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1年で24kgのダイエットに成功した専門家が有酸素運動をやめた3つの理由

ランニングする女性
有酸素運動をやめた3つの理由とは?(Ph/GettyImages)
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「ダイエットしなきゃ!」と自分を奮い立たせたあと、食事制限とともに多くの人が思い浮かべる次の手段は「有酸素運動」ではないでしょうか。でもその有酸素運動が実は減量に逆効果だったとしたら――。体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功し、その後トータルダイエットカウンセラーとして活動、今はヘルスフードサイエンス研究家の大西ひとみさんは5年ほど前にダイエットのための有酸素運動はやめたそう。その理由を教えてもらいました。

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有酸素運動をやめられずにいた

私は22歳から50歳を迎える現在までの27年間、筋トレを欠かさず続けていますが、一方で5年ほど前から有酸素運動をすることをやめました。

24㎏減量に成功した大西ひとみさん
24kg減量に成功した大西ひとみさん
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その理由は、自らの体を実験台として、日々新しくアップデートされる世の中の情報の答え合わせをする中で、有酸素運動をしないほうがストレスなく体型維持ができるだけでなく、“老化を遅らせることができる”と感じたからです。

「ダイエットには有酸素運動」という考え方は長年私たちの常識でしたし、私も何十年もの間、有酸素運動をしないとまた太ってしまうのではないかという恐怖で有酸素運動をやめられずにいました。

考え方によっては、有酸素運動はダイエットにもちろん効果的な側面もありますが、今回はそんな考えでしかなかった私が、どういう理由で有酸素運動を控えるようになったのか、またそれによって何が変わったのかをお伝えすることで、皆さんのダイエットの参考になればと思います。

逆に食べ過ぎてしまう

有酸素運動をやめるきっかけになった一番の理由は、有酸素運動をすることで逆に食べ過ぎてしまうことに気付いたこと。

有酸素運動で使ったカロリー消費に満足するのはよいのですが、走った数時間後には物すごくお腹が空いてしまい、気の緩みと空腹感に耐えられず、ついつい必要以上に食べ過ぎてしまい、全く体重が減らない…そんなことがよくありました。

料理を食べている女性
必要以上に食べ過ぎてしまう(Ph/GettyImages)
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その時間を別の有意義なことをする時間に

しんどい思いをして嫌々走る気持ちや、走るために捻出する時間を考えると、走って消費した分のカロリーを摂取しなければいいだけだ――。そんな風に考えるようになり、有酸素運動をする量を減らしたのです。

そうするとむしろ走るのをやめているときのほうが、お腹が異常に空いて勢いで食べ過ぎてしまうことも減り、走っているのに体重がなかなか減らないというストレスを感じることもなくなりました。

またそれだけではなく、有酸素運動をしない分の時間を別の有意義なことに使えるようになったのです。

長期的な目で見るとより痩せにくい体を作ってしまう!?

人間は、同じことを繰り返し続けるとその運動に慣れ、体が徐々にカロリー消費を減らしてその運動をこなすようになります。人間の体はとても賢いのです。つまり、有酸素運動をし続けていると、そのうち体重が落ちにくくなってしまうので、強度を上げ続けるか、時間を長くし続けない限り、体に同じ結果を望めなくなるのです。

強度を上げ続けるか、時間を長くし続けない限り、体に同じ結果を望めなくなる(Ph/GettyImages)
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それを避けるために運動強度を変えたり、有酸素運動の方法を変えたりしてきましたが、何十年も有酸素運動を続けているとその成果が頭打ちとなってしまうような状況になり、自分の体力が体の慣れに追いつかなくなってしまったこと、それが有酸素運動をやめようと思う気持ちに拍車をかけました。

有酸素運動をしすぎると老化が早まる?

また、有酸素運動をしすぎると、コルチゾール(ストレスホルモン)と言うストレスホルモンの分泌を上昇させるとの指摘があります。コルチゾールの分泌量が増えると、体内の酸化物質の量が増加するため、老化が早まるといわれています。

それだけに留まらず、有酸素運動をすると、呼吸量が増えて酸素を取り込む量が増えることで体内に有害なフリーラジカルが生成され、酸化ストレスを生み出してしまい体のダメージを修復してくれる抗酸化物質を激減させてしまいます。(※フリーラジカルとは活性酸素で、体を酸化させサビを作る原因となるもの)

こうしたことを知ったとき、自分の体型維持のために有酸素運動を続けることは、本当の意味で最善の選択なのかを考えるようになりました。

有酸素運動をやめたことで、食べ物をより正しく選択する習慣に

以上に挙げた【1】有酸素運動をするとお腹が異常に空いて食べ過ぎてしまうこと、【2】有酸素運動を続けることで痩せにくくなってしまったこと、そして【3】老化を早める可能性のあること、この3つの要素は、頭では理解していても、有酸素運動をやめる決断をするまで私は何十年もの時間を要しました。

サラダ
食べ物をより正しく選択する習慣に(Ph/GettyImages)
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前述したように、「有酸素運動をしないと絶対に太る」と言う恐怖にとらわれ過ぎて、「今」自分の体型を維持できればよいと言うことしか考えていなかったのです。有酸素運動を続けた10年後、20年後の自分がどういう苦労をするのか、見ないようにしていたのかもしれません。それほど有酸素運動に執着していましたし、これほど有酸素運動にとらわれていた私にとって、有酸素運動をやめて体型維持をするという決断をくだすことは、本当に困難でした。

「有酸素運動をしなければ」というストレスから解放

今では、今回お伝えした有酸素運動をし続けることで体感したこと一つ一つに向き合うことができるようになり、有酸素運動をやめたことで、有酸素運動をしなければならないというストレスから解放されただけでなく、食事のコントロールをすることで有酸素運動に執着せず体型維持ができることを学びました。

さらに、有酸素運動をやめたことで、より食べるものを正しく選択する習慣にもつながっていきました。正しく食べ物を選択する習慣はダイエットだけでなく、健康や美容にもさまざまなプラスの効果を生んでくれます。

もし、今、昔の私と同じように有酸素運動をしないと体型維持ができないと思っているかたがいれば、今回の記事が有酸素運動が本当に必要なのかを考えるきっかけになってくれればうれしく思います。

◆教えてくれたのは:ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん

ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
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9年間、米ロサンゼルスでパーソナルトレーナーとして活動後帰国。トータルダイエットカウンセラーとして7冊の本を出版、ダイエット商品・食品の商品開発の監修などをはじめさまざまなメディアで活動。2017年に自身のギルトフリースイーツブランド「h+diet(エイチプラスダイエット)」(https://h-plusdiet.com/)を立ち上げ、現在は東京・武蔵小山で『h+diet laboratory』をオープン。野菜を使い、甘味料・人工甘味料不使用、グルテンフリーの「栄養学から考えるオーガニックスイーツ」を販売、他社の商品監修などに携わるなどヘルスフードサイエンス研究家としても活動。

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