毎月決めた予算で家計をやりくりするには、無駄な出費を減らすことが大切です。しかし、節約が行きすぎてしまうと、まわりから「ケチな人」だと思われて距離を置かれてしまうことも。節約とケチの境目はどこになるのでしょうか? 徹底した節約生活と投資で2億円の資産を築き、早期退職した現在は海外の別荘で悠々自適な生活を送る、生活コスト削減コンサルタントの生方正さんの考えは――。
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ケチな人、節約する人、どこが違う?
「あの人はケチだ」と思われる人、「あの人は倹約家だ」と思われる人。その違いは何だと思いますか? 私は明確な違いがあると思っています。それは「ケチな人」は、1円でも自分のお金を減らしたくない人。「倹約家」は、お金を貯める目的があってそのために無駄なお金を払わないように気をつけている人です。
ケチな人は「とにかく支出を削りたがる」
ケチな人は、人から奢ってもらうことはあっても「この間はごちそうになったから」と、自分から払うようなことはほとんどありません。仮にあったとしても、相手が払った額よりも安い額で済まそうとするなど、お金を出し渋る傾向があります。つまり、ケチな人は、相手との関係より自分の手元に残すお金を優先して人と付き合う気持ちが強いのです。
倹約家は明確な目標があるからこそ無駄遣いをしない
倹約家は、日頃から自炊を心がけていても、「特別な日」にお金を使う傾向があります。「結婚記念日にはいいレストランで食事をする」「年に1度は家族と旅行に出かける」など、明確な目的があるからこそ、普段から節約しているのです。
クーポンや割引券を使う人はケチ? それとも倹約家?
「デートの際に、彼氏が支払いにクーポンを使っている姿を見て興ざめした」という話をよく耳にします。クーポンの使用に関しては、年齢や立場によって、「ケチ」か「倹約」か、とらえ方は異なった解釈をされます。
年齢や立場が変わればお金に対する意識が変わる
クーポンを使っている恋人を見て「嫌だな」と思う人は、「細かいことを気にするなんて格好悪い」「人としての器が小さそう」と思うのかもしれません。
しかし、結婚した後は生計を共にすることになるため、旦那さんがレストランの支払いにクーポンを使ったら「支出を抑えられた」と思う人が多いのではないでしょうか。立場が変われば、クーポンを使用して割引を得ることが「かっこ悪い人」から「お金の管理ができる頼れる人」へ見方が変わることになります。
わずかな割引も積み重なれば大きな出費に
「クーポンを使うことが格好悪い」と思っている人は、「レジ前で、クーポンを探すのに手間取って支払いが遅れるのが嫌」「安くなる5%を気にするなんて、ほかの細かいことも気にしそうで嫌だ」と思うのかもしれません。
しかし、クーポンを使わず割引を受けなかったら、余分な支出を払い続けることになります。「塵も積もれば山となる」という言葉どおり、50年間の長期視点で考えると数百万円の差がつくことになるのです。