
東京・銀座の「銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM」(GINZA SIX 6階)で、ポップアップショップ「TOKYO MANGA BASE 小学館原画アート祭」が9月20日から開かれている(29日まで)。マンガのカラーイラストを使った「複製原画」などの“アート商品”を展示・販売する催しで、会期にあわせて海外向けの越境ECサイト「TOKYO MANGA BASE 」でも、複製原画の取り扱いが初めて始まった。
会場に並ぶのは、マンガの扉絵やカラーイラストをデザインに使った「原画アート」と呼ばれる商品で、その数は100点以上にのぼる。複製原画は原画そのものではなく、印刷によって原画を再現したものだ。『葬送のフリーレン』(原作・山田鐘人、作画・アベツカサ)をはじめ、真鍋昌平氏の『闇金ウシジマくん』、吉田秋生氏の『BANANA FISH』などの作品のほか、Tシャツやアクリルブロックといったグッズも扱う。
フリーレンとフェルメールの豪華コラボ
なかでも会場で特別展示され注目が集まっているのが、『葬送のフリーレン』の主人公フリーレンをフェルメールの名画《真珠の耳飾りの少女》に見立てて描いた複製原画だ。イラストは、大阪中之島美術館で開催中の「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」との公式コラボレーションとして、アベツカサ氏が同展のために描き下ろしたもので、絵画を所蔵するオランダのマウリッツハイス美術館の許諾を得て制作された。
《真珠の耳飾りの少女》の来日は、約120万人が訪れた2012年の展覧会以来、14年ぶりとなった。展覧会はほかの会場を巡回しない大阪だけの開催で、会期は9月27日まで。原画アート祭では、複製原画の受注販売も受け付けている。
大迫力のメタルキャンバスアート

会場には『葬送のフリーレン』の複製原画の復刻版12点も並ぶ。いずれも普段は公式通販サイト「LIFETUNES MALL」の受注販売でしか扱っていない商品だ。通販では画面上の画像を頼りに選ぶしかなかった色合いや質感を、会場では実物で確かめられる。
一方、価格が100万円を超える大型作品も用意された。『闇金ウシジマくん』のメタルキャンバスアートで、特殊な技術によって立体感を際立たせた「2.5次元アート」だ。額装サイズは縦106.3センチ、横141.1センチに及び、3点限定で価格は165万円(税込)となっている。
吉田秋生氏の名作、『チ。』Tシャツも!


来年に画業50周年を迎える吉田秋生氏の作品では、『YASHA―夜叉―』と『BANANA FISH』の複製原画を販売している。いずれも吉田氏のデジタルサイン入りで、価格はそれぞれ2万4200円(税込)。『BANANA FISH』は2018年にテレビアニメ化されたこともあり、国内だけでなく海外にも多くのファンを持つ。

グッズでは、魚豊氏の『チ。―地球の運動について―』のTシャツも販売中だ。背中に作中のセリフをあしらったもので、色はブラックとホワイトの2種類、価格は各4400円(税込)となっている。
会場では海外からの来場者の姿も見られた。店頭に足を運べない海外のファンに向けては、展示商品の一部を越境EC「TOKYO MANGA BASE」でも同時に販売している。海外に住む人が日本の通販サイトから直接注文できる仕組みで、利用できるのは現在、アメリカやカナダ、台湾、韓国など10の国と地域だ。
名画とのコラボ作品から100万円を超える大型作品、日常で着るTシャツまで、会場には価格も形もさまざまな商品がそろう。いずれもマンガの扉絵やカラーイラストを本の外に持ち出し、飾ったり身に着けたりできる形にしたものだ。原画アート祭は29日まで開かれ、越境ECでの複製原画の販売は10月19日まで続く。
写真/矢口和也 取材・文/佐々木史