
2022年秋の旅は、鉄道がおすすめ。今年は鉄道開業150周年でお得な切符が発売されているほか、大人旅のお供にしたいお得なきっぷを、利用のヒントと共に旅行ジャーナリストの村田和子さんが紹介します。
* * *

秋は旅をするのにベストシーズン。現在、鉄道開業150周年となる10月14日に向けて、お得なきっぷが販売されています。他方、全国をグリーン車で旅ができると人気だったフルムーンパスが、今期より発売停止に。残念ですが、グリーン車で優雅に旅ができるお得なきっぷは他にもあります。今回は大人旅のお供にしたい、おすすめのJRお得きっぷを紹介します。※きっぷの詳細については公式ページでご確認ください。
普通列車でのんびり列車旅 鉄道開業150年記念秋の乗り放題パス
全国のJRで発売される「鉄道開業150年記念秋の乗り放題パス」(https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220902_ho02.pdf)は、“秋の青春18きっぷ”ともいわれる普通車乗り放題のきっぷです。秋は車窓からの景色も美しく、のんびりと普通列車に揺られながら旅すれば、新たな発見があるかもしれません。


どんなきっぷ?
連続した3日間、全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席及びJR西日本宮島フェリーが乗り放題。発売は2022年10月21日まで。利用できるのは10月1日~23日(21日出発分)。価格はおとな7850円、こども3920円です。
利用のヒント
遠くまで足を延ばす以外にも、自宅を中心に3日間、さまざまな方面へ日帰り旅行をする使い方もできます。途中下車が気ままにできるのも魅力。運行の少ない地方ではダイヤの確認をすること、特急券を別で購入してもこのパスで特急や新幹線は利用できないので注意しましょう(乗車券としても無効です)。
旅の計画で迷ったら、春・夏・冬に発売される「青春18きっぷ」のおすすめルートが、旅や鉄道に関する媒体、一般の利用者により、たくさん公開されているので参考になります(利用できる回数や利用方法は異なります)。さらに乗り換え検索のジョルダン「青春18きっぷ」検索(https://www.jorudan.co.jp/norikae/seishun18.html)を使えば、長距離を普通車で移動する場合の経路が調べられます。具体的な計画のほか、「行きたいけれど、時間はどれくらいかかるか?」をざっくりと調べるときにも重宝します。

なお、JR東日本では、鉄道開業150年を記念して、鉄道開業150年記念 JR東日本パス(https://www.jreast.co.jp/150th/campaign/00014/)を発売。JR東日本全線、その他鉄道路線(7社)の列車が3日間乗り降り自由で、価格はおとな2万2150円、こども1万150円。座席の指定を受ければ、新幹線・優等列車の普通車指定席に4 回乗車でき、遠方への旅も便利です。
利用期間は2022年10 月14 日~27 日まで。JR東日本の沿線は、紅葉の見ごろを迎えるとことも多く、絶景巡りの旅を楽しむのもいいのでは?


グリーン車で優雅な旅 50歳以上の大人専用「西日本グリーンきっぷ」
フルムーンパスは廃止されましたが、JR西日本のエリアでグリーン車の旅を楽しめる「西日本グリーンきっぷ」(https://www.JR-odekake.net/railroad/ticket/tokutoku/nishinihon_green_kippu/)は現在も販売中。50歳からの旅クラブ「おとなび」向けの商品ですが、50歳以上なら入会ができ会費は無料です。
どんなきっぷ?
JR西日本全線の新幹線・特急列車が連続する3日間または5日間乗り放題。グリーン車指定席または普通車指定席が6回まで利用可能。発売は3日間用が2023年3月12日(日)、5日間用が2023年3月10日(金)まで。2023年3月21日(火・祝)までの連続する期間の利用ができ、価格は3日間用が2万3000円、5日間用が2万7000円。


利用のヒント
利用7日前までの発売なので、余裕をもって手配をしましょう。西日本グリーンきっぷは、2名以上の利用となります(※)。割引率が高く、例えば新大阪駅から博多駅まで新幹線のぞみ号グリーン車で往復すると、通常は4万1380円。単純に往復しても、3日間用(2万3000円)なら1万8380円もお得と十分もとはとれます。観光列車も、座席指定を受ければ乗車できるので、計画に取り入れるといいでしょう。

なお1名で利用したい場合は、少し割高ですが、西なびグリーンパス(旅行会社限定発売)がおすすめです。
誕生日は四国一周?グリーン車用のきっぷも!JR四国「バースデイきっぷ」
誕生日に旅に出るかたも多いのでは? そんな時に一押しなのが、JR四国が発売するきっぷ「バースデイきっぷ」(https://JR-eki.com/ticket/brand/1-3WL)です。

どんなきっぷ?
誕生月の連続3日間、JR四国全線と土佐くろしお鉄道全線の特急列車が乗り降り自由。JR四国バスの路線バス(高速バス除く)も利用OK。グリーン車用と普通車自由席用があり、それぞれ価格は1万3240円(グリーン車用)、9680円(普通車自由席用)です。
利用のヒント
誕生月の本人のほか、全行程同一で移動する3名まで同種のきっぷを購入可能。グリーン車用なら、四国の観光列車(伊予灘ものがたり・四国まんなか千年ものがたり等)もあらかじめ座席の指定を受けることで、追加料金なしで乗車できます。3日間あれば四国周遊などの計画もOK。購入、利用には誕生日が確認できる公的証明書が必要です。

いかがでしたか? 他にもJR東日本では、大人の休日倶楽部会員限定で、JR東日本全線が乗り放題となる「大人の休日倶楽部パス」を10月24日(月)に発売(利用期間は11月24日(木)~12月6日(火))。JR九州やJR北海道でも、乗り放題のきっぷがあるので、各社ホームページで確認を。
きっぷの購入については、WEB限定や窓口対応が必要なもの、券売機で買えるもの、地域限定で発売されるものなど、さまざま。購入期限があり、乗車当日は購入できないものもあるので注意しましょう。ホームページの各きっぷ詳細に記載があるので、購入方法・期限・受け取り方法等を忘れずに確認してから旅の計画をしましょう。
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年よりNHKラジオ『Nらじ』月一レギュラー。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)。
●今、旅行は脱ゴージャス?注目したい大人の宿…テーマは「SDGs」「エコツーリズム」