
健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる「健康寿命」。日本人の健康寿命のの平均は75.45才だ。だとすれば、健康寿命である「75才の壁」を超えることが、自分らしい生き方につながるともいえる。その壁を乗り越えるための極意と何か。
80才を迎えて心身の衰えを感じることはありますか、という本誌・女性セブン記者の問いに「ないです」と即答したのはコーディネーターの加藤タキさん(80才)。オードリー・ヘプバーンなど海外大物アーティストのCM出演交渉などに携わるコーディネーターの草分け的存在。ボランティアで国際NGO AAR JAPN[難民を助ける会]副会長なども務める。
健康長寿の源は女性初の国会議員を務めた母・加藤シヅエさんの教えだという。
「104才で亡くなった母の口癖は“人間は使わないところから錆びていく”でした。実際に母は亡くなるまで毎日、新聞を読み政治と社会について考え続け、頭と心が錆びませんでした」(タキさん・以下同)
百寿者のシヅエさんが特に強調したのは「心を動かす」ことだった。
「本を読み、ショーを見たり、自然の営みに感動するだけではなく、怒りや悲しみや涙を含めたすべての喜怒哀楽が感動になると母は言っていました。母の教えから、いろんなことに心を動かすことを心がけるようになりました」
母を見習い、好奇心を絶やさずに新しいことに挑戦。67才で社交ダンス、75才のときにシャンソンを始めた。

「歌は友人の発表会に触発されて。実際にボイストレーニングを開始すると声帯や腹筋、背筋や体幹などが鍛えられ、体も健康になりました」
年齢を重ねると心身を動かすことが億劫になるもの。そんなとき、“だって・でも・どうせ”という「3つのD(頭文字)」は禁じ手だとタキさんは言う。
「代わりに、“できる・大丈夫・どうにかなる”という『肯定的な3つのD』を発して自分を奮い立たせます。“もう年だから”と年齢を言い訳にあきらめてしまうのは、人生もったいないです」
心身は磨くだけでなく「休ませる」ことも肝心。
「テレビの連続ドラマが大好きで、録画予約した作品を寝る前に見ます。その時間は完全オフになり、何も考えずボーッとして疲れや落ち込みをリセットします」
聞かれてもいないのに「私は80才」と自ら伝え、相手が「えっ」と驚く顔を見て楽しむタキさん。栄養面ではサプリメントを活用している。
「サプリが一般的でない32年前から海洋性たんぱく質をメインにしたものを毎日のんでいます。加齢とともに体からなくなる成分を補うことは美容と健康に欠かせません。こうした自己投資も75才の壁を超える助けになりました」
※女性セブン2026年3月5日号