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母親のいいなりで何でも買う夫…妻がすべき対策を『夫のトリセツ』著者がズバリ

夫婦のお金のはずなのに、夫が相談もなく使ってしまう。しかも、親のいいなりになって何でも買ってしまって…。

けんかしている夫婦
お金の件で夫ともめないには?(Ph/GettyImages)
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こんな夫をどうにかしたい――。夫婦のお金をもめずに使う方法をベストセラー『夫のトリセツ』(講談社)の著者で脳科学・人工知能(AI)研究者の黒川伊保子さんに教えてもらいました。

【相談】私に相談もせずに義母のいいなりでお金を使う夫をどうにかしたい

「夫は長男で、義父はすでに他界し、義母はうちの近所で暮らしています。義母は病気もせず元気なのはいいのですが、『外壁を塗り直りしたい』『エアコンが壊れた』といってはうちがすべて面倒を見ています。

もちろん親のことなのである程度仕方がないとは思いますが、夫はすべて母の言いなりで勝手にお金を使ってしまいます。夫が稼いだお金とはいえ、私に相談もせずに使われるのは面白くありません。義母の言いなりになる夫、どうしたらよいでしょうか」(54歳・主婦)

* * *

夫はもっと妻の意見に耳を傾けるべき

お財布が1つなのに、妻に相談がないのは、妻の存在を無視したのも同じ。それが、このかたを傷つけているんですよね。もちろん、妻に何の相談もなく、勝手にお金を使う夫が悪いと思います。

我が家は、財布は別で、生活費を出し合うかたちなので、夫のお金の使い道は気になりません。

しかしながら、1つの財布を夫婦で管理して、節約し、貯金している妻がいる場合は、「妻の手柄」も収入のうち。2人のお金と呼んでいいと思います。

男たるもの、妻に専業主婦になってもらって財布を預けたら、それはもう妻のものだと思う度量がなくてはね。母親のためにお金を使うときも、妻にその決定をゆだねるのが基本です。

男女
大きな買い物を購入するためにはお互い確認をとりたい(Ph/GettyImages)
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例えば、

夫「母さんのエアコンが壊れたんだけど、どうしたらいいと思う?」
妻「修理して使えないの?」
夫「もう17年もので修理できないんだ」
妻「じゃあ買うしかないね」
夫「君、どこか安いところ見つけてくれない?」

みたいな話があれば、奥さんも協力しようという気持ちになるはずなのに。

さらに言えば、夫も少し困ったふりをして「母さんのエアコンが壊れて、買ってほしいなんて言ってるんだよ。わがままだよな」とか言えば、妻も「エアコンなしではこの猛暑は越せないわよ」と買ってあげてもいいじゃないのという気持ちになるもの。

相談をするということは、その人の存在を認めたということになります。家族の間では、相談は思いのほか大事です。

夫婦のお金なのだから相談があって当然

うちの場合を考えてみると、私の実家の母は90歳で、弟は母の面倒を見るために早めに仕事を辞めてくれています。そのため、私が生活の補填を少ししているので、実家のエアコンが壊れたら私が買うことになるはず。

うちは私と夫の家計が別々なのでそういうことで文句を言われたことはないのですが、もしも家計が一緒で私が勝手にエアコンを買ったとしたら、夫はきっと「一言言ってくれてもいいのに」と言うでしょうね。私自身も、共通の財布からお金を使うときに、夫に何も言わないなんて、考えもしません。

家と夫婦とお金
夫婦のお金なのだから相談するのは当然(Ph/GettyImages)
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このかたの夫は、家計は自分のものと思っているようで、ご自身も「夫が稼いだお金」と言っていますが、妻の内助の功と節約でその金額をキープしているわけですから、当然、2人のものですよ。2人の財布からお金を使うわけですから、相談するのは当然です。では、どうすれば夫は相談してくれるようになるのでしょうか。

「相談してくれなくて寂しい」と夫に言ってみる

妻の側からできることとしては、夫に「相談してくれないのが寂しいわ」と言うこと。

もしも、使途不明金が見つかって「このお金、何に使ったの?」と夫に聞いたときに、「母さんのエアコン買った」と言われたら、「相談してくれないのは寂しい。私もお義母さんのことを心配したいわ」と。

そうすれば、次はきっと相談してくれて、今後はよい感じに回っていくと思います。

夫婦は互いに頼り合うべき

これは余談だけど、私たちの親の世代の傾向として、息子のお金は自分のお金と思っている人が多いように感じます。

私の親戚でも「息子の給料、嫁が全部持っていくのよ!」と言う人がいますが、「夫婦なんだからいいのでは?」と思いますよね。

この夫婦の問題点は、お金のことだけなく、妻が頼りにされていないこと。

今後、お互いの親が病気になったときや介護の問題に直面したときに、夫婦で協力してやっていかないといけなくなるときがやってきます。そんなときのためにも、お互いに頼り合える関係を築いておきましょう。

◆教えてくれたのは:脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん

株式会社 感性リサーチ代表取締役社長。人工知能研究者、随筆家、日本ネーミング協会理事、日本文藝家協会会員。人工知能(自然言語解析、ブレイン・サイバネティクス)、コミュニケーション・サイエンス、ネーミング分析が専門。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳と言葉の研究を始める。1991年には、当時の大型機では世界初と言われたコンピューターの日本語対話に成功。このとき、対話文脈に男女の違いがあることを発見。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。2018年には『妻のトリセツ』(講談社)がベストセラーに。以後、『夫のトリセツ』(講談社)、『娘のトリセツ』(小学館)、『息子のトリセツ』(扶桑社)など数多くのトリセツシリーズを出版。http://ihoko.com/

構成/青山貴子

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