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麦茶の正しい作り方|ボトルにパックを入れたまま…は細菌が発生する原因に

適度なミネラルを含み、ノンカフェインで赤ちゃんからお年寄りまで安心して飲める麦茶は夏にはかかせません。ペットボトルの飲料よりもリーズナブルで、家計の味方でもあります。

麦茶の正しい作り方
夏に欠かせない麦茶の正しい作り方とは?(Ph/photoAC)
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でも、麦茶パックは作り方を間違えると、雑菌が増殖しやすいことをご存知でしょうか? まだ暑さの残るこの季節は要注意です。雑菌を繁殖させない麦茶の作り方を、食品保存アドバイザー・料理研究家の島本美由紀さんに聞きしました。

雑菌が繁殖しにくい、正しい麦茶の作り方

寝る前にやかんや鍋に麦茶パックを入れた水を沸騰させて、朝起きたら麦茶パックを取り出して麦茶をボトルに入れて冷蔵庫へ。…なんて作り方をしていないでしょうか? これは典型的なNG例です。

煮出したらすぐに冷やす

「菌は30度~40度で繁殖します。そのため、麦茶パックを煮出す際にやかんや鍋に麦茶パックを入れたまま粗熱をとると、雑菌が発生して日持ちがしなくなります。3、4日して麦茶や容器がヌルヌルしてきたら、雑菌が繁殖している証拠。

これを防ぐには、商品ごとに指定されている煮出し時間でパックを取り出すこと。10分と書かれていたら10分でパックを取り出しましょう。また、すぐに冷やすことも重要です。煮出し終わったら常温で粗熱が取れるまで放置するのではなく、大きなボールに張った氷水にやかんごと入れて急冷します。すると雑菌が繁殖せず、5日はおいしく飲むことができますよ」(島本さん・以下同)

水出しも考え方の基本は同じです。保存用のボトルに水と麦茶パックを入れ、決められた時間にパックを取り出します。

麦茶のパックは決められた時間に取り出す
麦茶のパックは決められた時間に取り出す(Ph/photoAC)
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ボトルに麦茶パックを入れっぱなしはNG

「よくある間違いは、ボトルに麦茶パックを入れっぱなしにすること。パックは腐敗の原因となるでんぷん質が入ってるので、雑菌が発生しやすいのです。味に関しても、味が濃くなったり、えぐみや苦みが出てしまうため、必ず指定の時間で取り出しましょう」

水出しは火を使わないので手軽なのが魅力ですが、水の味がダイレクトに伝わります。水道水とミネラルウォーター、どちらがいいのでしょうか。

「結論から申し上げますと、お好みでどちらでもいいですよ。天然水やミネラルウォーターは塩素が入っていないので、スッキリとした飲み心地で麦茶本来の風味を楽しめます。水道水も地域によっては天然水のようでおいしいですよね。

水道水は塩素が入っているので、日持ちすると言われています。ただし、特に都会は水道水特有の雑味が麦茶の味を邪魔することがあります。塩素は1日ほどで消えるので、作った翌日のほうがおいしく飲めるかもしれませんね」

おいしく飲める麦茶の保存期間は4日程度なので、その期間で飲み切れる量を作ることもポイントです。

パックの二度使いや持ち運びについて

取り出した麦茶パックをすぐに捨てるのはもったいない、もう一度使えるのでは…。そう考えたことがあるの人もいるのではないでしょうか。

「薄くはなってしまいますが、作って続けて使用するなら二度使いしても構いません。ただし、使用済みのパックを取っておいて翌日以降に使うのはNGです。その間に雑菌が繁殖してしまいます。水分を含んだパックは菌の格好の餌で、カビになることもあります。常温で数時間放置後の使用は絶対にダメ」

ペットボトルの麦茶を飲んでいる女性
ペットボトルの麦茶は持ち運ぶ際は注意が必要(Ph/photoAC)
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ペットボトルの麦茶を持ち運ぶ際の注意点

では、ペットボトルの麦茶だと衛生的で安心かというと、飲み方次第ではそうとも限らないそうです。持ち運ぶ際は注意が必要です。

「ペットボトルは口をつけて飲むので、雑菌と麦茶のでんぷんが混ざって、雑菌が繁殖しやすくなります。そこに加えて、夏の炎天下で気温30度を超えると、ますます雑菌が増えてしまう。特に、途中まで飲んだペットボトルを放置して車を降り、戻ってきてから残っている麦茶を飲む行為は、食中毒の原因になります。

味に酸味がかっていたり、ぬめりが出てきたら注意です。夏に持ち運ぶ場合はなるべくすぐに飲み干すようにしましょう。また、家で作った麦茶を空のペットボトルに入れて持ち運ぶかたもいますが、そういうときは水筒にしましょう。カップで注ぎながら飲むとペットボトルよりも衛生的です」

◆教えてくれたのは:食品保存アドバイザー・島本美由紀さん

食品保存アドバイザー・島本美由紀さん
食品保存アドバイザー・島本美由紀さん
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料理研究家・食品保存アドバイザー、ラク家事アドバイザー・食品ロス削減アドバイザー・防災士。食べ物をムダにしないレシピや家事が楽しくラクになるアイデアなどに定評がある。雑誌やテレビ、講演会など多方面で活躍し、著書は70冊を超える。近著に『生のまま! 野菜&フルーツ最新冷凍術』(秀和システム)がある。http://shimamotomiyuki.com/

取材・文/小山内麗香

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