健康・医療

むくみ&冷え対策は秋から!名医が提案、冷たいものが飲みたいときは「レモン+炭酸水」を

炭酸水に入った輪切りレモン
むくみ&冷え対策に「レモン+炭酸水」を名医が提案する理由とは?(Ph/イメージマート)
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秋は、日中は暑さを感じる日もあり、またお風呂上がりなどは冷たいものを飲みたくなります。とはいえ、美容にも健康にも「冷え」は大敵。そこで、冷えやむくみについて詳しい医師・石原新菜さんに、冷え対策とむくみ対策をかねた冷たい飲み物「レモン+炭酸水」を提案してもらいました。

「冷えもむくみも本番は冬」は間違い、秋から対策が必要

昼間は暑さを感じることもある秋、血流や代謝もよく、冷えやむくみに深刻になるのはまだ先と思っていたら大間違いだと、石原さんは言います。

「実は、秋も冷えやむくみが起こりやすいんです。というのも、季節に関係なく体のめぐりが悪くなると、むくみは起こります。動脈から流れてきた血液の水分は細胞間質にしみだして、細胞へ栄養を行き渡らせます。その後、静脈やリンパ管に水分が吸収され戻っていきますが、静脈やリンパ管の流れが悪いと細胞間質に水分が溜まってしまいます。

これがむくみの理由です。同じむくみでも、まだ暑さを感じる秋の冷え、むくみは悪条件がそろっていてしっかりとした対策が必要です」(石原さん・以下同)

秋に気をつけるべき「冷え」行動は?

その悪条件というのは――。秋になると朝晩は冷え、昼間は暑いという日が多くあります。また、段々と寒くなり、夏に比べると屋外に出るよりも屋内で過ごすことが増え、空調が効いた乾燥した屋内にいると喉が渇くので多めに水分を摂ってしまうこともよくあります。

「屋外や暑い室内で活動をしている場合はもちろん、水分補給は肝心です。しかしそういった状況でなければ、水分を多めに摂らなくても問題はありません。空調が効きすぎる室内にいるのに、美容や健康のためにと水分を多く摂っていませんか? 日中、冷房や暖房がかかった環境にいる人は、水分を多めに摂ると体に水分が溜まってしまい、冷えて、毛細血管が収縮するので、むくみの原因につながります。

筋肉はリンパや毛細血管のポンプの役割を果たしています。筋力を動かさないとポンプの役割が弱くなり、毛細血管まで血液が行き渡らなくなり、体液循環の働きを低下させます。女性がむくみやすいのは、男性に比べて筋力が弱いからとされています。心臓から遠いところほど血液は届きづらく、冷えやすくむくみやすくなっています。そして、水分は重力によって下に落ち、上からは足首が見えない象のような脚をつくってしまうのです」

炭酸水は血管を拡張し血行促進に!「レモン+炭酸水」がベスト

冷たいものを飲みたいときに、おすすめなのが、冷えやむくみ対策につながるレモンと炭酸水を組み合わせた「レモン+炭酸水」だと言います。

グラスに注がれる炭酸水
炭酸水は血管を拡張し血行促進に役立つ(Ph/イメージマート)
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グラスに炭酸水とレモンが入ったものとカットレモン
レモン+炭酸水にしょうがのすりおろしを加えるとなお健康的(Ph/イメージマート)
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「水分を摂るとき、むくみ改善には炭酸水がおすすめです。炭酸は血管を拡張し血行促進に働き、体のめぐりをよくしてくれるからです。さらに、血行促進効果の期待できるレモンの皮のすりおろしや丸ごと冷凍したレモンのすりおろし(冷凍すると果汁も皮も一緒にすりおろせます)を入れると効果が高まります。

また、レモン酢やはちみつレモンなら、レモネードのようになり飲みやすくなります。分量は、自分の好みがベスト。おいしくないと意味がありません。しっかりとレモンの味を感じたいなら炭酸水200~300mlに対して、レモン1/3~1/2くらい入れてもいいと思います。これからの季節は炭酸水は常温でもOK。本当に冷え対策を重視するなら常温のほうがいいですね」

レモンなど、食生活にむくみを改善する食材をプラス

レモンは、普段の食事の際にプラスして活用することもできます。

まるごとレモンとカットレモン
レモンはむくみを改善する働きがあるヘスペリジンを含んでいる(Ph/イメージマート)
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「レモンはむくみを改善する働きがあるヘスペリジンを含んでいます。皮に多く含まれるので、皮ごと使いましょう。魚のマリネやサラダにスライスしたレモンと相性抜群です。私は、リンゴ酢にレモンを皮ごと細かく刻んで漬け込み、料理や飲み物に使っています。お酢によって皮がやわらかくなり食べやすくなりますよ。皮ごとレモンのはちみつ漬けもいいですね。

また、レモン以外にも漢方医学的にはしょうがも体を温める食材として有効です。レモン+炭酸水にしょうがのすりおろしを加えて、はちみつを加えるなどしてもいいかもしれません。特に冷え冷えでなくてもよければ常温の炭酸水で作っていいでしょう。温かい飲み物がよければ、お湯+レモン+しょうがでももちろんOKです。冷え対策にはこちらのほうがおすすめです。朝作ってマイボトルに入れ、携帯してこまめに飲むというのもいいですね」

◆教えてくれたのは:医師・石原新菜さん

イシハラクリニック副院長の石原新菜さん
イシハラクリニック副院長の石原新菜さん
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イシハラクリニック副院長。父である石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に『がんばらなくても2週間で-3kg 医者が教える奇跡の16時間断食』(宝島社)などがある。https://www.ninaishihara.com

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