「現代人はスマホやパソコンを見る時間が長いため、猫背で、肩が前側に入り込んだ“巻き肩”になり、首が前に突き出た姿勢の人が多数。これでは老けて見えますし、肩こりや腰痛などが続く要因に。壁で自分の姿勢をチェックし、壁を使ったストレッチで改善しましょう」
こう話すのは、整形外科医で医学博士の中村格子さん。今回、紹介するストレッチには次のような効果が期待できるという。
・猫背や巻き肩を正す
・“スマホ首”を改善
・姿勢がきれいになる
・肩こり・腰痛の予防・改善
まずは壁で姿勢をチェック
現在、自分の姿勢がどんな状態か、まずは何も考えずに壁に背をつけて立ってみよう。そして下の5か所をチェック!
●この5か所が壁についていたらOK!
後頭部、肩甲骨、お尻、ふくらはぎ、かかとの5か所が壁につき、壁と腰の間に手のひら1枚が入るほどのすき間があるのが正しい姿勢。
●こんな姿勢になっていませんか?
【これはNG】腰と壁の間があき過ぎ
写真のように、壁との間があき過ぎなのは、反り腰姿勢。ハイヒールを履く人に多く、腰を痛めがち。
【これはNG】後頭部が壁につかない
スマホなどを見過ぎると、首が前に出た姿勢になるので、写真のように、後頭部が壁から離れてしまう。
「お腹伸ばし」のやり方 全身の姿勢を整える
●手首とかかとで胴体を引っ張り合う
壁に写真で印のついた4か所をつけて立ち、両腕を斜め上に伸ばす。手首は斜め上へ、かかとは床へ引っ張り合うようにして体を伸ばす。肋骨の一番下と骨盤を離すイメージで体を伸ばして、10秒キープ。
【これはNG】腰が反り過ぎてしまう
腕を真上に伸ばしてしまうと、写真のように、腰を反ってしまいがちに。反り腰の人は特に注意。腕は斜め上へ伸ばす。
「大胸筋ほぐし」のやり方 猫背・巻き肩を改善
1.壁に手のひらをつけて腕を伸ばす
壁の横に立ち、壁側の手のひらを横向きにして壁につけ、体を腕より少し前に出して腕を伸ばす。
2.体を壁と反対側へひねり、胸が伸びるのを意識
息を吸って、胸の伸びを感じながら、体と顔を壁と反対側へゆっくりとひねる。息を吐きながら10秒キープ。足の位置は動かさないこと。左右各1回。
「肩甲骨ほぐし」のやり方 背中をまっすぐにする
1.壁に体をつけて両腕を上げる
壁に背をつけて立ち、腕を横に広げ、ひじを直角に曲げる。息を吸いながら、手の甲を壁につけたまま、ひじを3秒かけて肩の高さまで上げる。
2.壁に腕をつけたままひじを下ろす
息を吐きながら、3秒でひじを下まで下ろす。手の甲を壁にぴったりとつけたまま行う。この腕の上げ下ろしを10回。
【これはNG】手の甲が壁から浮くのは反り腰になっている証拠!
手の甲が壁から浮いてしまうのは、反り腰になっているから。手の甲からひじまでが壁から浮かないように注意。
「首筋ウォーク」のやり方 “スマホ首”(ストレートネック)を元に戻す
壁に後頭部だけをつけて体はまっすぐ
壁を背に立ち、後頭部だけを壁につけ、1歩前に出る。頭で体を支え、体をまっすぐにキープ。
後頭部で体を支えて足踏みをする
後頭部で体を支えられたら、その姿勢で足踏みを20回する。このとき頭の位置は動かさないこと。
前に出ていた頭の位置が戻って、正しく背骨の上にのり、よい姿勢で歩けるのを感じるはず。
教えてくれたのは:整形外科医・医学博士 中村格子さん
Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長。診療のかたわら提案する、健康で美しい体を保つためのエクササイズも人気。著書は『カラダのおくすり体操』(ワニブックス)など多数。
撮影/浦川一憲
※女性セブン2019年6月6日号
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