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嫁姑問題がこじれないためには? 夫婦関係を悪化させずに夫を味方につける方法

嫁姑
パートナーシップアドバイザーの岡野あつこさんが教える嫁姑問題の解決法(Ph/photoAC)
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既婚女性を悩ませる永遠のテーマともいえるのが、「嫁姑の関係」。関係がこじれるのは単純な性格の不一致だけではなく、お互いの気遣いや親切心からも起こり得るからでしょう。そこで、数多くの夫婦問題を解決に導き、夫婦の修復のヒントとなる『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)を上梓した岡野あつこさんに、嫁姑問題の解決法を聞きました。

嫁姑の関係がこじれた2つのケースの共通点とは

嫁姑の関係が悪くなる原因はさまざまですが、どのように向き合えばいいのでしょうか。具体的なケースを紹介していただきながら、岡野さんに解決の糸口を教えてもらいます。

【ケース1】夫の実家の土地で、二世帯住宅に暮らすAさん

「夫の両親が建ててくれた二世帯住宅に、Aさんは感謝しながら住んでいました。ところが義父が他界し、寂しさから義母がAさん夫婦の家に入り浸るようになったのです。Aさんはストレスが溜まっていき、夫に“あなたからお義母さんに家に来ないように伝えてほしい”と頼むと、“オフクロの家なんだから、きみが我慢するのが筋だろう”と言われて、夫婦仲まで悪くなりました」(岡野さん・以下同)

夫婦喧嘩イメージ
「きみが我慢しろ」と言われたAさん(Ph/photoAC)
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【ケース2】義母のお土産から夫婦仲がこじれたBさん

「Bさんは子供には甘いものを食べさせない主義でした。それを知っている義母はチョコレートをお土産に持ってきて“みんなで食べて、食べないのなら捨ててもいいから”と言ったのです。おそらく、おいしいチョコレートだから夫婦で食べてほしい、でも子供の教育方針も知っているので、無理なら“捨ててもいい”という言葉を添えたのだと思います。

ところがBさんは、捨てていいようなものを持ってくるなんて、と不満に思ったそうです。夫に告げると、“(母親の言うことを)もっといいように考えてくれよ”と諭されて、Bさんは怒ってしまいました」

悲しそうな女性
Bさんは夫が味方になってくれるどころか怒られてしまった(Ph/photoAC)
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夫が妻の味方をしないと夫婦関係が悪化

2つのケースを見ると、妻が怒った共通の理由は、「義母について妻が夫に相談した際に、夫が義母味方になったこと」にあります。

「嫁姑関係でのキーパーソンは夫です。嫁姑問題が勃発した際には、夫が妻の味方をしないとこじれてしまいます。理由を説明しましょう。

夫と親の間には血のつながりがあります。長年の信頼関係もあります。その年月を超えることは妻にはできないのです。そこで夫が親の味方をしてしまうと、妻は孤立し、大きな溝ができてしまいます。それを修復するのは並大抵のことではありません。

夫にこっそりと相談した際には、夫から“オフクロには困っちゃうよな。きみにはいつも助けられているよ”と全面肯定の言葉がほしいものです」

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夫が義母の味方になることで関係が悪化する(Ph/photoAC)
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「妻に同意する夫」がAランク

母親を尊敬している、嘘はつきたくない、などで夫が母親をかばうと、夫婦関係までおかしくなってしまいます。

「夫にちょっと愚痴を聞いてもらうはずが、“オフクロを悪く言うな、おまえが悪い”なんて返されたら、妻は怒って当然です。嫁姑問題で、夫の態度としてベストのAランクは妻に同意すること。“ひどいなオフクロは、俺からよく言っておくよ”と言われたら、妻だって溜飲を下げます。Bランクは“きみがそう感じるなら、そういうこともあるかもな”と、意見として受け止める。

Cランクは逃げること、見なかったことにすることそして最悪のDランクが、親をかばうこと」

妻が上手に立ち回ることが夫婦円満のコツ

世の中、Aランクの夫ばかりではありません。その場合は妻側から、キーパーソンの夫にうまく立ち回ってもらう工夫が必要になります。

「妻が信頼関係のある親子に入り込むのは至難の業です。夫に相談する場合には義母を否定するような言い方はせず、“私の勘違いかもしれないけど、こういうことがあったの”“私が至らないのかもしれない、なにがいけなかったんだと思う?”そうやってクイズのように夫に気づかせると、夫は素直に考えてくれるかもしれません。

けんかしている夫婦
夫に義母のことで相談する場合はクイズ形式で気づかせる(Ph/GettyImages)
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それでもうまくいかない場合は、嫁姑の問題を友達のケースとして伝えるのです。夫は友達のことだと思っているので、冷静に意見をくれるでしょう。よく“自分の家のことを友達のケースとして夫に話したら、バレるのでは?”と言われるのですが、夫は気づかないものです。

それからしばらくして、“お義母さんとこんなことが起こっているの。これってこのまえ話した友達のケースと似てない?”そう話して、あの時あなたはこう言ったのだから、うちでもそれをしましょう、と導くとスムーズにいくことがあります」

「実はうちのことなの」はNG

ここで「あのとき友達のケースとして話したけど、実はうちのことなの」とネタばらしをしてはいけないと岡野さんは話します。

「あなた、この前こういったじゃないの!と鬼の首を取ったように突きつけると逃げ道がなくなり“あの時はそう言ったけど、今はこう思うんだ”と開き直られてしまいます。妻は上手に立ち回ることが、末永く夫婦円満でいられるコツなのです」

◆教えてくれたのは:夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー・岡野あつこさん

夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー・岡野あつこさん
夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー・岡野あつこさん
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1954年8月5日生まれ。埼玉県出身。36歳で起業し、自身の離婚経験を生かして結婚・離婚・再婚相談事業を開始。32年間のカウンセリングにおいて、3万8000件以上の相談を受ける。カウンセラーを育成する岡野あつこのライフアップスクールでは、約2200名の卒業生を輩出。テレビ・ラジオ・講演など幅広く活動し、YouTube岡野あつこチャンネルも好評。2022年9月に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)を出版。https://rikon.biz/

取材・文/小山内麗香

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