「健康のために」とウォーキングやジョギングを始める人は多くいますが、『長生き足腰のつくり方』(アスコム)の著者でスポーツ整形外科医の渡會公治さんによると、「よい歩き方ができていないと、せっかく始めた運動が逆効果になることがある」そうです。悪い歩き方、よい歩き方について渡會さんに聞きました。
腰やひざを痛める「悪い歩き方」
「大学の授業で学生のデータをとった結果、約6割が悪い歩き方をしている可能性が認められました」と渡會さんは指摘します。悪い歩き方の特徴とはどのようなものなのでしょうか。
ひざに対してつま先が外を向いている
「正面から見るときは、ひざとつま先の向きをチェックしましょう。踏み出した足のひざとつま先が同じ方向ならOKです。違う方向なら悪い歩き方なので注意してください」(渡會さん・以下同)
ひざから下しか使っていない
「横から見るときは、背中と下半身の連動をチェックします。歩くときに、ひざから下しか使っていない人は悪い歩き方です。街中でも、とくに高齢の方ほど背中が動かずにひざ下だけを使ってちょこちょこ歩く姿が散見されます。体全体を使うようにしましょう」
人間の動作の基本である「歩くこと」が改善できると、腰やひざに余計な負担がかからなくなり、腰やひざの痛みが消えることになる、と渡會さんは言います。では、どんな歩き方をすればいいのでしょうか。
「荷物の持ち方」に注意
「歩くときに気を付けるひとつ目のポイントは、体の左右のバランスをとることです。どちらかに偏ると、その歪みでひざや腰に負担をかけることになります」
肩掛けカバンは交互の肩に
「荷物を持って歩くときは、左右均等に持つか、リュックに入れて背負うようにすると、左右のバランスが保ちやすくなります」
ショルダーバッグをいつも同じ肩にかけていると、左右のバランスを崩すことになります。意識して交互の肩にかけるように心がける必要があります。