を奏でるなど、歴史や地域の話も。

ホテルに戻り、ロビーにサヌカイトを使った楽器があるとのことで、探すと…ありました。叩いてみると、高音の澄んだ心地よい音色が! 朝から体を動かし脳を刺激することで、気持ちも前向きになります。


散歩から、そのまま朝食会場へ向かうと、「うどん」や「じゃこ天」など香川県の名物料理に、驚いたのが自分でつくる丼ぶりの種類の多さ! 朝から大満足!


瀬戸大橋を望む窓側に席をとり、のんびりと朝食。チェックアウト前に大浴場にも入り、極上の朝時間を堪能しました。
無料送迎あり!瀬戸内国際芸術祭や高松観光の拠点にも
山の上ということで、気になるのがアクセスですが、JR高松駅(所要30分)、JR鬼無駅(所要20分)から無料送迎バスが1日1本あるので、車がなくても大丈夫(要予約)。香川市内の観光や、4月18日から始まった瀬戸内国際芸術祭(《5月末には「直島新美術館」も開館》3年に1度のアートトリエンナーレ「瀬戸内国際芸術祭」が開幕直前!見どころを旅行ジャーナリストが紹介)を楽しむ際にもおすすめです。
5月には100平米を超える豪華なプレミアム和洋室「瀬戸内テラス」(限定2室)もオープン!家族の記念日など特別な時を過ごすのによさそうです。
■休暇村讃岐五色台 https://qkamura.or.jp/goshiki/hotspring/



いかがでしたか? 7月19日には、兵庫県淡路島にある「休暇村南淡路」もリニューアルオープンとのことで、全国で進化を続ける休暇村。ぜひのんびりと自然に癒されに出かけてみてはいかが?
■休暇村ホームページ https://www.qkamura.or.jp/
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを
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