夕食は控えめにするのがダイエットには効果的、というのが一般的です。ところが、管理栄養士の菊池真由子さんは、ダイエットをしている人ほど夕食をしっかり食べてほしいといいます。菊池さんにその理由と効果的な食べ方を教えてもらいました。
夕食をとらないと肥満リスクが上昇
大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの山本陵平准教授と守山敏樹教授の研究グループは昨年、大阪大学の学生2万6433人を6年間追跡し、夕食の摂取頻度と肥満の関係を示した研究結果を世界で初めて明らかにしました。
「研究結果では、入学前に1年間夕食をほぼ毎日食べていた学生と比べ、食べていない学生は入学後に体重が10%以上増加するリスクが上昇していたのです(男性1.74倍、女性1.68倍)。(参考文献:“Associations of Skipping Breakfast, Lunch, and Dinner with Weight Gain and Overweight/Obesity in University Students: A Retrospective Cohort Study”2021年1月19日国際科学誌『Nutrients』(オンライン)に掲載)。
これまで、朝食はしっかり食べた方が太りにくいというデータはありましたが、夕食についての研究結果は初めてだったので、私自身も驚きました。やはり、肥満予防という観点からは、朝食も夕食もしっかりとることが大事だと思います」(菊池さん・以下同)
たんぱく質、食物繊維+水分がカギ
菊池さんも、基礎代謝が落ち始め脂肪がつきやすくなる40代以降ほど、ダイエットのために夕食を抜いたりせず、体形を維持するべく毎日の夕食は欠かさず食べたほうがいいといいます。ダイエット中におすすめの太りにくいメニューとは?
「たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)、食物繊維(野菜、海藻)、水分(みそ汁、スープ)が大事です。特に、筋肉の材料となるたんぱく質は重要。体に筋肉の量が多いほど消費カロリーが増えてやせやすい体になります。
また、食物繊維と水分を一緒に摂ると、お通じがよくなりポッコリお腹の解消にも有効です。さらに、水分を多く摂取すれば食欲増進ホルモンの分泌が抑制されますから、過食の予防にも。みそ汁やスープでなくても、食前、食中、食後に水やお茶を飲むことで代用できます」