エンタメ

《年齢差60のバディ対談》『国宝』で話題の若手俳優・黒川想矢に事務所の大先輩・舘ひろし「これ以上お芝居が上手くなられたら困っちゃうなと」

舘ひろしと黒川想矢
年齢差60のバディ・舘ひろしと黒川想矢
写真8枚

15才ながらその色気と高い演技力で話題の黒川想矢。彼の活躍ぶりを優しく見守る、事務所の大先輩・舘ひろし。そんな“年齢差60”のバディが誕生! 黒川の「舘プロ」入りした秘話と舘流・後輩の育て方もたっぷり聞きました。

映画『国宝』で話題の若手俳優・黒川を、事務所の大先輩・舘が大絶賛

──お互いの第一印象は?

黒川:ちょっと怖い人だと思ってました。舘さんがというより、舘さんの周りに黒いスーツの人たちがたくさんいたので…。

舘:ははははっ! ぼくからすると、脅威(笑い)。お芝居に対する姿勢とか、ものを感じる力とか、彼の持つ感性が素晴らしくて、“目”がすごくいい。これ以上お芝居が上手くなられたら困っちゃうなと(笑い)。

──そんな黒川さんが舘プロに入りたいと直談判したんですよね。

舘:そう、一緒にドラマ(2021年、NHK BS時代劇『剣樹抄~光圀公と俺~』)に出演したとき、気づいたら隣にいて、ずっとくっついてるの。で「舘さん、事務所どこですか?」って。舘プロだよって言ったら「えっ、社長ですか」って。いや社長じゃないって伝えたら、「じゃあ舘さん何なんですか?」って(笑い)。最初に「舘プロ入れてください!」って言われたときは「逆にそっちの事務所におれが入らなくちゃいけないな〜」なんて笑ってたんですけど。

黒川:舘さんは俳優としてはもちろんですけど人としてすごく尊敬できるかたで、ぼくに対しても同じ目線でいろいろ話してくださるんです。とにかく舘さんとこれからも絶対一緒にいたいっていう思いが強くて、もう一度、気持ちを伝えました。

舘:想矢はまだ小6だったけど、その気持ちがすごく愛おしかったな。

黒川:いまこうして同じ事務所に居られて夢のようです!

舘ひろしと黒川想矢
舘プロへの所属は、黒川から舘への直談判
写真8枚

──興収110億円を突破した大ヒット映画『国宝』の演技も話題ですね。

舘:もう敵わないね。最初出てきた流し目をする場面とか、本当にすごい。うちのスターさんですよ。

黒川:いやいや…やめてください(照れ笑い)。『国宝』撮影中は舘さんも映画『港のひかり』の撮影中で、しかも背中に入れ墨がある役で、写真を送っていただいたりしました。

舘:元ヤクザの漁師と目の悪い少年の友情を描く映画なんですけど、同じ時期に入れ墨しちゃったな(笑い)。

舘ひろしと黒川想矢
映画『国宝』での黒川の芝居を舘も絶賛
写真8枚

──大先輩からアドバイスは?

舘:ぼくは誰かにアドバイスしたことは一切ないです。彼は真面目だからアドバイスを欲しがるけど、ぼくは勉強が嫌いでこの世界に入ったくらいだし、誰かに教えるなんて困っちゃう(笑い)。それに彼ならすでに充分お芝居ができているから本当に大丈夫。むしろお芝居なんてどうでもいいことで、いまはいっぱい遊んでいっぱい学校の勉強をしてほしい。

黒川:いまも舘さんからは素敵な食事に連れて行っていただいたり、車で移動しながら「この建物はどういう建築で…」と教えていただいたりして、それがすごく面白いです。いまの自分にはちょっと難しい部分もあるんですけど、いろいろなことを感じて経験していけたらと思いますし、これからも舘さんから学んでいきたいです。実は今日、あの時代劇以来の共演ですごくうれしくて! この記事でもかっこいい舘さんに注目してください!

舘ひろしと黒川想矢
NHK BS時代劇『剣樹抄~光圀公と俺~』で共演した舘と黒川
写真8枚

舘ひろしから見た黒川想矢

舘:すごく真面目。学校の勉強も好きって言うし、お芝居にも一生懸命だし、不真面目なぼくとは全然違う。ただお話は下手だね(笑い)。舞台挨拶でもインタビューでも、頭のなかで考えていることがうまく言葉にできていない。でもそんなものはいずれできるようになるし、むしろ原稿みたいな言葉を並べるふうにはなってほしくないな。いま感じているものはとても素敵なことだから、自分の言葉になるまで探していってほしいと思います。

舘ひろしと黒川想矢
舘から見た黒川は「不真面目なぼくとは全然違う」
写真8枚

黒川想矢から見た舘ひろし

黒川:父でもないし、もちろん祖父でもない。師匠という単純な言葉でも表せない、少し離れたところから見守ってくれる大きな存在です。びっくりしたのは、舘さんが撮影現場にトースターと食パンを持参していたこと(笑い)。「想矢も食べるか?」って焼きたてをいただいたんですが、世界一のおいしさでした! その場にいる全員を幸せにする素敵なかたです。

舘ひろしと黒川想矢
黒川から見た舘は「その場にいる全員を幸せにする素敵なかた」
写真8枚

アクション、コメディー、シリアス 幅広い役で魅了する名優の芝居論

舘:『あぶない刑事』のタカも『パパとムスメの7日間』の小梅も、これまで演じてきた役はすべて、ぼく自身。よくお芝居はテクニックと言われるけどそうじゃなくて、自分のなかにある部分を拡大して出すことだと思うんですよ。だからお芝居に入るまでにたくさん人生経験を積んで、感性を磨いておくことが重要じゃないかなと思っています。

◆舘ひろし

舘ひろし
舘ひろし
写真8枚

1950年3月31日生まれ、愛知県出身。ドラマ『あぶない刑事』(日本テレビ系)や『パパとムスメの7日間』(TBS系)、映画『終わった人』など代表作多数。映画『港のひかり』が11月14日公開予定。

お芝居も勉強もどちらも大好き!将来は宇宙・天文学を極めたい

黒川:(取材時の)明日が終業式で、明後日から映画の撮影が始まります。できるだけ高校生活を楽しめるようにって事務所が応援してくださって、放課後もちゃんと遊べています。舘プロに入ってよかった点で、本当に感謝しかないですね。勉強とお芝居は同じくらい楽しくて。宇宙が大好きなので、将来は天文系を学べるところに進学したいです。

◆黒川想矢

黒川想矢
黒川想矢
写真8枚

2009年12月5日生まれ、埼玉県出身。5才から芸能活動を開始、2023年に出演した映画『怪物』で新人賞を総なめ。公開中の映画『国宝』では任侠の一門に生まれた主人公・喜久雄の少年時代を演じ話題を集めた。

撮影/SASU TEI(RETUNE Rep) スタイリスト/中村抽里(舘さん)、井田正明(黒川さん) ヘアメイク/岩淵賀世 取材・文/辻本幸路

※女性セブンデジタル版限定でアザーカット公開中

※女性セブン2025年9月11日号

関連キーワード