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【大塚寧々 ネネノクラシ#55】車でひまわり畑へ 到着すると夫が暗い顔で「やってしまった…」

夫が暗い顔…何があった?(Ph/中野修也(TRON))
写真2枚

女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第55回は、寧々さんがこの夏に見に行った「ひまわり」について。

* * *
車で30分ぐらい走った所にひまわり畑があると聞き、夫と行ってみよう!という事になった。夕方にモチの散歩もかねて、行ってみた。

が、全然みつからない。グーグルで調べると確かにここら辺なんだけどなあ~と言いながら、「あっ、もう通り過ぎている!」 「え どこにあった?」などと言いながら何回か道を往復する。そして、やっと広い駐車場らしきところをみつけて畑の方に行ってみた。…ひまわり、まだ咲いていない。

時期は合っているはずだが、まだ咲いていなかった。そういえば、何年か前にスペインのアンダルシア地方に行った時も名物のひまわり畑が見たい!と思っていたのだが、まだ咲いていなかった。

それから二週間くらいして、もう咲いているだろうとまた行ってみる事にした。義父と母と夫と四人で。義父と夫はそのまま他の場所に行くので車二台に分かれた。目的地に近づくと、お~咲いている! ああ~良かったと思った。駐車場もそこまで混んでいなくてすんなり入れた。

夫がなんだか暗い顔をしている…

車を降りてひまわり畑に向かおうと、夫の車の方に行くとなんだか暗い顔をしてる。 ?と思ったら。「やってしまった…」とポツリと言う。どうしたの?と聞くと、車の鍵がないらしい。どうやら家を出る時に車のルーフトップにリモコンキーを一時的に置いて、そのまま走ってきてエンジンを切ったので、エンジンがかからないという。

美しい!ひまわり畑(Ph/大塚寧々)
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ひえ~と思った。何で、ルーフトップに鍵を置くんだ~と言っても仕方ないので黙っておく。とりあえず、もう一台の車で家まで戻ってみるよと言うと、いや、鍵が落ちたのが家ではなく道の途中とかだったりするかもしれないから、申し訳ないけどまずお隣さんに電話して見てもらおうと言う。

しばらくしてお隣のMさんから「あったわよ~!」と連絡があった。「鍵、壊れていませんか~?」と聞くと、 「ものすごく熱くなっているけど、壊れてはいなさそうよ~」と教えてくださった。ほっとした。後から走っていた私の車が、落ちた鍵を踏んで壊れている可能性もあるかもなどと夫が言うので、ヒヤヒヤしていたのだ。

すぐに家まで戻り、無事に鍵を受け取り、またすぐにひまわり畑に向かう。恐る恐るエンジンをかけてみると、ちゃんと動いた! 義父と母は、風が吹き抜ける木陰の涼しいところでソフトクリーム食べて待っていた。

ひと安心して、ひまわり畑を見ると、美しかった。

たくさんのひまわりが風にそよそよと揺られている。色々あったけど皆でひまわり畑を見れて良かった。

◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。

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