そろそろ新米が出回り、ごはんがいっそうおいしく感じる季節が近づいています。ただ、ごはんを炊こうにも、水加減を微妙に間違えたりして、おいしく炊けなかった…なんて経験はないでしょうか。そこで今回、家電ライターの田中真紀子さんに、お米の炊き方の基礎知識とともに、炊飯に失敗しがちな人をサポートする頼もしい炊飯器とグッズを教えてもらいました。
お米の炊き方をおさらい!
「炊飯器でご飯を炊く手順自体は簡単ですが、おいしく炊くためには、気をつけたいことがいろいろあります」と、田中さん。おいしいお米の炊き方を、改めて教えてもらいました。
【計量】
まずは米と水の計量から。ここで適当に量るのはご法度。
「炊飯器は、米と水を正確に計って投入された状態を基準に、おいしく炊けるようプログラミングされています。そのため、米や水を適当に計ってしまうと、硬かったり柔らかすぎたりする炊き上がりになることも」(田中さん・以下同)
炊飯作業も最初が肝心。では、どう計量したらよいかというと――。
「計量する際は、計量カップに米をすくった後、箸などですりきります。このとき、計量カップを揺すると米のすき間が埋まって米がはいりすぎてしまうため、揺すらないようにします。なお米1合は150gなので、キッチンスケールを使うのもいいでしょう」
【洗米】
洗米のポイントは、米を優しく研ぐこと。
「米を洗うときは、米と米をこすり合わせて研いでしまうと、米にヒビがはいってしまい、炊飯工程でうまみが逃げたり、つぶれてハリが失われたりします。ですので、米はごく優しく洗うのが鉄則。5本の指を立てて20~30回かき回しては水を替える作業を3回ほど繰り返したら、水をしっかり切り、ラインにあわせて炊飯用の水を入れます」
【浸水】
洗米後、浸水の時間はあえて取る必要ナシ。
「洗米の後、一般的には30分~60分浸水させることが推奨されていますが、炊飯器は炊飯工程に浸水があるため、あえて浸水時間を取る必要はありません。もちろん浸水してもいいですが、予約などによる長時間の浸水には要注意。特に夏場は、水が傷んだり、雑菌が繁殖したりする場合があります。心配な場合は、内釜にセットした状態で冷蔵庫に入れておき、帰宅後に早炊きしたほうがいいかもしれません。そもそも早炊きは浸水時間を短縮しているので、浸けておけばおいしく炊けます」
【炊き分け】
「水量は正確に」と前述しましたが、米の性質に合わせて、あえて水量を変える方法もあるそうです。
「よく言われているのが、“新米は水分量が多いため、水を少なめにするといい”ということ。また品種によっても、水分を変えたほうがおいしさを引き出せる場合があります。例えば、甘みが強くもちもちした食感が特徴の品種『ミルキークイーン』は水加減を少し減らすと、持ち味である粘りや弾力が際立つそうです」
計量や洗米をサポートしてくれるグッズに頼るのも手
とはいえ、時間に追われて、あるいはつい習慣で、計量や米研ぎを雑にしてしまう人もいるでしょう。
「正確に計量するのが苦手な人には、炊飯器に水の量を量るセンサーがついていたり、自動で計量したりしてくれる炊飯器がおすすめ。いずれも計量カップなしで、米の量に必要な水が正確に入れられます。また自動計量タイプは、炊飯を始めるタイミングで自動的に米と水を投入するので、長時間浸水してしまう心配がありません。ほか、米の特性に合わせて、炊き方を変える銘柄炊き分け機能も便利です」
具体的な製品は、次の通り。