年末恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに、『愛の不時着』や「第4次韓流ブーム」という言葉がランクインされるなど今、再び注目を集めている韓国ドラマ。
コロナ禍の2020年、動画配信サービスNetflixで配信された『愛の不時着』と『梨泰院クラス』は、ステイホームも相まって大ヒット、初めて韓国ドラマを見た人をも虜にしました。
Netflixなどでは、この2作品以外にもさまざまな韓国ドラマが配信されていますが、「『不時着』『梨泰院』で久しぶりに韓国ドラマにハマったけど、次は何を見よう?」と悩んでいる人も多いのでは?
そこで、韓ドラ初・中級者におすすめのドラマを、長年、韓国エンタメを追いかけるライター・田名部知子が紹介します!
『愛の不時着』ヒロイン、ソン・イェジン主演の『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』
『愛の不時着』ロスの人におすすめしたいのが、同作でヒロインを演じたソン・イェジンが主演を務める『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』です。
『愛の不時着』より前の2019年にリリースされた作品ですが(韓国での放送は2018年3月)、カリスマ性を備え、逆境をたくましく生き抜く強烈なキャラクターのユン・セリを演じたソン・イェジンが、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』では、優柔不断で恋に家族に右往左往する“綺麗だけど普通のお姉さん”を演じている点にぜひ注目していただきたいです。
主題歌は、誰もが聴いたことのある、アメリカのシンガー・ソングライター、レイチェル・ヤマガタが歌う『Something in the Rain』。挿入歌として、メグ・ライアン主演の映画『めぐり逢えたら』でも使われた60年代のヒット曲『Stand By Your Man』も流れるので、作品全体にはスタイリッシュな雰囲気が流れつつ、往年のラブストーリーをも彷彿とさせます。
《あらすじ》
コーヒーメーカーに勤める35歳のユン・ジナ(ソン・イェジン)は、弁護士の彼の浮気が原因で別れたばかり。母親には結婚をせかされ、職場ではセクハラ、パワハラ問題で行き詰まる日々を送っていました。
そこへ幼なじみの親友・ギョンソンの弟で、自分の弟・スンホの親友でもあるソ・ジュニ(チョン・ヘイン)がアメリカ赴任から帰国。2人は7歳の年齢差がありましたが、意気投合しいつしか付き合うように。
幼い頃から家族同様に育ってきた2人の交際を、お互いの家族はなかなか受け入れることができず、2人の間にも微妙な空気が流れ始め…。
【見どころ1】他人の恋愛を覗き見てしているようなリアルな感覚
絶対に普通の人には見えない美男美女の主演2人による“普通の恋愛”演技がうますぎて、「わかるわかる!」「あるある!」と感情移入してしまうのが本作の大きな特徴です。
両思いになって幸せ絶頂の甘甘シーンも、何かが掛け違って2人がすれ違っていく過程もすべての演技が素っぽくてリアル。ロマンチックなシーンではスローモーションを効果的に使い、見る者を幸せの空間へといざないます。
ジュニがジナの肩に手を回せず上空でクルクルさせていたり、飲み込んだ告白の言葉が「明日、ご飯おごって!」というセリフに代わってしまったり。そんな付き合うまでのモタモタも、ずっとモタモタしていてほしいと思えるほど、愛おしいのです。
◆誰もがキュンとするテーブルの下で手を握るシーン
個人的に好きなシーンは(たぶん万人が好きなはず)、お互いの同僚たちと一緒に飲んでいて、テーブルの下でジナがジュニの手を握るところです。それがジナからの決定的な告白となり、その気持ちに応えるようにジュニもジナの手を握り返すところはもう、変態的にリピートしています。
【見どころ2】ソン・イェジン、『愛の不時着』のユン・セリとの違いが楽しい!
ソン・イェジンの魅力のひとつに、目尻を思いきり下げて笑う笑いかたと、目を腫らし鼻を真っ赤にして泣く演技がありますが、そんな点が今回も遺憾なく発揮されています。女優だから当たり前といえばそうなのですが、同じ号泣と笑顔でも、セリとジナは別人にしか見えないのですからさすがです。
◆絶世の美女なのに庶民的
演じるソン・イェジンは今回も間違いなく絶世の美女なのに、本作ではどこか庶民的。“庶民の綺麗なお姉さん”をやらせたらピカ一な点も、彼女の魅力のひとつかもしれません。