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服の捨て時が丸わかり!「何年で捨てるか」などタイミングを専門家が解説

どんな服を買って、どの服を捨てればいいのかわからない…。50代頃から忍び寄るそんな「おしゃれ暗黒期」。年齢や見た目、流行などに左右されず、単調な毎日をいい気分で楽しく過ごすには、自分に合ったおしゃれが不可欠! そこで、賞味期限切れの服の見極めや洋服の捨て方など、ちょっとしたコツをファッションの達人に聞きました。

服を当てて鏡を眺める女性の写真
クローゼットは冷蔵庫と同じ!賞味期限と消費期限をチェック(写真/PIXTA)
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服にも「賞味期限」と「消費期限」がある

クローゼットの中にはたくさん洋服があるのに「『何を着たらいいかわからない』と嘆く50~60代の女性が増えている」と、スタイリストの地曳いく子さんは言う。

「そんな時、私は冷蔵庫の話をするんです。冷蔵庫って油断すると野菜がしなびたり、たまにしか使わない調味料の賞味期限がびっくりするほど過ぎていたりしますよね? クローゼットの洋服も同じ。賞味期限はアイテムによって異なりますが、破れたり擦れたりする『消費期限』がきていなくても、かっこよく着たり着心地よくはいたりする『賞味期限』が過ぎていたら、もう捨てどきなのです」(地曳さん・以下同)

つまり、なんだか嫌だと思ったら、それは賞味期限がきた服だということだ。

「新鮮さが命のトレンドものは、まさに冷蔵庫の生ものと同じです。賞味期限は1シーズン。長く着られるトレンドなんて、存在しないんです! それにシンプルな白いシャツやカットソー、黒いパンツなどのベーシックアイテムは、冷蔵庫の中身でいえば『乾物』的存在。賞味期限が長くて便利なので、つい流行に左右されないと思いがちですが、そんなことはありません!」

たとえばセーター。同じVネックだと思っても、毎年形が微妙にアップデートされている。プレーンな黒のパンツも、今年のものと3年前とでは形が変わっている。

「同じように見えても、各社でその時々の気分を取り入れ、“バージョンアップ”しています。だから、ベーシックなアイテムも3~4年ごとに総点検して、少しでも古臭いと思ったら勇気を出して買い替えるのがおすすめです」

洋服には食べ物のように賞味期限は書かれていないため、自分で見極める必要がある。捨てどきがわからないからと捨てずにいると、知らぬ間におしゃれや快適さからほど遠くなってしまうのだ。

では、何をどう捨てるべきか? まずは、下にまとめた地曳さん考案のアイテム別賞味期限を参考に、今ある服から見直してみよう。

◆これが服の寿命!「ワードローブ」の賞味期限

【デニム】
劣化がわかりにくいアイテムだが、3~4年くらいが目安となる。

【ブラジャー】
約1年。片方のストラップだけがずれたり、ホールド感がなくなったら買い替えを。

【タイツ】
約1年。穴が開いていなくても、着圧感がなくなり、毛玉ができれば、足がきれいに見えない。

【くつ下】
かかとがぼよぼよして靴の中で脱げてしまうなら替えどき。約1年が目安だ。

【機能性インナー】
1~2年。毎年バージョンアップしているため、新しいものを買ったら、間違えないように古いものは処分しよう。

【バスタオル】
毎日使っているなら、だいたい1年が目安。吸水性が落ち、畳んだ時の高さが低くなってきたら替えどきだ。

気分が“死ぬ服”と“アガる服”がある!

お気に入りの洋服なのに、着てみて微妙な変化を感じるのも、50代前後に多い特徴だ。

「皆さんたくさん服を持っているのに、何着かだけを着回している。そして、着ないまま劣化している服の数もどんどん増えているんです」

たしかに、家にある服がなかなか破れたり劣化したりしないのは、ものがいいこと以外に、出番が少ない服が増えているせいでもある。

「劣化した服はもちろん、少しでも自分が“何か違う”と感じる『気分が死ぬ服』は50才を超えたら着たらダメです。イマイチな服がたとえ100着あっても、自分に似合う1着にはかなわない。おしゃれな人=たくさん服を持っている人と思いがちですが、おしゃれな人って実はワンパターン。ファッション誌の定番『1か月着まわしコーディネート』なんて企画を散々やってきた私が言うのもなんですが、似合わない服を着ている時間はないんです。『1着買ったら3着捨ててもいい』と思えるくらい『気分のアガる服』だけを着る。値段に関係なく、好きで似合う服を着た方が人生、楽しいですよ」

◆即、処分! いらない服の見分け方

真ん中にリボンを付けたクローゼットのイラスト
写真5枚

(1)クローゼットのバーに印をつけて分割

着た服はバーにつけた目印の左右どちらかだけにかけていく。これで自然と着る服、着ない服が分別できる。着ない服を定期的に見直し、着ていなければ処分を。

タンスの引き出しから服を選ぶ女性のイラスト
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(2)洗濯したものを引き出しの手前に入れる

引き出し内を手前、真ん中、奥に分け、洗濯したものは手前に入れていく。ずっと奥の方にあるアイテムは今後も着ない服。処分の対象だ。

鏡を見ながら服をポイ捨てする女性のイラスト
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(3)朝、鏡の前で脱ぎ捨てた服

身支度の時に一度着たものの「やっぱり…」と思って脱いだ服には、それなりの理由がある。

「一度脱いだ服は二度と着ることはありません。処分を」(地曳さん)

服を手に考え込む女性のイラスト
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(4)存在理由のあいまいな服

「この服は何にでも合うかも…」と思っても、手持ちのアイテムとの組み合わせが思いつかないなら、無駄買いになる可能性大。

おうち美術館は必要ナシ!

昭和の時代は、高品質で一生ものを買うことがよしとされ、平成の時代はファストファッションの登場で質より量の時代だった。

「令和を迎えた今は、量よりも質よりも、似合うものを着る、鮮度が大切だと思います。一生もののつもりで買ったアイテムを、時々出してうっとり眺めるなんて美術館じゃあるまいし、保管場所を家賃に換算したらぞっとしますよ(笑い)。高いものを買っても使い倒せばいい買い物をしたと言えますが、見ているだけなら値のつくうちにさっさと処分し、おいしいランチをした方が幸せではないですか」

見て感じる幸せもあるが、洋服は着てなんぼ。そんな視点でクローゼットを眺めることから、後半戦のおしゃれ人生は始まりそうだ。

教えてくれたのは:スタイリスト 地曳いく子さん

『oggi』『Precious』などのファッション誌で40年近くのキャリアを誇る。現在は洋服のプロデュースやトークショー、テレビ・ラジオ出演と幅広く活躍中。

イラスト/たきくみこ

※女性セブン2019年10月10日号

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