季節は初夏、アイスコーヒーが一層おいしくなる季節がやってきました。実はアイスコーヒーには、おいしさをより引き出せる淹れ方があるそう。極上のアイスコーヒーを淹れられるコーヒーメーカーとあわせて、家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。
アイスコーヒーをおいしく淹れるコツ
まず、コーヒー粉を使って500mlのアイスコーヒーを淹れるコツから。(量はあくまで一例ですので、お好みで調整を)
コーヒーのうまみと風味がつまった「急冷式」
「アイスコーヒーを淹れる方法としては、急冷式と浸漬(しんし)式があります。急冷式は、コーヒーをドリップしてすぐに氷で冷やす方式です。
使用するコーヒー豆は一般的に中(細)挽きした深煎りタイプで、粉50gに対し、お湯は少なめの300 mlで抽出します。ドリップする際はゆっくり時間をかけ、できれば最後の湯が落ち切る前にドリッパーを外します。コーヒーは後半で雑味が出てくるため、これを入れないことで、すっきりした味わいに。ドリップが終わったら、すぐに大量の氷を入れて急冷し、氷が溶けなくなるまでしっかり冷やします。こうすることで、コーヒーのうまみと風味を閉じ込めたおいしいコーヒーになります」(田中さん・以下同)
氷の量は300gを目安に、サーバーにたっぷりと。300 mlのコーヒーに多めに氷を入れると500 ml程度になり、それ以上は溶けきれず氷も残るため、キンキンの状態を保てるそうです。
苦みや酸味の少ない水出しコーヒー
一方の浸漬式とはいわゆる水出しコーヒーのこと。
「同じく中(細)挽きした深煎りコーヒー豆40gを市販の水出しコーヒーバッグに入れ、水500mlを入れたボトルの中に注いだら冷蔵庫で4時間以上おいておきます。水出しコーヒーは熱を加えないため、急冷式に比べて苦味や酸味が少なく、さっぱりした味わいになります」
アイスコーヒー専用モードがあるコーヒーメーカーも続々登場
いまは、アイスコーヒーを作れるコーヒーメーカーもあると言います。どのような仕組みで作っているのでしょうか?
「基本的にはドリップコーヒーを急冷するだけなので、一般的なコーヒーメーカーでも問題なく作れます。ただし前述のように、通常より濃いめに入れたり、最後の苦味のある部分は入れないほうがおいしくなるなど、アイスコーヒーならではの淹れ方がありますので、アイスコーヒーモードには、通常のドリップとは異なる抽出法になっていると思います。
実際、アイスコーヒーが作れるコーヒーメーカーは、徐々に増えてきています。理由としては、コーヒーメーカー自体が高性能になり、抽出温度を変えられるようになってきているからです。また、全自動コーヒーメーカーの中には、コーヒー豆の量や挽き方まで変えられるものも増えてきており、アイスコーヒーに適した抽出もできるようになっています」
中でも田中さんが注目している、極上のアイスコーヒーが作れるコーヒーメーカーを2点、紹介してもらいました。